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2018年の仮想通貨市場予測〜投機から実生活利用の時代へ〜

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンネットワークは特殊化する
現在のシステムは全てのユーザーのために全ての機能性を含めようとしています。しかし今後は、より明確な利用目的に特化したデザインのブロックチェーンが開発されます。

今年はICOの年でしたが、恐らく2018年ICOブームは終わりを迎えるでしょう。

そして大手金融機関が仮想通貨を採用し、ブロックチェーンと法定通貨のハイブリッドが誕生するでしょう。

1. ICOトークン終焉

今年『仮想通貨』という言葉は流行語となりました。

たくさんの投資家やスペキュレーター(投機筋)が仮想通貨市場に参加したことを踏まえ、国などの規制者らは緊急政策をせざるを得ない状況となりました。

12月初め、仮想通貨の時価総額はJPモルガンや米国大手銀行の時価総額を超えることとなり、ICOブームにより、世界中で数百万ドル規模の資金が動きました。

今年、ICOは話題となりましたが、来年そのブームは沈下すると予想します。

さらに、世界各国の規制者や権力者らはICO詐欺に対して厳重な取締を始めます。それはICO利用すれば、正式なビジネスプランなしで資金調達ができるためです。

一部ベンチャーによってICO経由で集められた資金は既に消えていて、近日SECのような規制機関は取締を強化すると発表しました。

ICOの事件に関与している関係者に対して多額の罰金、訴訟、懲役が課せられるでしょう。

多くの人は衣服や担保を支払う際、法定通貨を利用します。

そしてICOトークン保有者は現実世界であれオンラインであれ、法定通貨の利便性は変わらないと気づくでしょう。

2. 金融機関、仮想通貨の採用

今年はスペキュレーターが群を成して仮想通貨市場に参加した年となり、2018年はアセットマネジャー、ペンションファンド、その他金融機関などの大手企業がその市場に参入する年となるでしょう。

既にCBOEやCMEのビットコイン先物取引など仮想通貨のOTC取引を開始したことにより、市場全体の流動性が上がっています。

さらにビットコイン以外の仮想通貨先物が上場されるのは時間の問題でしょう。

また、恐らく来年の夏までにこれらのビットコイン以外の先物も上場されることが予想されています。

新しい企業らが市場参入することにより、仮想通貨は大きな成長を遂げます。

しかし、仮想通貨市場の成長にはいくつかの壁(ハードフォーク、規制、預金システム)が存在します。

ガバナンス問題は継続して浮上し、ビットコインキャッシュフォークのような分裂を起こします。

この不安定さは市場参加を試みる投資家にとって、今後も懸念点となり供給やそれに伴うリスクに対して改善策を要します。

米国、中国、その他の国の不安定な規制環境が仮想通貨市場の成長を妨げている一方で、日本やフィリピンなどの国では既に経済や規制フレームワークに 仮想通貨を受け入れています。

新しいサービスを受け入れ、ファイナンシャルインクルージョンを増やし、経済成長を促すために、多くの国は日本やフィリピンを参考にするべきです。

例えば、現在米国で仮想通貨市場に投資する企業はほんの僅かです。

仮に政府が仮想通貨市場を禁じることになれば、潜在的なサービスの成長を妨げ深刻な逆効果を生むことになります。

銀行など金融機関はどの策を取って合法的に仮想通貨を利用できるか、今後は規制者らの明確なガイドラインが必要となります。

3. ブロックチェーンは相互運用する

今年、仮想通貨市場のブロックチェーンシェア率は87%から50%に落ちました。

それは単純に数百の新しいコインやトークンが誕生し取引されているからです。

今後仮想通貨が幅広く利用されるには、既存するブロックチェーンネットワークが相互運用する必要があります。

現在、支配的な一つのインターネットやe-mailプロバイダが存在しないように、今後一つのブロックチェーンネットワークが市場を支配することはないでしょう。

今では、Gmail、Yahoo、Outlookメールを使い家族、友人、知り合いに途切れなく、直ぐに連絡することができます。

ブロックチェーンネットワーク、PayPalウォレット、従来の銀行口座に関係なく、送受金はメールと同じような早さで可能になるでしょう。

今年既に一部のブロックチェーンの相互運用性を目の当たりにすることができました。

ERC-20トークンのイーサリアム相互運用ソリューションであるRaidenネットワークは今年9月に実行され、6月にはビットコイン、イーサリアム、XRPを含む7つの台帳を繋ぐインターレジャープロトコル(ILP)が利用されました。

もし全てのネットワークがILP仕様になれば、最終的にビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、XRPを保有する意味がなくなります。

なぜならILPにより、一瞬でビットコインの支払いをXRPで済ませることが可能になるからです。

ILP(インターレジャープロトコル)とは/ILPでXRPは使用されるのか?

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銀行やビットコイン等の異なる台帳を繋ぎ、簡単に送金するようにするための規格「ILP」 リップル社のxCurr...

4. ハイブリッドブロックチェーン誕生

今まで、ビットコインなどのパブリックブロックチェーンHyperledger Fabricなどのプライベートブロックチェーンの成長を目の当たりにしました。

今後はこの二つのブロックチェーンのハイブリッドが生まれるでしょう。

ハイブリッドブロックチェーンはインターネット上で機能し、パブリックブロックチェーンのようにどこからでもアクセスが可能で、パブリックブロックチェーンの様に少数のバリデーターを利用し、利用目的はより具体的です。

イーサリアムコントラクトを利用することやERC-20トークンを開発することは、次第に個人のミニブロックチェーンを開発することに差し替えられます。

これはブロックチェーンネットワークが特殊化するトレンドの一部として実現されます。

現在のシステムは全てのユーザーのために全ての機能性を含めようとしています。

しかし今後は、より明確な利用目的に特化したデザインのシステムが開発されます。

なぜこのターゲット化が必要なのかはYahooを見れば一目瞭然です。(Yahooは商品やサービス枠を広げすぎた事で、どの分野でも成功することができていません)

Goolgeはデータ、Appleはデザインに特化したように、今後ある目的に特化したブロックチェーン(データベースに特化したBigchainDBなど)が残り、発展するでしょう。

5. 特殊化か一般化か?

『一般目的(general purpose)のトークンは一つの目的に特化した“Special-purpose”トークンに代り、special-purposeブロックチェーンはgeneral-purposeブロックチェーンに代る』となるでしょう。

一見これは矛盾しているように見えますが、ブロックチェーンが相互運用性を持つようになれば、ブロックチェーンやトークンは次第に連結されなくなります。

どの予想が現実化され、どの予想が外れるのか、2018年の仮想通貨界も注目していきたいところです。

The Death of the ICO (And 4 Other 2018 Predictions)

Stefan Thomas, Dec 26, 2017

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