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2024年注目の仮想通貨10選 各セクターの主要銘柄と関心を集める理由を解説

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2024年注目の仮想通貨10選

2024年に入り、世界各国での利上げサイクルが緩やかに終息へと向かい、米国では利下げの兆しも見え始める中、金融市場全体を「楽観相場」へと導き、暗号資産市場も活発化しています。

米国でビットコイン(BTC)の現物ETFが承認されたことで、BTCの価値は大幅に上昇し、2021年11月以来の過去最高値69,000ドルを更新しました。今後注目されるのは、4月20日に予定される半減期後の市場全体への影響です。

暗号市場では、スマートコントラクトプラットフォームのL1・L2だけでなく、AI(人工知能)やRWA(リアルワールドアセット)といった新たなユースケースが発展し、ビットコインを上回るパフォーマンスを示す銘柄も登場しています。

本記事では、時価総額や流動性、バックグラウンドや市場トレンドなどの要素を踏まえ、各分野で注目すべき10種類の銘柄をピックアップしています。紹介するデータは4月18日時点のものです。

セクター別 注目の仮想通貨10選
  1. リアルワールドアセット(RWA)
    1. オンド(ONDO)
    2. エックスディーシー(XDC)
  2. エアドロップ銘柄
    1. ジュピター(JUP)

L1(レイヤー1)

アバランチ(AVAX)

  • 時価総額:1285億ドル(約1.9兆円)
  • 時価総額の順位:13位
  • 年初来の騰落率:-18.92%
  • Xのフォロワー数:103.6万
  • TVL:9.3億ドル(1430億円)、9位(DeFillama調べ)

アバランチは、高度な分散性および高速トランザクションを特徴としたプラットフォーム。ネイティブトークンは、AVAX。アバランチは特に処理の速さが注目されている。

アバランチのエコシステムでは、「サブネット」と呼ばれるカスタムブロックチェーンの開発が可能。これにより、ユーザーや企業が、独自のトークンや、ネットワーク運用規則などを設定して独自の分散型ネットワークを立ち上げることができる。

2023年末以降、アバランチは大企業による採用が増加傾向にあり、具体的な事例としては以下が挙げられる。

  • 米金融大手JPモルガンは、WisdomTreeが提供するファンドの募集と償還に関する概念実証(PoC)を行い、「Avalanche Evergreen Subnet」に接続した。
  • 米金融大手のCiti(シティ)は、プライベートエクイティファンドのトークン化に関するPoCを実施し、「Spruce Subnet」を使用。Wellington ManagementとWisdomTreeが協力した。
  • 韓国の大手ゲーム開発企業NEXONが、人気RPG「メイプルストーリー」のオンチェーン版の制作を進行中。

出典:CoinGecko

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スイ(SUI)

  • 時価総額:16.48億ドル(約2,542億円)
  • 時価総額の順位:60位
  • 年初来の騰落率:+51.94%
  • Xのフォロワー数:67.9万
  • TVL:5.78億ドル(900億円)、13位

スイは、処理能力の高さを特徴とする、スマートコントラクト機能を搭載したブロックチェーン。Move言語などメタ(旧フェイスブック)が開発を主導していたプロジェクト「ディエム(旧リブラ)」の技術を継承している。ネイティブトークンはSUI。

スイは23年5月にメインネットがローンチされたばかりにもかかわらず、資金流入が急増。初期ユーザーへのインセンティブ提供や、エアドロップに対する期待感から、オンチェーンでの活動量も増加傾向にある。24年1月末には、オンチェーン取引量の週間統計は昨年10月以来1200%以上増加したと報告された。

RWAやAIといった新たな分野への開発・研究も活発。24年4月には業界初のWeb3ゲーム対応ポータブルゲーム機「SuiPlay0x1」を発表して注目を集めた。

出典:CoinGecko

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L2(レイヤー2)

アスターネットワーク(ASTR)

  • 時価総額:5.53億ドル(約853億円)
  • 時価総額の順位:143位
  • 年初来の騰落率:-29.66%
  • 英語版Xのフォロワー数:39.7万

Astar Network(ASTR)は、ポルカドットに接続するパブリックブロックチェーンとしてスタート。2024年2月、イーサリアムとポルカドット間で橋渡しをする取り組みとして、「Astar zkEVM Powered by Polygon」をローンチした。

「Astar zkEVM」は、イーサリアムのレイヤー2(L2)ソリューション。イーサリアム仮想マシン(EVM)に準じたスマートコントラクト環境を提供し、EVMチェーンとの即時相互運用を実現。ASTRトークンは、Astar zkEVMのトランザクション手数料として蓄積されるETHを利用してバイバックや助成金に活用されるなど、エコシステム全体の発展に貢献する設計。

Astar zkEVMは企業採用で国内市場をリードする立場にあり、最近では自動車メーカーのマツダ株式会社、旅行会社大手の株式会社エイチ・アイ・エスが、Astar zkEVMでNFTを発行している。また、秋元康氏が総合プロデューサーを務めるアイドルプロジェクト「YOAKE」を含む、多くのプロジェクトがAstar zkEVMの採用を発表している。

出典:CoinGecko

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ブロックチェーンゲーム(BCG)

グリーン・メタバース・トークン(GMT)

  • 時価総額:4.53億ドル(約698億円)
  • 時価総額の順位:165位
  • 年初来の騰落率:-33.86%
  • STEPNのXフォロワー数:56.4万
  • STEPNの3月のアクティブユーザー数:51,835

GMTは、「Move to Earn(歩いて稼ぐ)」のWeb3アプリ「STEPN(ステップン)」のガバナンストークン。STEPNでは靴のレベルアップなどに使われ、ユーティリティトークンの側面も併せ持つ。

また、STEPNを開発するFind Satoshi Lab(FSL)は、Web3 MMOゲーム「Gas Hero」なども展開。GMTはFSLエコシステム全体のネイティブトークンとして使われていることも特徴。

FSLは、セコイアキャピタルやソラナ・ベンチャーズ、バイナンスラボなどの大手ベンチャーキャピタルから出資を受ける、大手スポーツブランドである「アシックス」や「アディダス」、大手通信会社の「NTT docomo」との提携など、Web3企業としてのプレゼンスを高めている。

出典:CoinGecko

関連:GMTの買い方|STEPNやGasHeroで使われる仮想通貨の将来性、GSTとの違いを解説

オアシス(OAS)

  • 時価総額:1.15億ドル(約177億円)
  • 時価総額の順位:413位
  • 年初来の騰落率:+20.33%
  • Xアカウントのフォロワー数:12.8万
  • バリデータ数:27

オアシスは「Blockchain for Games」をコンセプトにした日本発のゲーム特化型ブロックチェーンプロジェクト。ブロックチェーンゲームユーザーに対して取引手数料の無料化と取引処理の高速化を図り、快適なゲームプレイ環境を提供する。ネイティブトークンはOAS。

ブロックチェーンの初期バリデータには、スクウェア・エニックスやセガ、バンダイナムコ研究所などの大手ゲーム会社やWeb3企業など20社以上が参加。

最先端のWeb3ネイティブゲームから伝統的な人気IPまで、あらゆるテイストとスタイルのプロジェクトがOasysで構築。出典:@oasys_games 24年2月

24年初頭には、辰年にちなんだ新しいビジョン「Oasys Dragon Update」を発表。「インターオペラビリティ」、「エコシステム」、「キラーコンテンツ」の三つの柱を含む。最近では、カカオゲームズのブロックチェーン部門METABORA SG、韓国のゲーム大手COM2USなど、積極的にパートナーシップを展開している。

出典:CoinGecko

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DePIN/AI

DePINとはDecentralized Physical Infrastructure Networksの略称で、分散型物理インフラネットワークのこと。トークンエコノミーを活用し、インフラの構築と運営を効率的に調整する。インフラを分散化するDePINのプロジェクトが複数誕生しており、地図、エネルギー、交通網、通信インフラなど、さまざまな業界で普及・拡大が進行している。

レンダー(RNDR)

  • 時価総額:29.57億ドル(約4,562億円)
  • 時価総額の順位:37位
  • 年初来の騰落率:+63.32%
  • Xアカウントのフォロワー数:18.2万
  • ノード数:5,600

Render Networkは、余剰なグラフィカル・プロセッシング・ユニット(GPU)計算能力を持つ人々と、その能力を必要とするクリエイターをつなぐ分散型クラウドレンダリングプラットフォームとして発足。レンダリングは、3Dアニメーション、ゲームやメタバースの開発、動画制作、ウェブデザインなど幅広い分野で活用される。

しかし、GPUはレンダリングだけでなく、AI(人工知能)のトレーニング計算にも不可欠。AI技術の需要の増加に伴い、GPUリソースが不足する状況が生じている背景を受け、Render NetworkはAIコンピューティングタスクも取り扱うよう拡張し、GPUの分散型処理ネットワークとして再定義している。

このネットワークは自動化された評価システムとタスク割り当てメカニズムを採用し、増加するGPUリソースの需要に柔軟に対応する。また、分散型GPUリソースを統合するインセンティブとしてユーティリティトークン「RNDR」(ソラナへの移行に伴い、現在は「RENDER」に名称変更)を使用してる。

出典:CoinGecko

関連:ソラナで拡大する分散型インフラ「DePIN」、2024年注目のプロジェクトを深掘り

ザ・グラフ(GRT)

  • 時価総額:2,280,746,774ドル(約3,518億円)
  • 時価総額の順位:47位
  • 年初来の騰落率:+11.78%
  • Xのフォロワー数:33.2万
  • 対応しているブロックチェーンの数:40超
  • ネットワーク上のプロジェクト数:7万超

ザ・グラフは、しばしば「ブロックチェーン版のGoogle」と称される分散型インデックスプロトコルで、ブロックチェーン上のデータを整理(インデックス)し、複雑な検索クエリも効率的に処理できるようにする。

ネイティブトークンGRTはサービスの決済に使用される。また、インデクサー(Indexers)と呼ばれるノードの分散型ネットワークを調整する。これらのノードは、GRTをステークしてインデックスを作成し、アプリケーションデータの提供権を獲得する。

このプラットフォームは、イーサリアムやアバランチなど7つ以上のブロックチェーンに展開し、データを収集・保存するために設計されたdApps(分散型アプリ)に対応。サブグラフと呼ばれるAPIを通じて、開発者はブロックチェーンアプリケーションからデータを効率的かつ迅速に引き出すことができる。

ザ・グラフはデータを管理するために高度なシステムを使用しているが、その機能はAIや機械学習とは直接関連していない。ただし、AIがデータから有意義なパターンや洞察を抽出するために、整理されたデータセットに簡単にアクセスできるようにする。そのため、AIとの関連が想起され、AIカテゴリーにカウントされるケースが多い。

出典:CoinGecko

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リアルワールドアセット(RWA)のトークン化

リアルワールドアセット(RWA)のトークン化とは、不動産や株式、コモディティ、美術品などのオフチェーン資産を、ブロックチェーン上で取引可能にする動き。世界金融市場協会(GFMA)は、この分野が2030年までに16兆ドルまで拡大すると予測している。

オンド(ONDO)

  • 時価総額:1,150,250,562ドル(約1,774億円)
  • 時価総額の順位:81位
  • 年初来の騰落率:+834%
  • X(Ondo Finance)のフォロワー数:18.3万
  • USDYのTVL:約2.1億ドル(約320億円)

Ondo Financeは、機関投資家向けにブロックチェーンを活用した投資商品を提供するリーディングカンパニー。トークン化されたリアル・ワールド・アセット(RWA)ソリューションを幅広く提供しており、本人確認(KYC)と反社会的行為チェック(AML/CFT)をクリアした投資家のみが直接利用できる。

提供される商品は、短期国債、社債、および高リスク・高利回り社債など。特に注目されるのは、米短期国債と銀行預金を裏付け資産とするトークン化された債券「USDY」だ。USDYはステーブルコインに似ているが、米国債からの金利報酬の大部分をトークン保有者に還元することで差別化を図り、その魅力を高めている。

1年前に最初の商品を発売して以来、Ondo Financeは急速に成長し、プロトコル全体の管理資産は3億ドル(約460億円)を超える。

また、オンチェーンファンド「OUSG」から8,400万ドル(約12.7億円)を新規プロジェクト「BUIDL」に割り当てるなど、業界内での話題性も高い。BUIDLはブラックロックによる初のトークン化投資ファンドであり、RWA分野全体における強気のムードを象徴している。

Ondoのエコシステムは、金融サービス企業のOndo Finance、非営利組織のOndo財団、自律分散型組織のOndo DAOなど、多岐にわたる。Ondo Financeチームが開発したレンディングプロトコルのFluxも含まれ、ガバナンストークンとしてのONDOが中心的役割を果たしている。

出典:CoinGecko

エックスディーシー(XDC)

  • 時価総額:516,247,270ドル(約796億円)
  • 時価総額の順位:149位
  • 年初来の騰落率:-36.37%
  • Xのフォロワー数:10.3万
  • ノード数:347

XDCは、貿易金融向けのブロックチェーン「XDC Network」で使われるユーティリティトークン。このプロジェクトは、RWAや金融商品をトークン化することで貿易金融業界を変革しようと取り組んでいる。

23年12月には、国内大手SBIホールディングスがアラブ首長国連邦(UAE)のTradeFinexと合弁会社「SBI XDC Network APAC株式会社」を設立。日本でも注目度の高い。

