Monad Madness Bangkok の受賞プロジェクト発表：7つの受賞プロジェクトを簡単に紹介

スタートアップピッチコンペティションの受賞プロジェクト

11月17日、バンコクで開催されたMonad Madness Bangkokのスタートアップピッチコンペティションが、MonadとParadigmの共催により開催され、受賞プロジェクトが発表されました。今回の勝者は、RareBetSports, Kizzy, Sparkball, Dusted, Pulse, Mozi,と Jigsawの7つのプロジェクトです。

今年のMonad Madnessで発表された注目の革新を詳しく見ていきましょう。

第1位：RareBetSports – ブロックチェーンスポーツエンターテイメントプラットフォーム

RareBetSportsは、日常的なファンタジースポーツ（DFS）と伝統的なスポーツベッティングを提供する、ブロックチェーンベースのスポーツ競技プラットフォームです。

このプラットフォームはMonad上で運営され、試合結果の自動検証と報酬の分配をスマートコントラクトを通じて行います。サッカーやバスケットボールなど、幅広いスポーツをサポートしており、ユーザーはUSDCなどの暗号通貨を使用して参加することができます。

注目すべき機能の一つは、RareLinkシステムです。このシステムでは、ユーザーがアスリートのパフォーマンスを分析し、仮想チームを予算内で編成して、実際のパフォーマンスに基づいてポイントと報酬を獲得するDFS（デイリーファンタジースポーツ）に参加することができます。

現在、RareBetSportsは4か国5都市にまたがる多様なチームによって開発および運営されており、早期アクセス申請段階にあります。

第2位：Kizzy – モバイルソーシャル競技プラットフォーム

Kizzyは、さまざまなソーシャルネットワークのインフルエンサーのパフォーマンスに基づいてユーザーが競い合う、モバイル向けのWeb3ソーシャルプラットフォームとして際立っています。

主な革新点：

Kizzyは、ソーシャルダイナミクスと競技要素を融合させたプラットフォームです。プラットフォームには、複数のベットタイプをサポートする専用のイベントシステム、リアルタイムのオッズエンジン、リスク管理システムが含まれています。

市場ロジックエンジンは、市場設定、維持、動的なオッズ調整を管理し、包括的なデータ分析を活用して安定性を確保します。モバイルインターフェースは、市場活動への迅速な参加を促進し、オフラインアクセスとプッシュ通知もサポートしています。

技術構造：

KizzyのフロントエンドはNextJSを使用して開発されており、Progressive Web Application（PWA）技術を通じて、モバイルデバイスでネイティブアプリに近い体験を提供します。バックエンドはNodeJSを基盤に、PostgreSQLとPrismaを使用して取引データを処理し、非関係データベースは高い同時実行性のシナリオを処理します。

Kizzyの技術力は、オラクルから市場ロジック、ユーザーインタラクションに至るまで、完全な垂直統合にあります。このアプローチにより、Chainlinkなどのサードパーティのオラクルに依存する従来のプラットフォームとは異なり、異なるベッティング市場の要求に柔軟に対応できる独自のオラクルシステムを提供しています。

現在、Kizzyはプロダクト開発段階にあり、プラットフォームのパフォーマンスとユーザー体験の向上に注力しています。チームは技術革新を最優先し、厳格なコンプライアンスのもとでWeb3対応市場への戦略的拡大を進めています。

第3位：Sparkball – 4V4スポーツコンバットゲーム

Opti Gamesによって開発されたSparkballは、ボールスポーツとコンバットゲームの要素を革新に組み合わせた4v4のMOBAスタイルの競技ゲームです。プレイヤーはボールを巧みに操り、物理的な対決を通じて相手ゴールに得点を入れることを目指します。

「リーグ・オブ・レジェンド」のチームダイナミクスと、「ロケットリーグ」のようなスポーツアクションを融合させたSparkballは、Web3の特性を強調するよりも、最高のゲーム体験を提供することに重点を置いています。

