仮想通貨相場分析
大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは17日、週刊レポートを公開し、仮想通貨のパフォーマンスの鍵となるのは引き続きマクロ経済の動向であるとの見解を示した。
4月の米CPI(消費者物価指数)の結果によってビットコインが反発したことが、この見解の正しさを裏付けていると主張。CPIの総合指数の前年比3.4%上昇という数字は、年末までにインフレ率を目標の2%の水準に抑えることができる可能性があることを示しているとした。
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今月発表された4月の米CPIは、上述した総合指数の前年比は予想通りで、前回は3.5%だった。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は3.6%で、こちらも予想通り。コア指数は前回、前年比3.8%だった。
コインベースはCPIについて、住居費の粘着性の強さを懸念していないわけではないとしながらも、4月の小売売上高の停滞が、経済がピークに達している可能性を示唆していると指摘している。
こういった点からコインベースは「フェデラルファンド(FF)金利先物が示している通り、9月から0.25ポイントの利下げを年内に2回行うのが適切である」と考えているとした。
また、マクロ経済の動向以外にも、イーサリアムの現物ETFの審査や仮想通貨の保管に関する会計公報121号(SAB121)などに関する米国の規制動向も注視すべきだと呼びかけている。
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日本の動向に言及
コインベースは今回のレポートで、海外メディアの報道をベースにして米国以外の出来事を取り上げた。そこで、アジアのセクションで日本に関するニュースも掲載している。
まず1つ目は、コインチェックのナスダック上場について。特別買収目的会社(SPAC)の「Thunder Bridge Capital Partners Ⅳ, Inc.」とともに、上場に向けて準備を進めていることに言及した。
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2つ目は、SBIデジタルアセットホールディングスと、スポーツやエンターテインメント向けブロックチェーンプロバイダーであるChilizとの戦略的パートナーシップ。
両社は日本で合弁会社の設立を検討しており、新会社を通じて日本のファンが、アーセナルやACミランといったお気に入りのクラブのファントークンを購入・取引できるようになる計画が今月発表されている。
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最後に3つ目は、メタプラネットのビットコイン投資。同社は先月、財務戦略としてビットコインを購入・保有することを発表しており、すでに117BTCを保有していると先週報告した。
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