- 英仮想通貨取引所に4兆円規模のオファーか
- 米Forbesは30日、「ビットコインの流通量の最大25%の購入を希望する、俄かには信じ難い申し出があったと報じた。Diar調査でも、クジラが新興資産のシェアを高めつつあるデータが浮き彫りとなっている。
英仮想通貨取引所に4兆円規模のオファーか
英ビットコイン取引所「Dadiani Syndicate」で、現在流通しているビットコイン全体の25%を購入したいという申し出があったことを米Forbes紙が報じた。
Dadiani Syndicateは、自社のことをデジタル資産の価値を最大化できる投資プラットフォームを築き上げており、ビットコインの買い手と売り手をマッチングさせる業務を行なっている。
アートディーラーでもある創設者のEleesa Dadiani氏は、今から数年前に「巨額のビットコインを購入したい」という投資家重要に応える形で取引所を設立。アート分野でも、芸術品の取引にブロックチェーンを活用するMaecenas Fine Art社と提携している。
このようなオファーが事実だとすれば、新興資産クラスとして存在感を高めつつあるビットコインおよび仮想通貨市場の成長性を認め、その支配を目論む超富裕層たちの存在を示唆していると言えるだろう。
取り沙汰されるクジラの生態
市場に流通しているビットコイン全体の4分の1は、450万BTCに及び、現在レートで約4.15兆円(380億ドル)もの額になる。Dadiani氏が、この規模の調達は事実上不可能だと伝えると、「市場からかき集めることで、25%近くまで買い入れる方法はないか」と尋ねられたとしている。
ブロックチェーン情報機関Diarの研究によって、「クジラ」と呼ばれる大口投資家のビットコイン保有量が、昨年の秋頃から今年の年頭にかけての弱気相場「仮想通貨の冬」の間に、急激に増加していることが判明している。
ポジションを合計すると、ビットコイン流通量の26%以上を占める360億ドル(4兆円)相当が、大口保有者により保持されていることになるというデータだった。
大手オンライン取引仲介業eToroのシニアマーケット・アナリストであるMati Greenspan氏は、これほどの額の買い注文が入れば、その買い圧力で価格を大幅上昇させてしまいかねないと述べているが、Dadiani Syndicateも同様の課題があるとの認識を示している。
Dadiani氏は、複数の売り手を世界中に用意するなどの方法を考えており、マネー・ロンダリングの規制にも反さないと自信をのぞかせた。今後も、相場の動向を左右する金融市場のクジラの動きには留意する必要がありそうだ。