Sparkballは2024年11月21日からシーズンゼロのテストを開始予定で、2025年第2四半期にフルバージョンのリリースを計画しています。また、最近ではChog（Monadの動物キャラクター）もプレイアブルキャラクターとして追加されました。

このゲームはすでにL1DとCMSホールディングスから200万ドルの投資を受けており、Web3ゲームの発行プラットフォームであるMONプロトコルとの戦略的パートナーシップも結んでいます。

コミュニティ賞：Dusted、Pulse、Mozi

1. Dusted – Monad上に構築されたトークン化されたソーシャルプロトコル

DustedはMonadブロックチェーン上に設計されたソーシャルネットワーキングプラットフォームで、独自のCommunityFiメカニズムを通じてトークン化されたチャットルームに焦点を当てています。ガバナンスにはスマートコントラクトを使用しており、トークン保有者はルールの影響を与えたり、コンテンツのモデレーションを行ったり、新機能に投票したりすることができます。

Dustedはその優れた取引速度とスケーラビリティによりMonad上に構築されています。その設計はモジュラー方式で、トークンゲーティングシステム、分散型ID認証（DID）、クロスチェーンブリッジなどの機能を取り入れています。

ガバナンスは二つのレベルで構成されています。ひとつはDAOを通じたプロトコルガバナンスで、重要なアップグレードや調整を担当し、もうひとつはコミュニティガバナンスで、トークン保有者がそれぞれのコミュニティを管理します。

Dustedの主なターゲットユーザー：

• コンテンツクリエイター：コミュニティトークンを発行してトークン化されたファンエコノミーを発展させることができます。
• NFTプロジェクト：トークン保有を基にした排他的なコミュニティを構築することができます。
• Web3プロジェクトチーム：自分たちのコミュニティ内で分散型ガバナンスを実装しようとするチームに最適です。

現在、Dustedはテストネット段階にあり、コア機能はすでに開発されています。2025年第2四半期にメインネットのローンチを予定しており、公式ローンチに向けてさらなる詳細が発表される予定です。

2. Pulse – ブロックチェーンによる健康データの所有権とマネタイズの革新

Pulse No Limits (PULSE)は、ブロックチェーン技術とウェアラブル健康デバイスを融合させ、健康管理への新しいアプローチを牽引しています。主力デバイスであるPulse Oneは、心拍数、血中酸素濃度、身体活動などの重要な健康指標を追跡します。無線充電機能、5日間のバッテリー寿命、そしてデジタルウォレットが直接デバイスに統合されているのが特徴です。

PULSEのアーキテクチャは、ハードウェア、ソフトウェア、ブロックチェーンの3層で構成されています。ハードウェア層は、生理学的データの収集を担当します。ソフトウェア層は、デジタルツイン技術を活用し、ウェアラブルデバイスからのデータを電子健康記録と統合し、AI駆動の分析でそのデータを強化します。

このシステムの基盤はMonad上に構築されており、データの安全な保存とアクセス制御が確保されています。このブロックチェーン統合により、ユーザーは自分のデータの完全な所有権を保持し、選択的にそのデータを研究機関や医療機関と共有することができます。データを共有することで、ユーザーはトークンベースのインセンティブを受け取り、強固なデータ価値交換エコシステムを築いています。

PULSEは、すでにLemniscapやCollab Currencyをはじめとする著名な投資家から180万ドルのシード資金を調達しています。このプロジェクトは2025年第1四半期に製品をリリース予定で、現在、包括的なデータ共有エコシステムの開発に取り組んでいます。

PULSEの潜在的な用途は広範囲にわたります。個人の健康管理から、医療研究への貢献、臨床データの分析、そして分散型医療データベースの構築まで、多岐にわたる分野で活用が期待されています。ブロックチェーン技術を活用することで、PULSEは医療分野におけるデータ所有権や共有制限の永続的な問題に対処し、データの収集、保存、共有、利用に関する革新的なソリューションを提供します。

