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ブロックチェーンの先導国家として、カナダが頭角を現す理由

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ブロックチェーンプロジェクト大国カナダ
カナダは、他国に先駆けるイノベーション・低エネルギーコスト・高速インターネット環境の普及率に加え、理想的な規制体制を基盤に、仮想通貨先進国家として頭角を現してきており、ブロックチェーン技術の活用に関してはアメリカ、イギリスに次ぐ世界第3位の規模にあるとされています。
カナダのブロックチェーン需要
カナダでブロックチェーンプロジェクトが伸びている背景には、有利なマイニング環境、規制の柔軟性、そして優遇措置の組み込まれた税制などが挙げられます。

ブロックチェーン大国カナダ

カナダは、他国に先駆けるイノベーション・低エネルギーコスト・高速インターネット環境の普及率に加え、理想的な規制体制を基盤に、仮想通貨先進国家として頭角を現してきており、ブロックチェーン技術の活用に関してはアメリカ、イギリスに次いで世界第三位の規模とされています。

カナダがブロックチェーン革新の分野で重要な位置を占める理由の一つとして、イーサリアム考案者で共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が、トロント育ちであるという事実も寄与しています。

イーサリアムのブロックチェーン技術が採用されている分野は、財務をはじめとして、政府、法務、保健、教育、宇宙、自国及び多国籍通貨、エネルギー、そしてICOなどの多岐にわたり、他に類を見ない多様性を誇ります。 

イーサリアムは、第二世代のオープンソースのソフトウェアプラットフォームで、一般的なスクリプト言語を使い構築された、信頼性のある分散型ネットワークのためのプロトコルです。

分散型P2Pビットコイン決済というサトシ・ナカモトの発案のブロックチェーン機能に、スマートコントラクトという概念を加えて機能を拡張したもので、この機能により、開発者が取引上の契約を自動的に実行、保存、記録していく機能を備えた分散型アプリをインターネット上に構築し、展開することができます。 

イーサリアムのブロックチェーンは、世界でも特出した数の開発者に支えられており、グローバルな規模で実用に向けた多くの開発が進んでいます。

トロントには、幾多のイーサリアムブロックチェーン関連の団体も所属する、ブロックチェーン研究機関のBlockchain Research Institute (BRI) が拠点を置いており、ブロックチェーン技術の多様な産業への活用を提案するための70を超えるリサーチプロジェクトに取り組んでいます。

また、BRIがカナダ情報コミュニケーション技術協議会(ICTC)と共同で、国を挙げてブロックチェーンエコシステムの構築に取り組んでいる一方で、中央銀行であるカナダ銀行は、政府発行の仮想通貨の可能性を探っています。

カナダのブロックチェーン需要背景

カナダのブロックチェーンの革新的環境は上記にとどまらず、有利なマイニング環境、規制の柔軟性、そして、優遇措置が組み込まれた税制などがあります。

まずマイニングの面では、寒冷な気候に加え、安価で豊かな電力資源に恵まれています。

ケベック州の電力会社、イドロ ケベック (Hydro Quebec)によると、ケベック州には、10年間で100テラワット時間分の余剰電力があり、北アメリカで最も電力料金が安い地域のひとつです。

そのため、多くの地域からマイナーが大挙してやってきており、2016年には、中国のビットメインテクノロジー社がカナダでマイニング事業を始めています。 

さらに規制の面では、厳しすぎる規制は新たな技術革新を阻害するという立場から、カナダは仮想通貨をはじめICOやトークンに対して柔軟な姿勢を取っています

それと同時に、国と地方政府によるテクノロジースタートアップ企業支援も充実しています。

昨年、イーサリアムのブロックチェーンを基盤としたICOが、全世界で40億ドルもの資金集めに成功するという熱狂的なブームの中、カナダ証券管理当局は、仮想通貨へのカナダ有価証券法適用の可能性を示唆しました。

しかし、一方で、オンタリオ証券委員会(OSC)は、オンタリオ初の規則に則ったICOに対し、既存の有価証券法の免除枠を用いて規制の軽減を認めました。

さらに、ブリティッシュコロンビア証券委員会は、仮想通貨投資は今までにない新しい投資の形だという見地から、カナダで初めて仮想通貨投資ファンドを承認しました。 

この判断により、オンタリオ自治体職員退職システムの Ethereum Capitalを含む、年金ファンド、投資及びベンチャーキャピタルファンドが、仮想通貨とトークンに投資することを許可されたことになります。

今年、価格変動の激しい仮想通貨市場にありながら、カナダ初のブロックチェーンによって取引されるファンドの、トロント株式市場での取引が開始されました。

また、オンタリオ証券委員会は、有価証券とみなされかねないトークンが取引されているのではという懸念から、いくつかの取引所の事業内容の調査を始めました。

カナダでの仮想通貨に対する課税については、優遇措置を用いた税制が特徴的です。

カナダ歳入庁は2013年より仮想通貨に対する課税を始めていますが、技術革新・科学革新のための研究を支援するため、国と地方政府で税の優遇制度を提供しています。

カナダ歳入庁は仮想通貨を商品と定義づけているため、その取引は課税対象となり、カナダドルで算出された資産価値に基づき、現物取引から生じた事業所得(全額課税)、もしくは、資本利得(50%課税)と判断されます。

雇用者が給料や賃金として仮想通貨での支払いを受けた場合、カナダドルに換算された金額が、雇用者の収入とみなされます。 

仮想通貨のマイニングは、規模により、事業もしくは個人の趣味(この場合は課税対象外)として課税されます。

事業収入、賃金、または資本利得は、納税者ごとに適用税率が定められます。

カナダの国税と地方税を合わせた一般的な税率は、州によりますが、企業で26.5%〜30% 、個人で44.5%〜58.75%です。

カナダで事業を行っている非居住者は、カナダ居住者と同等の課税対象になります。

国境をまたいだ仮想通貨による非居住者への家賃やロイヤリティの支払いは、25%の源泉徴収の対象になりますが、適用される税法条約によっては、減額される場合もあります。

個人の納税申告は4月末で、企業の納税申告は、その企業の年度末より6か月後となります。

Why Canada has Emerged as a Leading Blockchain and Crypto Nation: Expert Take

APR 30, 2018 by Selva Ozelli

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