- 21シェアーズが2026年上半期の中間レポートを発表
- ビットコイン年末の基本シナリオを10万ドルと予測
年末の基本シナリオは10万ドル
スイスに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)上場投資商品(ETP)発行大手の21シェアーズは24日、2026年上半期の仮想通貨市場を振り返り、年初の業界予測を評価する中間レポートを発表した。同レポートで21シェアーズは、「ビットコインの4年サイクルは終わりを迎える」とした予測を撤回。BTC価格が年末までに10万ドルまで回復するという新たな見通しを示した。
同社は当初、機関投資家の需要拡大によって、半減期が主導するビットコインの伝統的な価格変動パターンは2026年に終了すると予測していた。しかし、BTC価格は2025年10月に12万6,000ドルの最高値をつけた後に急落。これは「半減期後12~18カ月でピークに達し、その後急落する」という過去のサイクルと類似しており、レポートは「4年サイクルは依然として健在である」と認める形となった。
ただし同社は、市場構造は大きく変化しており、過去のサイクルとは異なると主張する。現在の価格調整幅は約50%にとどまっており、過去のサイクルで見られた80%超の暴落を伴う弱気相場に比べれば、かなり緩やかなものだと指摘する。
また、BTC価格が投資家全体の平均取得単価(コストベース)5万4,000ドルを継続的に上回っており、過去の相場のような投げ売りは起きていないと強調。市場の成熟化と資金流入の安定化を示す兆候だと見る。
同社は、BTC保有ウォレット数が引き続き増加していることを好材料として挙げ、2026年末の基本シナリオとして、過去最高値更新ではなく、10万ドル水準への回復を予測した。
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ETP投資動向
21シェアーズは年初、世界の仮想通貨ETP(上場投資商品)の運用資産残高(AUM)が2026年末までに4,000億ドルを突破すると予測していたが、現時点でこの目標達成は困難との見方を示した。
同社は当初、2026年初頭の仮想通貨ETPの市場規模を約2,500億ドルと想定していたが、2025年末時点で約1,720億ドルにとどまり、その後も市場調整の影響を受けて縮小。2026年5月時点の世界の仮想通貨ETPのAUMは年初来約15%減の約1,400億ドルとなった。(うちビットコインETPは約1,100億ドル)
一方、同社は仮想通貨ETP市場の底堅さを高く評価する。米国の現物ビットコインETFでは年初来で約30億ドルの純流出が発生したものの、総保有残高は約125万BTCと過去最高水準に近い状態を維持。ピーク時からの減少幅も約8%にとどまるという。同社は、こうした動向から投資家の長期保有姿勢が続いているとの見方を示した。
また、ETPの商品構成が急速に多様化している点にも注目する。特にハイパーリキッド関連の現物ETFが、上場から1カ月足らずで1億5,000万ドル超の純流入を記録した事実は、伝統的な資金がデジタル資産市場へと継続して流入している証左であるとレポートは分析した。
ステーブルコイン
21シェアーズは年初に、ステーブルコインの流通総額が2026年末までに1兆ドルへ達すると予測していたが、実現にはさらに時間が必要との見方を示した。
同社は、米国でのジーニアス法成立や欧州のMiCA全面施行により、ステーブルコイン普及の前提となる規制基盤やインフラは整っていると評価。一方で、2026年時点の流通総額は約3,200億ドルと過去最高水準にあるものの、1兆ドルにはなお大きな開きがあると認めた。
レポートは、規制明確化の次の段階として米国におけるクラリティ法の成立が重要だと見ている。しかし、利回り付きステーブルコインを巡る議論によって法案審議が停滞し、市場拡大の主要な成長要因が抑制されたことで、ステーブルコインの普及ペースが鈍化したと分析した。
もっとも、ステーブルコイン市場の成長見通し自体には強気の姿勢を崩さない。前回の弱気相場で流通量が30%以上減少したのに対し、今回は相場低迷期でも供給量が過去最高を更新し続けており、サイクルを問わない根強い需要の存在を示すと見ている。
さらに、非米ドル建てステーブルコインの流通額は、約20億ドルと過去最高を更新(年初から40%増)。Visa、マスターカード、ストライプ、コインベースによる共同プラットフォーム構想や、日本の三大メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)による信託型ステーブルコインの共同発行計画など、大手金融機関や決済企業の参入も相次いでいる。
こうした状況を踏まえ、同社は2026年末のステーブルコイン市場規模を4,000億〜6,000億ドルと予測している。
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堅調な予測市場
21シェアーズは、年初に掲げた「予測市場の年間取引高1,000億ドル」という予測が、想定を上回るペースで進展していると評価した。予測市場の取引高は2026年5月末時点で575億ドルに達し、年間目標の半分以上をすでに達成。前年同期比では10倍超に拡大している。
同社は、現在のペースでも2026年第4四半期初頭までに1,000億ドルへ到達すると予測。さらに、開催中の2026 FIFAワールドカップや11月の米国中間選挙を控え、下半期に取引が活発化すれば年間取引高は2,000億ドル規模に達する可能性があるとみている。
そのほか同レポートでは、仮想通貨トレジャリー企業(DAT)の成長鈍化に伴う業界再編や、不正利用・ハッキングへの懸念を背景としたDeFi(分散型金融)分野におけるTVL(総預かり資産)の伸び悩みを指摘。さらに、イーサリアムのレイヤー2(L2)ネットワークの集約化、トークン化された現実資産(RWA)市場の拡大などについても分析している。
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