CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン急落後の週明け相場、2400億円相当の大規模ロスカットも

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末12日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比475.8ドル(1.24%)安、ナスダック指数は267.1ポイント(1.62%)安で取引を終えた。

これを受け、15日の東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前日比409.3円(1.04%)安の3万9114円となった。

ビットコイン急落に伴い、米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄は大幅下落した。

CoinPostアプリ(ヒートマップ機能)

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比%高の1BTC=65,320ドルに。

BTC/USD日足

前週末のビットコイン(BTC)急落に伴い、暗号資産(仮想通貨)先物市場では3月5日に次ぐ今年最大規模のロスカット(強制清算)が発生。13日に7.84億ドル、14日に7.71億ドルのロングポジションが清算された。日本円だと2400億円相当に達する。

coinglass

一方、足元では主要アルトのFunding Rate(資金調達率)がマイナス乖離に突入するなど、売られ過ぎシグナルも出ている。

暗号資産(仮想通貨)全面安の背景としては、イランとイスラエルの対立先鋭化に伴う地政学リスクがある。急落の反動で週明けにかけてリバウンドしたものの、ヘッドラインに左右されやすい状況で予断は許さない。

これを含めここ最近では、①金融緩和(利下げ)期待の後退、②中東情勢を巡る地政学リスク、③米国の確定申告期日、④米SEC(証券取引委員会)のUniSwapへの警告など悪材料が相次いだ。

1については、米国の消費者物価指数(CPI)など昨今のインフレ指数高止まりを背景に6月米連邦公開市場委員会(FOMC)の思惑や年内の利下げ回数に関する予想が悪化したことが挙げられる。年内には利下げが始まる公算は高いとされるが、「インフレ率が目標水準に回帰するには時間が掛かる」というのが共通認識化しており、不確実性の高さも指摘される。

2については最も深刻で相場に影響を及ぼすものであるが、事態が終息に向かえば前週末におけるリスクヘッジポジションの解消および買い戻しは入るだろう。一方で、イスラエルが報復攻撃を行い、事態が泥沼化した場合は、第5次中東戦争に発展するおそれも指摘される。

原油輸送網の混乱はもちろんのこと、1日あたり世界的な石油供給量の約2割が海上輸送で通過するとされる“ホルムズ海峡”の封鎖が現実となれば国際的な緊張が高まることは必至だ。原油価格が高騰し、世界的なインフレ(物価高)を招きかねない。そうなれば、FRB(米連邦準備制度)の利下げ判断はさらに遠のき、相場がリスクオフに向かうことになる。

3については、確定申告期日である4月15日に近づくと税金負担を準備するため、または税務上の損失を計上するために暗号資産(仮想通貨)などの資産を売却することが考えられる。ただし、例年の影響は比較的軽微である。

4については、DEX(分散型取引所)最大手のUniSwapに対し、SECが提訴に向けた警告書となるウェルズ通知(Wells Notice)を発行したことがわかり、関連銘柄が下落した。

中央集権型の取引所でなくとも規制当局が法律違反で問うことは可能であるとのメッセージであり、SECは分散型取引所についても“証券法違反”との認識を示している事になる。

そのため、流動性の低下リスクや他の類似プラットフォームに対する規制強化および訴訟リスク懸念が強まり、関連銘柄を手放す動きが加速。過熱感のあったアルトコイン相場の反落に拍車をかけたものと見られる。

関連:仮想通貨DEX大手Uniswap、SECから訴訟の警告

大口投資家の売却

オンチェーンデータによれば、4頭のクジラ(大口投資家)が、計31,683 ETH(約1億600万ドル相当)の売却に踏み切った。

大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXおよびアラメダ・リサーチ破綻の影響を受けた、機関投資家向け投資会社で大手マーケットメイカーのCumberlandが含まれているものと見られる。

Spot On Chainの分析によれば、FTXおよびアラメダ・リサーチの破産管財人は、保有資産の清算・売却戦略に長けている。

今年3月1日以降、FTXおよびアラメダは5800万ドル相当の15,850 ETHを中央集権型取引所に送金しており、その後に相場の急落が発生する傾向が見られた。

Spot On Chain

関連:ビットコイン半減期とは?過去相場の価格変動から探る2024年の展望

関連:ビットコインの買い方|投資メリットやリスク、おすすめ取引所は?

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア