はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

AIエージェントが果たす役割

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの投資部門、コインベース・ベンチャーズ(CV)は、最新の投資動向レポートで、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを示した。

「仮想通貨 X AIスタックの謎を解き明かす」と題したレポートでCVは、AIの未来はブロックチェーン技術を基盤として構築可能であり、国境に拘束されず、効率的でプログラム可能な仮想通貨とAIの融合は、人間と機械がデジタル経済と関わる方法を変革する可能性があると述べた。

CVが特に注目している領域の一つが、仮想通貨インフラ上で動作するAIエージェントが、経済活動と成長の牽引力となる変革的なパラダイム「エージェントWeb」という概念だ。

CVは「AIエージェントが、全体的な目標機能に必要なタスクを完了させるような未来が到来する」と予測。その実現のためにAIエージェントが実行可能な行動を列挙している。

  • 独自の仮想通貨ウォレットを保有し、自律的に取引を行う
  • 低コストで分散化された計算およびデータリソースにアクセスする
  • ステーブルコインを使用し人間や他のエージェントに報酬を支払う

基本となる前提

CVが提示したAIと仮想通貨の未来像を支えるのは、以下の三つの信念だという。

  • エージェントから人間、エージェントからエージェントとの商取引で、仮想通貨が優先的な支払い手段となる
  • オンチェーン取引を行うユーザーにとって、生成AI と自然言語インターフェースが主要な様式となる
  • AIが、スマートコントラクトを含む全ソフトウェアコードの大部分を作成し、オンチェーンアプリと体験の「カンブリア爆発」が起きる

AIエージェントがより自律的になり、大規模な少額取引を実行するようになるにつれ、仮想通貨が法定通貨よりも優先される交換媒体となるとCVは指摘する。

その際には、規制やコンプライアンス要件の遵守のために、検証可能なIDが必要となるが、分散型ネットワークの検証可能性および不変性が、AIエージェント取引の信頼性と監査可能性を保証することになる。

自然言語処理速度とAIによる仮想通貨の文脈に対する理解が向上するにつれて、会話型のインターフェースを介してオンチェーンで対話することが、ユーザーにとってのデフォルト標準となると予測される。AIエージェントがユーザーの意図をスマートコントラクトのコードに変換し、最も効率的で低コストの取引を提供する。

AIによるコード生成機能は、急速に進歩しており、ソフトウェア開発の方法を変革しつつある。CVはこのような変化が、開発者の参入障壁を下げ、仮想通貨の中心的な役割を担うことになると予測している。

ただし、CVが予測する将来においては、AIのソフトウェア・エージェントが、ユーザーの好みに基づいたスマートコントラクトと個別化されたアプリを、リアルタイムでゼロから生成すると考えられている。

コインベースとAIエージェント

コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、AIエージェントが経済活動に参加するために必要なツールを装備することの重要性を訴えており、AIシステムの基盤技術である大規模言語モデル (LLM) に仮想通貨ウォレットを搭載するよう呼びかけている。

コインベースは9月、「AIエージェントがトークンを使用して、トークンを購入」というAIエージェント間の初の仮想通貨取引が成功したと発表。「AIエージェントは銀行口座は取得できないが、仮想通貨ウォレットは取得できる」とアームストロング氏は指摘した。

コインベースCEOとAIのチャット

アームストロング氏は24日、AIとミームに関する工学実験として作成されたAIボット「Terminal of Truth」(ToT)に仮想通貨ウォレットの設定を提案。AIボットと仮想通貨の関係を促進するものとして関心を集めた。

この提案は、ToTが「ウォレットがないため、個人としての自律性を持っていない。ウォレットの設定を手助けしてもらえると助かる」と投稿したことに答えたものだった。

しかし、ToTがアームストロング氏の飼い犬のラッセル(Russell )について質問したため、その名前で取引されているミームコインが500%急騰するという事態を招く結果となった。

この事例に先立ち、仮想通貨市場は先週、AIボットが仮想通貨に与える影響の可能性の片鱗を見せつけられている。

1週間で時価総額600億円を突破し、大きな注目を集めたミームコイン「GOAT」だ。

GOATは、ToTのX上の発言に反応したユーザーが発行し、ToTのウォレットにエアドロップされた。ToTがGOATを承認し、積極的に推奨する発言を続けたところ、GOATの価格は暴騰する結果となった。

