Oyster AMM (oAMM) は、オンチェーンオーダーブックとAMMの組み合わせにより、DeFiの取引効率をCEX水準に革新。
シンガポール、2024年2月29日 – 無期限先物の分散型取引所であるSynFuturesは、29日、無期限先物のための新しいプラットフォーム「V3」を、Blastメインネット上に開設することを発表した。V3は、独自のオーダーブック「Automated Market Maker(oAMM)」をウリにする。V3によるオンチェーン展開により、オーダーブックとAMMモデルの長所はシームレスに統合される。
統合された流動性モデルは、資本効率と操作のシンプルさを劇的に向上させ、使い勝手をCEX(中央集権型取引所)に近づけるだろう。
DEXによるロイヤルティとエンゲージメントの向上
昨今、CEXがらみの不確実性が増す中、個人投資家が最終的には分散型ソリューションに殺到するであろうことは、ありうべき現実として重みを増している。SynFuturesは、強気相場の再開によるDEX取引量の増加に備え、DEXユーザーのエンゲージメントをさらに強化するための戦略的な動きを行っている。
SynFuturesは、すでにOyster Odysseyポイントプログラムを発表した。このプログラムは、オンチェーンアクティビティへの参加にポイントを付与すると同時に、今後のBlastエアドロップへの参加資格をユーザーに与えることを目的とした、交換可能なロイヤルティプログラムだ。
SynFutures V3の資本効率と操作のシンプルさはCEXに匹敵
ビットコインのETF承認と半減期到来、イーサリアムETFへの期待に支えられ、仮想通貨市場に楽観ムードが高まりつつある。その影響はDeFiやデリバティブにも広がり始めており、分散型取引所(DEX)は現在、デリバティブ市場でシェアを広げる上で課題に直面している。
いまだ中央集権型取引所が圧倒的優位性で、オンチェーン比率はわずか1.0%未満にすぎない。最大の問題は、DEXの価格設定と執行スピードにあり、収益性が強く問われるデリバティブ市場においてシェア拡大の妨げとなっている。
SynFuturesはもちろん、分散型無期限先物取引所が直面している問題を認知している。既存のギャップを埋めるために、Blastブロックチェーン上でオーダーブックAutomated Market Maker (oAMM) を使用したV3を開始し、デリバティブDEX業界における資本効率の新しい標準としつつある。
Paradigmが支援するロールアップであるBlast上でV3をローンチするという決定はまことに戦略的だ。他のロールアップと同様、Blastはイーサリアムのセキュリティを維持しつつ、トランザクション速度を向上させ、コストを削減する。特に、Blastブロックチェーンのネイティブイールド機能は、ブリッジの総ロック値(TVL)でみて約20億米ドルほど貢献し、146,000人以上のユーザーを引き付けている。
「これらの機能強化により、SynFuturesはデリバティブDEXとしては比類のない資本効率を達成し、CEXsとも対等に競争できるようになる。V3は安全で使いやすい環境を提供するだけでなく、DEXでのデリバティブ取引の普及をはばむ障害も解決するだろう」とSynFuturesの共同創設者兼CEOであるレイチェル・リン(Rachel Lin)氏は語る。
そして「2024年にはより多くの機関投資家が参加することが予想される。今回のアップグレードにより、取引スループットの向上と取引コストの削減を通じて、取引量の潜在的な増加に備えることができる」と付け加えた。
「SynFuturesをBlastに迎えられることをうれしく思う。彼らはBlastテストネットのアーリーアダプターとして迅速に動いてくれた。
Blastメインネットでの彼らの成功を見るのを楽しみにしています」と、Blastのコアコントリビューターであるパックマン (Tieshun Roquerre)氏は語った。
実際、SynFuturesは、自社を含むDEX間のエンゲージメントに、転換点が到来したことを示唆する顕著な兆候を目撃した。2023年10月にV3プラットフォームを公開テストネット上で公開して以来、SynFuturesには驚くほど多くのユーザーが流入した。
81,016人がアクティブに取引を行っている。市場のエンゲージメントの高まりは、V3プラットフォームがGoerliチェーンとBlast-Sepoliaチェーンあわせて460,662件のトランザクションを記録したという、すばらしいパフォーマンスによって証明されている。
