はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

パキスタンが「仮想通貨評議会」設立へ これまでの否定路線から一転

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の規制枠組みを構築

パキスタンのシャバーズ・シャリフ首相は14日、パキスタン暗号資産(仮想通貨)評議会の設立に署名した。この評議会は、明確な規制枠組みの構築とブロックチェーン技術の促進、投資家保護と金融安定性の確保を目的としている。

評議会は仮想通貨業界に向けた規制ガイドラインを導入する任務を負う。

財務省の通知によると、評議会は5人のメンバーから構成され、ムハンマド・アウラングゼブ財務大臣が議長を、同大臣の主席顧問であるビラル・ビン・サキブ氏が最高経営責任者を務める。サキブ氏は著名なWeb3投資家であり、英国でブロックチェーン分野の実績を持つ人物だ。

また評議会の役員には、パキスタン国立銀行(SBP)総裁、パキスタン証券取引委員会(SECP)議長、連邦法務長官、連邦情報技術長官が名を連ねており、この多様なリーダーシップ構造により、パキスタンの仮想通貨エコシステムをサポートする規制の監督、金融の安定性、法的枠組み、技術の進歩が推進されると財務省は強調した。

今回の仮想通貨評議会の設立は、パキスタン政府の姿勢が「否定」から「規制下での促進」へと大きく転換したことを示している。

アウラングゼブ財務大臣は、米国代表団とのデジタル資産イニシアチブに関する会談後、世界は急速にデジタル金融へと移行しており、パキスタンはこの分野のリーダーになることを望んでいると、次のように述べた。

パキスタン仮想通貨評議会の設立は、確実に投資家と金融システムを保護する規制枠組みを構築しつつ 、イノベーションを受け入れるための一歩となる。

関連:トランプ大統領がカンファレンスで発言、「米国が仮想通貨と次世代金融技術を支配する」

国立銀行法の改正

仮想通貨評議会の設立は、パキスタンの仮想通貨に関する法改正が停滞する中で起きた。

パキスタン連邦政府は、デジタル通貨を法定通貨として導入するため、パキスタン国立銀行(SBP)法の改正を提案した。

しかし、二重国籍に関する意見の相違により、依然として内閣の承認が得られていない。シャリフ首相は、二重国籍保持者がSBPの総裁及び副総裁の職に就くことに激しく反対し、3回に渡り承認を阻止した。

これまで、SBPは一貫して仮想通貨の提案を拒否し、国民に対し、その使用を警告する公的な勧告も出していたが、SBP法の改正案は、パキスタンで初めて仮想通貨の概念を法的に導入するものとなる。

改正案には、中央銀行に対するデジタル通貨の発行権限の付与が提案されており、SBPはパキスタンの通貨を「物理的またはデジタル、もしくはその両方の形式で」管理可能になる。SBPはデジタル決済システムの開発・運用を行う子会社を設立する予定だという。

さらに、SBPには、中央銀行デジタル通貨(CBDC)事業を行う権限も与えられることになる。

パキスタンの仮想通貨市場

パキスタンは、チェイナリシスの2024年仮想通貨採用指標で世界9位にランクインなど、仮想通貨の採用率が非常に高い国の一つとして知られている。

現在、推定2,000万人のアクティブユーザーを抱え、取引量は200億ドル(約2.9兆円)を超える規模に達しているとされている。

パキスタンは人口の約60%が35歳未満と、若年層が多く、デジタル技術への親和性も高い。また、インフレや通貨価値の下落により、代替資産としての仮想通貨が注目されている。

