CoinPostで今最も読まれています

英投資銀行が、仮想通貨の違法利用の欠点を補う革新的な特許申請へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

英バークレイズが仮想通貨関連特許を申請
300年近い歴史を持つバークレイズが仮想通貨関連特許を申請した。通貨破棄用の秘密鍵を使用することで、資金洗浄やテロ資金支援などの違法行為を行う「悪意の第三者」に対する資金押収も可能にするとされる。

英バークレイズが仮想通貨関連特許を申請

300年近い歴史(1728年創業)を持ち、世界50カ国以上の国々にてサービスを提供する国際金融グループの英バークレイズが2つの特許を「米国特許商標局(USPTO)」に申請したことが、明らかになりました。

  • 仮想通貨の送金関連の”安全なデジタルデータ運営”(Secure Digital Data Operations)
  • 分散型台帳におけるデータ管理関連の”データ承認と管理”(Data Validation and Storage)

1つ目の特許内容

1つ目の特許となる、”安全なデジタルデータ運営(Secure Digital Data Operations)”という名目では、バークレイズはネットワーク上の”特定のユーザー”に対し、ブロックチェーン上でデジタル通貨を作成、または破棄する権限を与える新システムを発表。

中央銀行やその他金融機関が”特定のユーザー”となり、通貨発行用の秘密鍵を所有することで、ネットワーク上で公開されている台帳に通貨を発行し、供給量を増加させることができるものです。

そして、同様に”通貨破棄用の秘密鍵”を所有することで、逆に台帳から特定の通貨を破棄し、供給量を減らすこともできるとされています。

システムのメリット

このシステムは、資金洗浄やテロ資金支援などの違法行為を行う、「悪意のある第三者」から資金を押収することも可能にします。

これは、ブロックチェーン技術の非中央集権的特性を犠牲にしているという指摘も否定できない一方で、2018年に入ってからもハッキングが後を絶たず、巨額の資産が流出していることを考慮すると、必要な機能であると考えられています。

また、デジテル通貨と他の通貨の価値のバランスを崩さずに、ユーザーが資金を銀行や他の通貨取引所にて預金を行い、デジタル通貨に変換。後で台帳から引き出すということを可能にします。

つまりバークレイズは、法定通貨とのペッグ通貨をブロックチェーンの基盤として採用しようとしているものと思われます。

特許内では、米ドル、ユーロ、ポンドなどの法定通貨とのペッグ通貨となることで、そのデジタル通貨は、法定通貨の使用や保管する際の「共存し得る代替手段」として使うことも可能であると示唆されています。

2つ目の特許内容

”データ承認と管理(Data Validation and Storage)”という2つ目の特許では、個人情報のセキュリティ向上および、本人確認(KYC)の効率化に焦点が当てられています。

現時点で、ユーザーが法によって年齢などが制限されているサービスを受ける場合、証券会社などの登録の際に本人確認を行う場合、各会社のサービスごとに本人確認を行う必要があります。

しかし、今回の特許によって、ユーザーは、信頼される第三者(機関)による確認がすでに済んでいる場合、ブロックチェーンの機能を使用して毎回手動で確認する必要が無くなると記述されました。

このように、世界有数の金融機関であるバークレイズが、仮想通貨およびブロックチェーン技術の特許申請を行い、関心を高めてきていることは、業界にとって非常に良い傾向であると言えるでしょう。

大手企業の特許申請が相次ぐ

さらに、Mastercardも、6月28日にブロックチェーンネットワーク上での匿名取引システムを特許申請し、PayPalも3月1日に仮想通貨決済の迅速化に関する特許申請を公開。

世界的にも有名な企業がこぞって仮想通貨、及びブロックチェーン関連の特許の取得に躍起になっていることから、今後のさらなるユースケースの発展や、メインストリームへの普及が期待されています。

