ビットコインネットワークの決済利用を促進
ビットコインのブロックチェーンにステーブルコインを導入する計画が明らかになった。このプロジェクトは、ビットコインの高速決済を可能にするセカンドレイヤー技術、ライトニングネットワーク(LN)を開発するLightning Labsによって推進されている。海外暗号資産(仮想通貨)メディアDecryptが報じた。
フィナンシャル・タイムズ主催「クリプトとデジタル資産サミット」で、Lightning LabsのCEO、エリザベス・スターク氏は、開発チームが最新の「Taproot Assetsプロトコル」をテストしていると明かした。
このプロトコルは、ビットコインブロックチェーン上で資産を発行し、ライトニングネットワークを介して即時、高頻度、低手数料で取引を可能にする技術だ。
この木曜日にライトニングネットワーク上で初めての資産取引をデモンストレーションした。私たちの目標は、ビットコインのブロックチェーン上に暗号ドルやステーブルコインを展開することだ。
さらにスターク氏は、「私はミームコインやギャンブルとは異なり、実際の問題を解決することに深い関心を持っている。ビットコイン上にステーブルコインや他の資産を配置することにより、新しいユースケースを促進し、より多くの人々をデジタル資産とお金のインターネットへと引き込むことができるだろう」と述べ、そのビジョンを強調した。
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ライトニングで国境間取引を促進へ
ライトニングネットワークはビットコインのスケーリング問題を解消するために開発された「レイヤー2」プロトコル。仮想通貨のマイクロペイメント(少額決済)に特化している。
スターク氏は、ライトニングネットワーク(LN)の技術が、「国境を越えるという概念をなくし、全世界での取引を可能にする」と述べている。
世界中の友人に画像を送るときに料金を支払う必要はもはやない。インターネット上での価値のやり取りも、お金の取引も、同じように無制限であるべきだ。
さらに、スターク氏は国際通貨基金(IMF)の報告書を引用し、ビットコインが「新興市場での送金手段や資本規制を回避する手段として、ますます重要な役割を果たしている」と指摘した。
同氏によれば、これらの新興市場ではビットコインが価値ある資産として、他に選択肢がない場合の取引手段となっている。「これは、ハイパーインフレや権威主義体制に直面している市場で活動する開発者やコミュニティにとっては驚くことではない事実だ」とスターク氏は付け加えた。
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