XDCは、ブロックチェーン上の決済のほか、ステーキングやガバナンスでも使用される。また、XDC Networkはイーサリアムのブロックチェーンと互換性がある。

出典:CoinGecko

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エアドロップ

ジュピター(JUP)

  • 時価総額:12.76億ドル(約1,969億円)
  • 時価総額の順位:73位
  • 年初来の騰落率:+45.21%
  • Xのフォロワー数:39.4万
  • DEXの取引高の順位:2位
  • 取引高の市場シェア:13.9%

JUPは、ソラナ基盤のDEX「ジュピター」のガバナンストークン。ステーキング報酬システム「アクティブ・ステーキング・リワード(ASR)」で使われる計画。ASRでは、トークンのローンチパッドの投票に参加したり、DAOに能動的に参加したりしているユーザーにJUPが分配される。

24年1月には、ジュピターの出来高が大手DEX「Uniswap」の個々のプラットフォームを超えて1位になり注目を集めた。出来高上昇の背景には、ソラナ圏におけるミームコインのトレーディング需要の高まりがある。

ジュピターのトレーダー向け機能には、仮想通貨のスワップ、指値注文、永久先物取引(ベータ版)、ドルコスト平均法での自動売買などがある。

ジュピターは現在、ローンチパッドの開催で注目を集める。24年4月には、ビットコインとソラナの通信プロトコル「Zeus Network」が、ローンチパッドの投票者などを対象としたトークンのエアドロップ確認ページを公開し、ZEUSトークンをローンチする。

出典:CoinGecko

時価総額トップ5(特別枠)

本記事執筆時点の時価総額トップ5は、2024年を象徴する動きを見せている。

ビットコイン(BTC)

  • 時価総額:1兆2060億ドル(約186兆円)
  • 年初来の騰落率:+39.71%
  • 24時間の取引高:345億ドル(約5.3兆円)

ビットコイン(BTC)は、2024年1月に米国で初めて現物型ETF(上場投資信託)が証券取引委員会(SEC)によって上場承認され、11のプロダクトが発売された。中でも、ブラックロックとフィデリティのETFは、機関投資家からの資金を集めるトップ2である

4月には、ビットコインは4年に1度の「半減期」を迎え、市場供給量が減少し、希少価値が高まる。過去の強気相場との関連性もあるため、注目度が一層高まっている。

こうした背景から、ビットコインの採用は着実に拡大。BTCを保有する企業とその蓄積シェアは増加傾向にある。世界で初めてビットコインを法定通貨として認めたエルサルバドルは2024年3月時点で5,690 BTC(約600億円)を保有する。イーロン・マスク氏率いるテスラは2023年第4四半期末時点で9,720 BTC(約570億円)を財務資産として保持し続けており、マイクロストラテジーは3月時点に約21万4246 BTC(約4兆2000億円)、総供給量の1%以上を保有している。東証上場のメタプラネットもビットコイン購入計画を発表した。

ビットコイン版NFT(Ordinals)やBRC20のようなトークン発行技術がますます発展しており、議論の余地のあるレイヤー2プロジェクトも増加。結果的に、マイナーのネットワーク手数料収益増加という副次効果も出ている。

半減期後の報酬減少が採掘企業のバランスシートにどのような影響を与えるか、マイナーによるBTC備蓄量の売却動向も注視される。一方、歴史的にビットコインはマクロ経済の動向の影響を受けてきた。仮想通貨市場全体の方向性を示す指標としても重要だ。

出典:CoinGecko

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イーサリアム(ETH)

  • 時価総額:3578億ドル(約55兆円)
  • 年初来の騰落率:+27.95%
  • 24時間の取引高:187億ドル(約2.8兆円)

時価総額2位のイーサリアム(ETH)は、スマートコントラクトプラットフォームとしてその地位を確立している。ビットコインに続いて、イーサリアムの現物ETFの米国での承認が注目されるが、その見通しは不透明だ。一方、香港では4月にビットコインとイーサリアムの現物ETFが承認された。

イーサリアムのスケーラビリティ問題の解決策として、L2の拡張性が進展。「Dencun」アップグレードでは、Optimismの平均トランザクション手数料が0.05ドル、ベースレイヤーでは0.064ドル、Arbitrumでは0.5ドル、zkSync Eraでは0.16ドルにまで低下した。

しかし、ユーザーの分断と流動性の断片化が問題となり、ユーザビリティの低下に繋がっているという批判もある。さらに、長期ホルダーによる大量売却が観測されており、これが市場の足枷となる場面も見られる。

一方、イーサリアムエコシステムは、dAppsやRWA(現実資産)などの用途で依然として進化している。特に「リステーキング」という新機能が注目されている。米資産運用大手ブラックロックは、イーサリアム上で初のトークン化投資ファンド「BUIDL」をローンチし、そのセキュリティの信頼性を示している。

出典:CoinGecko

関連:イーサリアムの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、おすすめ取引所選び

テザー(USDT)

  • 時価総額:1086億ドル(約16兆円)
  • 24時間の取引高:645億ドル(約9.9兆円)

テザー(USDT)は米ドルステーブルコインとして最大の規模を誇るだけでなく、発行元のテザー社の動向は仮想通貨市場にとって重要だ。過去には規制当局との紛争や裏付け資産への疑念からディペッグ(価格の安定性喪失)が発生する時期もあったが、テザー社は準備資産額を公開し、四半期ごとに監査レポートを公開することで信頼性と透明性を向上させ、価格の安定を保っている。

また、テザー社は四半期ごとに利益の最大15%を使ってビットコインの購入計画を進めており、2024年3月末時点の保有数は75,354 BTC(8,000億円)。

テザー社は2023年通期で62億ドル(約9,565億円)の純利益を記録。米大手投資銀行ゴールドマン・サックスの同年の純利益79億ドル(約1.2兆円)の78%に相当する。

出典:CoinGecko

ビルドアンドビルド(BNB)

  • 時価総額:821億ドル(約12兆円)
  • 年初来の騰落率:+71.73%
  • 24時間の取引高:20億ドル(約3,112億円)

もともと「バイナンスコイン」として知られていたこの通貨は、2022年2月に「ビルド・アンド・ビルド(Build and Build)」へと名称を変更した。これは、バイナンスの枠を超えて発展を遂げていることを反映した動き。

BNBは、コミュニティ主導で進められるブロックチェーンエコシステム「BNBチェーン」のネイティブ通貨であり、レイヤー1およびレイヤー2のスケーリングソリューションを提供している。

BNBはバイナンス(.com)とは独立しているが、バイナンスのエコシステム内で依然として広く使用されている。この仮想通貨は単に取引や支払いに使用されるだけでなく、バイナンスでの取引時に手数料を削減するための手段としても利用される。また、リアルタイムや価格に基づくメカニズムによるトークンバーンもBNBの価格に影響する要素の一つ。

出典:CoinGecko

ソラナ(SOL)

  • 時価総額:591億ドル(約9兆円)
  • 年初来の騰落率:+22.73%
  • 24時間の取引高:52億ドル(約8,055億円)

SOLは高速処理で知られるソラナブロックチェーンのネイティブ通貨。2023年に950%の急成長を遂げた勢いを維持し、2024年もユーザー数、DEX出来高などのオンチェーン指標を成長し続けている。

ミームコインやエアドロップ、スマートフォンの導入などがユーザー基盤の急速な拡大に寄与し、これらの施策は他のエコシステムにも影響を与え、業界全体で追従する動きも。

ソラナの評価は、投機的な動きだけではなく、性能への高評価と実績に裏付けられている。特に、多くの有力プロジェクトが、他のプラットフォームからソラナへ移行。ARKインベストのCEO、キャシー・ウッドを初め、追加のスケーリングソリューションを必要とせずに高いスループットを実現する点で機関投資家から高評価を得ている。この設計はイーサリアムが第2層(レイヤー2)のスケーリングによる複雑性とは対照的だ。

新たなバリデータクライアント「Firedancer」のリリースへの期待も高い。ソラナが現在の理論上の限界である1秒間に50,000トランザクションを大幅に超え、将来的には1秒間に100万トランザクションを処理可能にすることを目指している。

出典:CoinGecko

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まとめ

今回紹介した銘柄は、2024年の暗号資産市場の動向を反映して選出されました。これらの銘柄が今後の成長を保証するものではないこと、また投資アドバイスとして提供しているわけではないことをご理解ください。

Web3プロダクトの具体的なユースケースや分散型ネットワークの安定性の利点が明らかになるにつれて、仮想通貨市場はますます活況を呈しています。2024年後半に向けた市場の展望を探る際、今回取り上げた10の銘柄はそれぞれが注目されているセクターを代表し、関連する他の銘柄の動向や基本的な分析にも役立つことを期待しています。

記事の監修

各務 貴仁各務 貴仁
株式会社CoinPost 代表取締役CEO。高校卒業後に米国、カナダへ4年間留学。2017年1月より仮想通貨関連事業に携わり、同年7月に仮想通貨・ブロックチェーンメディアCoinPostを創業。
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