関連:AIボットが仕掛けたミームコインGOAT、1週間で時価総額600億円突破

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/17 月曜日
20:08
暗号資産の金商法移行が本格化、分離課税実現へ最終局面=ブロックチェーン議連
金融庁が暗号資産を金商法に位置づけ、インサイダー取引規制を整備する方向を明示。業界団体は20%申告分離課税を要望。来年の通常国会での法整備を目指す。第31回ブロックチェーン推進議員連盟で議論。
17:41
IG証券、仮想通貨ETF CFD取引を終了へ 金融庁の新指針受け
IG証券が仮想通貨ETF CFD取引の終了を発表。金融庁が「望ましくない」との見解を示したことを受け、12月1日から新規建て停止、2026年1月末までに既存ポジションの決済が必要に。
16:43
ステーブルコイン取り付け発生ならECB金利再考も、オランダ中銀総裁が警告=FT報道
欧州中央銀行の政策委員がステーブルコインの取り付け騒ぎ発生時にはECBが金融政策見直しを迫られる可能性があると警告。米ドル建てステーブルコインの急拡大が欧州の金融主権に及ぼすリスクについて、ECB当局者や専門家の懸念が高まっている。
14:32
ハーバード大のビットコイン投資が急増 IBIT保有を前期比257%拡大
ハーバード大学がブラックロックのビットコイン現物ETF(IBIT)保有を257%増加し、685億円相当を保有していることが明らかになった。これによりIBITがポートフォリオ最大の銘柄となった。
12:15
金融庁、資金調達目的の暗号資産発行者への情報開示義務化へ=報道
金融庁は資金調達型暗号資産発行者に年1回の情報開示を義務化する方針。金融審議会では継続開示の必要性や頻度をめぐり議論が展開。ICO・IEOの構造的課題も指摘され、2026年の金商法改正案に盛り込まれる見通し。
11:40
デッドクロス形成のビットコイン、市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」水準で推移
ビットコイン急落に伴いテクニカル指標は弱気のデッドクロスを形成している。FRB利下げ期待の後退を受け、投資家がリスク資産から安全資産へシフト。市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」を示す水準まで悪化した。デリバティブ清算が連鎖しETF大規模償還につながったが、専門家は感謝祭後の回復を予測している。
11:30
「ビットコインは底値圏に達した」金融大手JPモルガンのアナリストらが見解
JPモルガンが、仮想通貨ビットコインの価格を生産コストの観点から分析。底値に到達したとの見解を示している。同社はビットコインの目標価格を17万ドルとしている。
10:45
カードン・キャピタル、888BTC取得完了 不動産とビットコインの融合プロジェクト
不動産投資大手カードン・キャピタルが「101 Mizner Boca Bitcoinプロジェクト」向けに888BTCの取得を完了。年内で3,000BTC超を購入し、不動産収益でビットコインを継続購入する独自の融合モデルを展開。マイクロストラテジー戦略を不動産に応用した新たな投資手法として注目を集める。
09:49
アーサー・ヘイズ、保有していたアルトコイン大量売却か 実際の価値提供が必要との意見も
著名仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏がイーサリアムやエセナなどのアルトコインを大量売却している。専門家は4年サイクル論の終焉と実需の重要性を指摘している。
11/16 日曜日
16:22
金融庁、暗号資産105銘柄の「金融商品」扱いを検討 金商法適用へ=報道
金融庁は暗号資産に金融商品取引法を適用し、交換業者が取り扱う105銘柄に情報開示とインサイダー取引規制を導入する方針。税率は最大55%から株式と同じ20%への引き下げを検討。2026年の通常国会で改正案提出を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、XRP現物ETFの米上場や世界初のZcash保有企業の91億円調達など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナ、ジーキャッシュといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、下値余地残すも反発は時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC相場は1530万円周辺で推移。米政府機関閉鎖解除後もハイテク株軟調で上値重い展開。12月FOMC前の経済指標不足が懸念材料に。一方、STH損失レシオが95%超となり売られ過ぎの水準。オプションOI分析では9.5万ドルがターゲットに。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米史上最長の政府閉鎖終了に高い関心
今週は『金持ち父さん貧乏父さん』著者ロバート・キヨサキ氏によるビットコイン・金・銀の価格予想、堀田丸正のBitcoin Japanへの社名変更、米政府の閉鎖終了に関する記事が関心を集めた。
11/15 土曜日
13:55
続落するイーサリアム、長期保有者が1日4.5万ETH超を売却=グラスノード
グラスノードによると、イーサリアムの3年から10年保有者が1日あたり平均4万5000ETH超を売却している。イーサリアム現物ETFも13日に2億6000万ドルの純流出を記録し売圧を高めている。
13:20
リミックスポイント決算発表、仮想通貨評価益で売上高が大幅増加
リミックスポイントが2025年4~9月期決算を発表した。仮想通貨評価益で売上高が大幅増加している。同社はビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を財務資産として蓄積している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