はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

テザー社、コモディティ取引と伝統型金融に進出検討 新たな融資サービス構想も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

商品貿易で融資サービスを構想

ステーブルコインUSDTを提供する米テザー社のパオロ・アルドイノCEOは、同社が商品(コモディティ)取引とTradFi(伝統型金融)における事業を模索中だと話した。ブルームバーグが15日に報じた。

ブルームバーグによると、テザー社はコモディティ取引に携わるさまざまな企業と、米ドルによる融資の機会について話し合いを始めたところだ。テザー社が、そうした企業に、従来の金融機関よりも迅速で規制の制限が少ない資金調達オプションを提供することを検討しているという。

アルドイノ氏は、コモディティ貿易金融(Commodities trade finance)の分野におけるビジネスチャンスが今後「大きなものになる」と見ている。

コモディティ貿易金融とは一般的に、グローバルなコモディティ(原材料や農産物、金属など)の輸出入や取引に関する金融のことだ。テザー社は、コモディティ取引で必要な資金を第三者企業に提供する金融サービスを構想しているとみられる。

テザー社の計画が、特に資金調達の面で課題を抱える中小企業による国際貿易を助ける可能性も指摘されているところだ。

アルドイノ氏は、この新たな事業は、テザー社のステーブルコイン事業とは別の投資部門を通じて行われ、明確に区別されると強調した。ステーブルコインの準備金には影響しないことを示す格好だ。

関連: 仮想通貨取引所コインベース、欧州でUSDTなどのステーブルコイン廃止へ MiCA法準拠で

1兆円近い投資ポートフォリオ

テザー社は投資部門を立ち上げており、6月には、12か月間で10億ドル(約1,500億円)以上を投資すると述べていた。投資対象は金融インフラ、AI、バイオテクノロジーなどのハイテク分野とされる。

関連: ステーブルコイン発行企業テザー、今後1年間10億ドル超の投資見通し

2024年4月〜6月期の業績報告によると、テザー社はステーブルコインの準備金以外に、約65億6,000万ドル(約9,800億円)の投資ポートフォリオを積み上げてきた。

同社の今年上半期の純利益は史上最高の52億ドル(約7,800億円)に達している。これは特にUSDT準備金として大量保有する米国債から発生する収益が牽引するもので、投資資金も潤沢とみられる。

4月〜6月期にテザー社が直接または間接的に保有する米国債は、過去最高の976億ドル(約14.6兆円)に達した。

関連: USDT発行企業テザー、ブラックロックを上回る収益

最近の投資事例としてテザー社は4月、ベンチャー部門「Tether Evo」を通じてバイオテクノロジー企業「ブラックロック・ニューロテック」に2億ドル(約300億円)を出資した。

「ブラックロック・ニューロテック」は、脳コンピューターインターフェース(BCI)技術のパイオニアだ。麻痺や神経疾患に苦しむ人々を支援することを目指す企業であり、脳信号を読み取って思考によりデバイスを制御できるような技術を開発している。

この際、テザー社は「Tether Evoは、イノベーションと人間の可能性が交差する場所に立ち、今までにないような方法で技術と人間の能力が融合する未来へと、人類を導くことに貢献する」と述べていた。

関連: テザー社、これまでに不正ウォレット凍結で160億円を回収 市場シェアは75%に到達

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/14 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのイーサリアム相場分析やXRP現物ETFの連続純流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週の米雇用統計に注目、労働市場減速ならビットコイン相場に追い風か|bitbankアナリスト寄稿
BTC相場は1450万円周辺で推移。FOMCで利下げ決定、流動性供給再開で中期的な下支え期待。来週の米雇用統計で労働市場減速が示されれば、追加利下げ観測強まりBTCの追い風となるか。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
11:20
ファントムウォレットが予測市場機能を導入、カルシと提携
主要仮想通貨ウォレットのファントムが予測市場プラットフォームのカルシと提携し、ウォレット内で政治、スポーツ、文化イベントの契約を可能にする新機能を発表した。
10:25
Pyth Network、トークンの買い戻しメカニズム「PYTH Reserve」を導入
分散型オラクルPyth Networkが、収益の一部で仮想通貨PYTHを毎月買い戻す新メカニズムを導入する。DAOの資金残高の3分の1程度を購入に充てる予定だ。
09:20
テザー、イタリアサッカー名門ユベントス買収を提案
ステーブルコイン発行企業テザーがサッカークラブのユベントス買収を提案した。エクソール保有の65.4%株式を現金取得後、残る株式も公開買付けし、10億ユーロの投資を準備している。
08:30
テザー、自社株のトークン化や買い戻しを検討か
仮想通貨ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は、自社の株式の流動性を確保するためにトークン化や自社株買いなどの手段を検討していることが報じられた。検討の背景が明らかになっている。
07:40
ソラナDEX大手ジュピター、7つの大型アップグレード発表 オンチェーン金融強化へ
ソラナ上のDEXアグリゲーター「ジュピター」がレンディングのオープンソース化、ステーブルコインジュプUSDローンチ、トークン検証システムVRFD拡張など7つの包括的アップグレードを発表した。
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