同国の送金市場は年間350億ドル(約5.2兆円)と評価されており、手数料が安く迅速な仮想通貨を使った送金ニーズも高いことも、採用が進む理由の一つとなっている。

トピックス:ビットコイン保有企業・国の動向

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/17 水曜日
18:00
日本でステーブルコイン普及のハードルと可能性は?|WebX2025トークセッション
WebX2025で日本円建てステーブルコインの普及をめぐるパネルセッションが開催された。専門家がステーブルコインの課題やユースケース創出をめぐって徹底議論した。
17:43
メタプラネット、「Bitcoin.jp」ドメインを取得 「ビットコインジャパン」も設立
メタプラネットは「Bitcoin.jp」を戦略的に取得し、新会社を設立。国内ビットコイン事業の拡大と収益基盤強化を目指す。
15:15
ビットコイン・スタンダード著者、アルゼンチン・ミレイ政権の経済政策を「ポンジスキーム」と指摘
ビットコイン・スタンダード著者のサファディーン・アモス氏が、アルゼンチンのミレイ政権の経済政策を「国家規模のポンジスキーム」と痛烈に批判。キャリートレードによる金融システムの崩壊リスクと、自由主義政策の矛盾を解説した。
13:30
11年間休眠のビットコインクジラが1000BTC移動、170億円相当
11年以上休眠していたビットコインクジラが17日朝、1000BTCを4つの新しいアドレスに移動したことがオンチェーンデータで判明した。
11:40
コインベース、銀行の「預金流出」懸念を否定 ステーブルコイン規制めぐり反論
米仮想通貨取引所大手コインベースが銀行業界のステーブルコイン規制変更要求に対し、預金流出は根拠のない神話だとする反論文書を発表した。
10:45
米ビットコイン法案承認に向けた円卓会議、セイラー会長らが出席
米連邦議会でビットコイン法案の円卓会議が開催され、ストラテジーのマイケル・セイラー氏らが出席。この法案では米政府が合計で仮想通貨ビットコインを100万BTC購入することなどが提案されている。
10:02
米国と英国、仮想通貨市場などで連携強化を協議=報道
ベッセント米財務長官、リーブス英財務相が仮想通貨分野での連携強化を協議した。リップル社なども出席した会合で、英米テックブリッジ関連で話し合いが行われた。
09:40
バイナンス、米司法省との監視官解除交渉が進行中=報道 
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスが43億ドルの和解合意で課された外部監視官の要件が解除される可能性について米司法省と協議していることが報じられた。BNBが上昇。
08:40
サークル、ハイパーリキッド上でUSDC展開へ HYPE投資も実施
大手ステーブルコイン発行企業のサークルがデリバティブ取引DEX最大手のハイパーリキッドでUSDCのネイティブサポートを開始すると発表した。
08:10
米SECの仮想通貨ETFの新たな上場基準、10月にも適用開始か
Bitwiseの最高投資責任者は、米SECの仮想通貨ETF上場の汎用的なルールが10月にも適用される可能性があると分析。それによって多くの仮想通貨ETFが誕生する可能性があると述べた。
07:55
イーサリアム、DAT企業からの恩恵で優位性維持か スタンダードチャータード分析
スタンダードチャータード銀行のジェフリー・ケンドリック氏が、デジタル資産トレジャリー企業の台頭においてイーサリアムがビットコインやソラナより有利になると分析した背景と、mNAV低下による業界への影響について解説。
07:00
NYSE上場のクリーンコア、1億ドージコインを追加取得し総保有量6億DOGEを突破
NYSE American上場企業のクリーンコアソリューションズが16日に1億枚のドージコインを追加取得し、公式ドージコイン・トレジャリーの総保有量が6億枚を超えたと発表した。
06:25
米国でXRPとドージコインETFが今週上場予定か、専門家の見解は
米国でXRPとドージコインのETFが今週木曜日に上場予定と報じられた。1940年投資会社法を活用した新しい仕組みで、ケイマン諸島子会社を通じた投資構造を採用。
05:55
トム・リー予測、FRB利下げでビットコインとイーサリアムが3ヶ月以内に大幅上昇か
ETHトレジャリー企業ビットマインの会長でもあるトム・リー氏がCNBCで、FRBの利下げによりビットコインとイーサリアムが今後3ヶ月で大幅な上昇を見せる可能性があると予測した背景と根拠を詳しく解説。
05:30
グーグル、AI決済でステーブルコイン対応
グーグルが16日に発表した新しいAI決済プロトコルは、ステーブルコイン対応を含む機能でAIエージェント間の自動決済を可能にする。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