3. Mozi – ユニークなDeFi設定でPvPと流動性戦略を融合

MoziはMonad上の革新的なDeFiプロジェクトであり、エコシステム内で初のPvPfi（Player vs Player Finance）プラットフォームを自称しています。このプラットフォームは、PvP型の金融メカニズムと流動性ステーキングトークン（LST）戦略をユニークに組み合わせ、競技ゲームと利回りの獲得の両方に活用されています。システムの中心には、ユーザーのLST資産を安全に保管するVaultシステムがあり、利回りと利益を賢く分け、収益の自動再投資を促進します。

このプラットフォームの特徴的なメカニズムの一つは、「レバレッジ利回り」です。これにより、ユーザーはゲーム内で利用できる利回りを一時的にレバレッジして、得られる利回りを増幅することができます。このシステムは、ゲーム参加の機会を拡大するだけでなく、厳格なリスク管理プロトコルを通じて利回りの安定性を維持します。

もう一つの注目すべき特徴は、Moziのゲームシステムです。LSTを基盤としたマルチプレイヤーゲームを開発しており、ブロックチェーンによりランダム性が強制され、公平性が確保されています。プレイヤーがゲームから得る収益は、ステーキングによる利益と直接リンクしており、メリットのあるインセンティブサイクルが形成されています。

Moziは自動化されたVault管理システムを採用しており、スマートコントラクトで資産を保護し、利益の分配を透明にします。システムのランダム性は検証可能であり、これが安全で信頼性のあるDeFiゲームプラットフォームの構築に寄与しています。

Moziの革新は、DeFiのLSTメカニズムとゲーム化要素を統合し、ユーザーがゲームプレイを楽しみながら利回りをステーキングし、追加報酬を得ることができる点にあります。システムのデザイン哲学は、ユーザーの障壁を減らし、直感的なゲーム体験を通じて複雑なDeFi操作を誰でも利用できるようにすることに重点を置いています。

コミュニティチョイス賞：Jigsaw – 流動的担保戦略を備えたDeFiプロトコル

Jigsawは、流動的担保を利用して運営されるDeFiプロトコルとして注目されています。主に、Collateralized Debt Position (CDP) メカニズムを通じて発行されるステーブルコイン jUSD を提供します。

この革新的なプロトコルは、担保を動的に管理することを可能にし、ユーザーは担保を担保にした後でもその資産を管理し続けることができます。これには、承認されたプロトコル内で担保を転送・再配置する機能も含まれます。

技術的な観点から見ると、Jigsawはモジュラー設計を採用しており、担保管理、ステーブルコイン発行、利回り戦略を分離しています。強力なスマートコントラクトを通じてプロトコル間での安全な担保移動を確保し、オラクルを使用して担保率を継続的に監視しています。Jigsawは、エコシステムを保護するために、最低担保比率、清算トリガー、緊急停止などの包括的なリスク管理を実施しています。

また、Jigsawは革新的な担保利回り分配メカニズムを特徴としており、ユーザーの担保から得られる利益は、あらかじめ定義された割合に従って自動的に分割されます。一部はシステムの安定性を強化するために再投資され、残りはユーザーに返還され、ユーザーの利益とプロトコルのセキュリティの調和を図っています。

まとめ

今回のMonad Madnessイベントでの受賞プロジェクトは、Monadエコシステム内でゲームやソーシャルプロジェクトへのシフトを反映しており、市場の即時的なニーズを反映しています。ブルマーケットが加速する中、迅速かつ簡単にリソースを投資できるプロジェクトへの関心が高まり、強気な市場心理に対応する形で、こうしたプロジェクトに対する注目が集まっています。

Monadエコシステムは、これらの市場動向を深く理解しており、ユーザーのニーズに迅速に適応しています。今後、次回のMonad Madnessでどのような革新的なプロジェクトが登場するのか、進化し続ける市場環境にどのように対応していくのかが楽しみです。