ビットコイン価格上昇の原動力
暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は24日、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
ヘイズ氏は 「左カーブ(Left Curve)」と題した最新のブログで、ビットコインの半減期と米国の納税期限による「弱含みの時期」を抜け出した今、なぜ強気相場が継続し、「途方もない」価格にまで上昇するの可能性があるのかについて、マクロ経済の観点から説明した。
ビットコインの上昇の原動力となった、法定通貨流動性の急増を生み出したマクロの仕組みは、国債バブルが崩壊し始めるにつれて、より顕著になるだろう。
米国、欧州連合、中国、日本といった主要経済圏で、政府債務の処理のために、各国が自国通貨を切り下げていると同氏は指摘。「システムがリセットされるまで、法定通貨は無限に印刷され続ける」と述べた。
一方、ビットコインは「これまでに創造された中で最もハードなお金」であり、法定通貨に対して強烈に反発を続けていると強調。伝統的な金融(TradFi)においても、資産防衛の一つの手段として、顧客にビットコイン現物ETFへの投資を促していると付け加えた。
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大統領選とマクロ経済
米国をはじめとする多くの国で、国のトップを選ぶ選挙が行われるため、2024年は世界にとって重要な年となると、ヘイズ氏は主張する。中でも米国の財政・金融政策は、「EUや中国、日本でも模倣されることになる」ため、米国大統領選挙を注視すべきだという。
米国では政治の二極化が進んでいるが、有権者の支持を集め、再選を確実にする最も簡単な方法は経済であるとヘイズ氏。
選挙がある年に景気後退に陥っていると国民が感じた場合、現職大統領が再選される確率は67%から33%に低下してしまう。そのため、現政権は景気後退が起こらないように最善を尽くすだろうと同氏は推察する。
景気後退が起きていないと印象付けるためには、名目GDP成長率を高めることが重要だが、米国の政府支出は名目GDPの23%を占めているため、「必要な支出を賄うのに十分な資金を借り入れる用意がある限り、政府はGDPを作作り出せる」とヘイズ氏は述べた。
バイデンでもトランプでも
ヘイズ氏はトランプ氏が大統領選を制した場合でも、政府支出は変わらないと見ている。トランプ氏は減税を推進すると予想されるため、財政赤字がさらに膨らむ可能性も考えられるという。
連邦議会予算事務局(CBO)は、現在および予想される将来の政治環境に基づいて、政府の抱える赤字を予測するが、「見渡す限り、巨額の赤字が予想される」状況のようだ。
米国の政治状況を考えると、紙幣印刷機はフル回転するだろうと強く確信している。2008年の世界金融危機と新型コロナを「解決」するために、米国の金融・政治エリートがやったことをあまりにも馬鹿げていると感じた人は、実はまだ何も見ていないってことだ。
強気相場は始まったばかり
これから夏を迎える北半球では、政治家が「現実からしばしの休息をとる」間、仮想通貨のボラティリティは低下するとヘイズ氏は見ている。
今は、最近の仮想通貨の急落を利用して、ゆっくりとポジションを増やすのに最適の時期だろう。。。仮想通貨に対するどの程度のリスクを取るのかに関わらず、今後数ヶ月はポジションを増やすのに絶好のチャンスとなるだろう。
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