「日本のWeb3」を変える提言
4月8日、東京・八芳園で開催されたTEAMZ SUMMIT 2026に、国民民主党代表・衆議院議員の玉木雄一郎氏が登壇した。
玉木氏は、日本における暗号資産(仮想通貨)税制改革のスピード感に対する危機感を示しつつ、オンチェーン化という大きな潮流の中で日本がどう動くべきかを語った。
また、十数人という少数精鋭の開発チームで月間売上150億円を叩き出す分散型永久先物取引所(DEX)Hyperliquidの事例を引用しながら、既存金融の構造変化を示し、「暗号資産」を「デジタルアセット」へ改称する提案も行った。
20%分離課税、施行は「2028年では遅すぎる」
玉木氏はまず、現在国会で審議中の暗号資産税制改正に触れた。これまで最大55%の雑所得課税が課されていた暗号資産の売却益について、他の金融資産と同様に20%の申告分離課税が導入される方向で議論が進んでいると説明した。
ただし、施行スケジュールへの不満も率直に述べた。「今年の通常国会(7月まで)で法改正しても、施行が来年になり、そこからさらに1年経って取引に適用されると、実際に恩恵が及ぶのは2028年になる。これは遅すぎる」と指摘した。
「やるなら1年前倒しにしてほしい。2027年1月分の取引から20%の分離課税を適用できれば、もっと早く皆さんにメリットが届く」と述べ、財務省や政府に向けて早期施行を求める姿勢を示した。
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ETF化・レバレッジ規制緩和も急ぐ
税制以外の改革課題としては、暗号資産ETFの解禁と、個人のレバレッジ倍率の引き上げを挙げた。現在、個人の暗号資産取引に認められるレバレッジは2倍に制限されているが、玉木氏はこれを10倍に引き上げることで、日本におけるトレーディング環境を改善したいと語った。
「2017年ごろ、ビットコイン取引の約半分は日本で行われていた。それが今では数パーセントにまで下がっている。高い税率と複雑な税制、ETF化が難しいといった規制環境がその主因だ」と現状を分析した。
オンチェーン化を「インターネット革命と同規模」と位置づけ
玉木氏が特に強調したのが、金融取引のオンチェーン化という大きな潮流だ。
「30年前にインターネットが登場し、あらゆるオフライン取引がオンラインに移行した。今まさに同じ規模のインパクトが起きている。それが金融取引のオンチェーン化だ」
具体例としてHyperliquidを挙げ、「従業員十数人で、月間売上が約150億円に達している。ロビンフッドの取引量を超えた」と紹介。既存の証券会社や銀行、さらには市場そのものが、ブロックチェーン技術によって置き換わる可能性があると示唆した。
また、玉木氏自身が過去に東京証券取引所の株式会社化に関する法改正や、PTS(私設取引システム)導入に関わった経験に触れ、「市場をどう効率化・デジタル化していくかは、これからの大きなテーマだ」と語った。
不動産やエネルギーなどのリアルアセットをブロックチェーンで証券化・オンチェーン化することで、「何千兆円規模の市場になりうる」と見通した。
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独自L1チェーン上に構築された分散型永久先物取引所(DEX)。累計取引量は3.4兆ドルを超え、DeFi永久先物市場を牽引する。外部VCなしで運営し、取引手数料収益をHYPEの自動バイバックに充てる独自のトークン設計でも注目を集める。
「暗号資産」から「デジタルアセット」へ名称変更を提案
「暗号資産」という呼称そのものが業界の広がりを妨げていると指摘した。「どうしても”暗号”という言葉に怪しげなイメージがついてしまう。この機会に”デジタルアセット”へ名称を変えることを提案したい」。
名称の変更によって一般層や金融機関へのリーチが広がり、市場の拡大にもつながるとの考えを示した。
玉木氏は国内市場の現状にも言及した。日本の暗号資産口座数はついに1,300万口座を突破し、人口比で10人に1人が口座を保有している計算になると述べた。
「この状況にオンチェーン化の波が加わることで、日本の金融のあり方が大きく変わる」
Web3政策は「現役世代の手取りを増やす」大方針の一環
玉木氏は国民民主党の政策スタンスとして、リスクより可能性に着目することの重要性を強調した。自動運転を例に挙げ、「事故が1件でも起きたら全て禁止ではなく、99%のメリットがあれば積極的に取り組む姿勢に行政・政治を変えなければ日本の発展はない」と述べた。
暗号資産の減税方針は、同党が掲げる「現役世代・若い世代の手取りを増やす」という大きな路線の延長として語られた。「稼いだお金は稼いだ人のもの」という考えのもと、いわゆる「103万円の壁」を178万円へ引き上げる所得控除の拡大も党として推進してきたと説明。物価高騰で支出が増える中、手元に残る収入を増やすことを政策の中心に据えているとした。
「かつて税金が高くてシンガポールやドバイに出ていったビジネスや人材が、減税政策が実現すれば日本に戻ってくる可能性がある。市場全体が大きくなれば、1,000億〜数千億円単位で税収がむしろ増える」とも述べ、減税が財政にとってもプラスになるという論点を展開した。
TEAMZ SUMMIT 2026
TEAMZ SUMMIT 2026は、Web3とAIをテーマとした国際カンファレンス。4月7〜8日に東京・八芳園で開催され、国内外から1万人規模の参加者を見込む。今回は8回目の開催で、メインステージのほかXRP Tokyo 2026(4月7日)、WayToAGI(4月8日)などの併催イベントも実施された。
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