最大10億ドルの買い戻しプログラム
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは10月30日、7~9月期の決算報告を行った。取締役会が10億ドルの自社株買いプログラムを承認したと説明している。
発行済みクラスA普通株を期限なしで最大10億ドル(約1,500億円)買い戻すプログラムであり、買い戻しの時期と金額は市場の状況に左右されると述べた。
また、自社株買いは同社の裁量で行われ、「クラスA普通株式の金額または株式数については買い戻す義務を定めず、このプログラムはいつでも変更、一時停止、または中止される可能性がある」としている。
コインベースのアレシア・ハース最高財務責任者は決算説明会で、過去数年間にわたりバランスシートを強化し続けてきた結果、米ドル資産を82億ドル(約1.2兆円)保有しており、財務面で大きな柔軟性を得たと述べた。これを背景に、株主に資本を還元する方法として自社株買いを行うと説明している。
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総収益は前期比で減少
第3四半期の総収益は12億ドル(約1,800億円)で、前四半期比17%減少した。取引収益は5億7,300万ドル(約871億円)で、前四半期比で27%減少している。これは主に平均的な仮想通貨価格の低下によるものだった。
前年比では純収益、純利益、調整後EBITDAは増加している。これは、2023年には仮想通貨の価格が今年よりも低水準だったためだ。決算発表後、コインベース株は急落し、11月1日にはビットコインやナスダックの下落に連動し前日比15.3%安となった。
その他、7~9月期の進捗事項としては、特に、製品スイート全体にステーブルコインを導入し、「Base」のネットワークを拡大したことが挙げられた。
ステーブルコイン収益は2億4,700万ドル(約376億円)で、前四半期の2億4,000万ドルからわずかに増加している。コインベースが開発したイーサリアム・レイヤー2ネットワークのBaseは、L2BEATによると預かり資産残高(TVL)で首位アービトラム・ワンに続く2位に成長しているところだ。
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大統領選に関する姿勢
コインベースは、来たる大統領選挙については、次のように楽観的で中立的な姿勢を示した。
両党の大統領候補と政治家が、仮想通貨に対してより好意的な立場をとっており、仮想通貨を所有する数千万人のアメリカ人の意見に耳を傾けている。
選挙後も、当社は引き続き、最大の無党派政治行動委員会の一つである Fairshakeなどの組織を支援し、約180万人の仮想通貨支持者を擁する 「StandWithCrypto」の影響力拡大に注力していく。
「StandWithCrypto」は、2023年8月にコインベースが立ち上げた仮想通貨の擁護団体だ。明確な規制構築を後押しして、米国における仮想通貨の将来性を確かなものにしていくことを目指している。
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