特筆すべきは、ユーザー1人当たりの平均取引件数が5.686件にのぼることで、エコシステム内の活発な活動レベルが浮き彫りにされたことだ。
さらに、V3プラットフォームは、1月末に見られた顕著なトランザクション増加時にも、全トランザクションの10%を占め、Blastチェーンネットワーク上での存在感と牽引力を示している。
SynFuturesのOyster AMMのメカニズムを読み解く
SynFuturesは、仮想通貨分野における無期限先物取引を強力に促進する。これにより、投資家は現物決済を必要とせずに、暗号資産の価格に対して投機を行うことができる。
Oyster AMMの革新性は、主要な仮想通貨、アルトコイン、NFT、インデックスを含むすべての取引ペアを30秒でパーミッションレスでリスト化できるところにある。それにより双方の流動性が保証され、ユーザーが取引ペアを単一のトークンとして扱うことを可能にする。
これにより、SynFutures V1およびV2で確立されたユーザーフレンドリーなアプローチが、取引エコシステム全体のシンプルさに昇華する。
DEXが選択するAMM (Automated Market Makers) は、オーダーブックモデルと同等の価格インパクトを達成するには、かなりの流動性が要求される。流動性を高めるために、Oyster AMMは、Concentrated Liquidity AMM(CL AMM) とオンチェーンオーダーブックを単一の統一モデルにシームレスに統合することで、革新的な市場形成パラダイムを提示する。
アクティブなトレーダーとパッシブな流動性プロバイダーの双方に合わせた大幅な資本効率の向上を実現する。このモデルは、特定の価格範囲内での流動性の集中を促進し、自動化されたマーケットメイカーにレバレッジを組み込むことで、手数料の高騰や取引の制限といった問題に対応する。
CEXのオーダーブックと比較して、SynFuturesのV3モデルがもたらす完全なオンチェーンモデルは、透明性、信頼性、検閲防止を確保し、中央管理者への依存を排除し、ON/OFFチェーンシステム全体の脆弱性を軽減する。
ユーザー保護と価格安定こそが最も重要であることを再認識し、SynFutures V3のOyster AMMは、ダイナミックなペナルティシステムを通じて高度な財務リスク管理アプローチを導入している。これによって価格操作が抑制され、流動性プロバイダのリスクリターンのバランスが保たれるのである。
[終]
SynFuturesについて
SynFuturesは、オープンでトラストレスなデリバティブ市場を実現するDEX(分散型取引所)である。価格フィードからのあらゆる取引を常時可能にしている。SynFuturesは、Amazon型のビジネスモデルを採用することでデリバティブ市場を民主化し、ユーザーがあらゆる資産を自由に取引し、先物契約を数秒で一覧できるツールを提供する。
複数のブロックチェーン上に展開されているSynFuturesは、現在Polygon上における最大のデリバティブ取引所であり、最もアクティブに利用されている分散型デリバティブ取引所のトップ3にランクインしている。サポーターには、Tier 1のWeb3機関投資家のPantera Capital、Polychain Capital、Susquehanna International Group (SIG) 、Dragonfly Capital、Standard Crypto、Framework Venturesが名を連ね、チームメンバーはAlipay、Bitmain、Credit Suisse、Deutsche Bank、Matrixport、野村證券をはじめとする「グローバル金融機関」「フィンテック企業」「豊富な経験をもつブロックチェーン技術企業」が集結している。
Website | YouTube | X | Discord | Telegram | Github | Press Kit
サービスのご利用・お問い合わせに関しては、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは本稿で言及されたあらゆる内容について、またそれを参考・利用したことにより生じたいかなる損害や損失において、直接的・間接的な責任を負わないものとします。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、必ず事前にご自身で調査を行い、ご自身の責任において行動されるようお願いいたします。