CoinPostの関連記事

英バークレイズ:仮想通貨「トレーディングデスク」の開設を検討か
英国を代表する大手投資銀行「バークレイズ」が、仮想通貨トレーディングデスクの開設を視野に、ヘッジファンドを含めた顧客の関心を調査していることが報じられました。仮想通貨市場への高い関心が伺えます。
マスターカードが仮想通貨関連の特許取得:仮想通貨の決済スピード向上へ
マスターカード社は17日、仮想通貨決済の処理速度向上に関する特許を取得した。処理速度のみならず、安全性向上が期待されており、将来的にクレジットカードで仮想通貨決済ができるようになることが期待されている。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
20:31
日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」、先着順の読者限定割引コードを配布開始
国内最大手暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostが企画・運営するWeb3カンファレンス「WebX2024」。先着順の読者限定割引コードを配布開始しました。
15:06
EVM互換のZKロールアップとして関心を集める「Zircuit(ザーキット)」とは
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム財団からL2研究助成金を獲得し、大手VCのPantera Capitalなどから出資を受ける「Zircuit(ザーキット)」について解説。ステーキングプロトコルは約2ヶ月で30億ドル以上を集めた。
14:35
懸念強まる仮想通貨業界へのSEC執行範囲、民主党と共和党議員が激論交わす
米国下院金融サービス委員会は、SECの暗号資産(仮想通貨)を念頭にした執行活動に関する公聴会を開催。民主党と共和党議員のスタンスの違いが鮮明となった。
12:50
FTXが再建計画書提出、すべてのユーザーに100%以上弁済の見込み
破綻した仮想通貨取引所FTXは、米破産裁判所に再編計画の修正版を提出した。すべての債権者が請求額の100%を受け取れるとしている。
11:25
米金融大手サスケハナ、1500億円相当のGBTCを保有
米大手投資・トレーディング会社サスケハナが約10億ドル相当の仮想通貨ビットコイン現物ETF「GBTC」を保有していることが確認された。
10:40
イーサリアムは穏やかなインフレ傾向に ETH焼却量減少で
仮想通貨イーサリアムは、主に取引手数料の低下により、焼却されるETHの量が大幅に減少している。DencunアップグレードやL2の活発化が背景にある。
09:30
「BTC相場は回復に転じた可能性」SCB銀が分析
「仮想通貨ビットコインの相場は回復に転じた可能性がある」とスタンダードチャータード銀行が分析。米大統領選の影響や今後の価格も分析している。
08:10
トレーダーに利回り提供へ、BybitがUSDeを取引担保に採用 
ENAトークン一時急騰 仮想通貨(暗号資産)取引所Bybitは7日、新しいステーブルコイン「USDe」をデリバティブ取引の担保資産に追加すると発表した。トレーダーに利回りを提供…
07:25
「仮想通貨市場には詐欺や問題が多い」ゲンスラー委員長
米SECのゲンスラー委員長は、仮想通貨の投資家保護の必要性を改めて強調。一方、イーサリアムの証券性については明言しなかった。
06:45
ワールドコイン過去一週間で35%上昇、その背景は
OpenAIのライバルであるGoogleは、5月15日に大規模な開発者カンファレンス「Google I/O」を開催する予定だがこれに先駆けChatGPTの検索エンジンを発表する観測だ。
06:10
米ビットコイン現物ETFに330億円純流入、2日連続プラスに
米ビットコインETFに回復の兆し。米月曜日、すべての仮想通貨ビットコイン現物ETFはプラスの資金流入を記録した。
05/07 火曜日
17:54
米決済大手Visa「ステーブルコイン取引高の約9割はbotによるもの」
決済大手Visaは、仮想通貨ステーブルコインについての記事を発表。ステーブルコイン取引活動の90%はボットなどによるものだと分析している。
14:32
米SEC、Invescoの「イーサリアム現物ETF」の可否判断を最終期日まで再延期
米国証券取引委員会は、InvescoとGalaxy Digitalが共同で申請した イーサリアム現物ETFの可否判断をさらに延期すると発表。次回の期限は7月5日で、これが最終期限となる。
14:22
米マラソンデジタル、ケニア政府とビットコインマイニングで協議
米上場ビットコインマイニング企業マラソン・デジタルは、ケニア政府と、仮想通貨政策やデーターセンター開発などで話し合っていると述べた。
12:30
前週末にかけてビットコイン大幅反発、ETFフローに好転の兆し
暗号資産(仮想通貨)相場は前週末にかけてビットコインが大幅反発し、暴落していたアルトコイン値を持ち直した。グレースケールGBTCへの資金流入など、ビットコイン(BTC)現物ETFのフローにも好転の兆しが見られる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア