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その光輝く存在感と希少性から、大昔から貴重な品として扱われてきた貴金属のひとつ、ゴールド。宝飾品や貨幣として広く使われてきたのはもちろんのこと、最近では電子機器や医療の部品の一部に利用されるなど、今も昔も変わらない価値で人々を魅了し続けています。
それだけに、ゴールドは現在でも世界中で広く取引されており、金融市場においても重要な資産の一つとなっています。また、『ゴールド取引』と一言でいっても、その取引方法としては、『現物取引』や『先物取引』、『CFD取引』、『ETF(投資信託)』など、さまざまな種類があります。ここ数年は、日本国内でも投資に対する意識が強まっていることもあり、興味を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
ここでは、数あるゴールド金取引方法の中でも、とりわけ注目を集めている先物取引についてわかりやすく説明するとともに、役に立つ戦略や分析方法などについてもご紹介していきたいと思います。
今さらだけどゴールド取引って何？
ゴールドは、株式や債券などとは異なり、ゴールドそのものに価値がある『実物資産』として認められているという長い歴史があります。また、その歴史においてゴールドは一度も「無価値」になったことがありません。一方、預貯金、株式、債券などの、いわゆる『紙の資産』と呼ばれるものは、それ自体に価値があるのではなく、発行体の信用あるいは業績によって価値が決まるという性質を持っています。
そのため、世の中が安定し経済が好調なときには『紙の資産』の価値が上がりやすく、逆に世の中が不安定で経済が不調なときほど『実物資産』の価値が上がりやすい、という特徴があります。つまり、『紙の資産』と『実物資産』の価格は、反対の値動きをすることが多いのです。こうしたことから、ゴールドは中長期的に見て価値が保たれているため、インフレや経済の不安定さに対する保険として機能し、基本的に値動きも安定しています。
投資においても、大きな価格変動を繰り返しながらも、長期的に見ると価値を維持・増加させやすいというメリットがあるのです。たとえば、2020年に発生したコロナショックや2022年に発生したロシアウクライナ問題などの影響により、ここ数年のうちに世界各国でインフレが進んでいます。こうしたインフレを抑えようと、世界各国ではハイペースな金融引き締め(利上げ)を行っており、安定した状態とは程遠いというのが現状です。
こうした背景もあり、2024年にはゴールドは歴代最高値を更新するほどの上昇を見せています。
取引方法の違いについて知っておこう
まずはじめにゴールド取引における方法の違いについて、しっかり把握しておきましょう。
現物取引
ゴールド現物取引とは、一定重量・サイズの金地金や金貨といった現物を、その時点で売買することを指します。一般的に売買の際には現金取引で行われており、お金と現物のゴールドをその場で交換する形式が採用されています。また、デメリットとして、保管や管理にはコストがかかるという点が挙げられます。
先物取引
一方、先物取引は将来の価格変動を予測して取引を行う方法であり、ゴールドの実物の受け渡しをともなうわけではなく、原資産を、将来の決められた日(期日)に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する、といった取引を指しています。
つまり、買値と売値の差額の受け渡しで決済することになるため、この決済方法を『差金決済取引』と呼びます。
CFD取引
CFDとは、差金決済取引法を指しており、つまり、現物の受け渡しは行わずに売買で発生した損益のみを受け渡す取引のことです。こう書くと先述した先物取引と同じように思えるのですが、大きく異なるのが決済期限と取引相手です。取引に期日が設けられている先物取引に対し、CFD取引ではその概念がありません。また、先物取引は取引所取引が取引相手となるのに対して、CFDでは取引所取引と店頭取引の両方があります。
CFDにおけるゴールド取引のメリットは、最大20倍のレバレッジと、ほぼ24時間の取引環境です。レバレッジとは「てこの原理」を意味しており、口座の保証金を担保に大きな金額を取引できるというCFDの制度になっています。
具体的に説明すると、例えば1トロイオンスのゴールドが2,000ドルだとします。通常の取引では、単純にそのままの金額である2,000ドルが必要になりますが、レバレッジを使うことで20分の1の資金、100ドルで取引できるということになるのです。ただし、取引が失敗した場合には想定以上の大きな損失を被る可能性があるのがデメリットとなっています。
CFD取引は流動性が大きいことが特徴として挙げられますが、それだけに少額の資金で大きなお金を動かす取引の経験がある人やダイナミックな値動きの投資に挑戦したい人にはお勧めの取引方法と言えるでしょう。
トレンド・トレーディング
ゴールド取引における戦略は、取引を開始・終了するタイミングや、ポジションを開いている間の管理方法を決定するのに役立ちます。しかし、株式や通貨ペアのような他の資産のために作成された取引戦略は、ゴールドでは異なる機能を持つかもしれません。
強いトレンドを見極めるために、投資家はゴールドの値動きのパターンを分析し、強いトレンドを見極めます。上昇トレンドであれば価格も継続的に上昇する可能性が高く、下降トレンドにある価格は下落し続ける可能性があります。こうした際に投資家が活用するのがテクニカル分析です。
テクニカル分析とは、過去の値動きをチャートで表して、そこからトレンドやパターンなどを分析し、今後の値動きの動向を予想するものです。テクニカル指標は、上昇または下降トレンドが変化するタイミングを判断し、それに応じてポジションを調整するのに役立ちます。
投資初心者には難しく思えるかもしれませんが、最近では専用のアプリなどを利用することでより分かりやすく把握できるようになっていたり、業者によってはこうしたテクニックを学べる機会が提供されていたりもします。
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