7月まで再延期へ
米国証券取引委員会(SEC)は6日、Invesco(インベスコ)とGalaxy Digital(ギャラクシーデジタル)が共同で申請したイーサリアム(ETH)の現物上場投資信託(ETF)の可否判断をさらに延期すると発表した。
次回期限は7月5日で、これが最終期限となる。SECは今年2月にも同ETF申請の可否判断を再度延期し、パブリックコメントを求めていた。
SECは、申請について検討する十分な時間を確保するために、可否判断を延期することが適切であると判断したと述べている。
現在、SECに登録されたイーサリアム現物ETFの申請は9件あるが、SECは3月には、Hashdex、ARK 21Shares、およびVanEckの3社の申請に対して可否判断を再び延期。また、4月には、ブラックロック(Blackrock)とGrayscale、Franklin Templetonの上場申請の承認判断も延期した。
この中で一番早く可否判断の最終期限を迎えるのがVanEck社のETFで5月23日。次いでARK 21Sharesがその翌日、HashdexとGrayscaleが30日に期限を迎える。
承認される確率は低いか
今月下旬に迫る一連のイーサリアム現物ETFの最終判断だが、ここ数ヶ月で承認への期待は薄れてきており、多くのアナリストは承認される確率は低いと予測している。
ブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、5月下旬までにイーサリアム現物ETFが承認される可能性について、推定70%から25%まで引き下げた。
金融大手JPモルガンのアナリストであるニコラオス・パニギルツォグロウ氏は、5月までに承認される確率は50%以下だとの考えを示した。承認されなかった場合、ETF申請企業がSECを提訴する可能性もあると推測している。
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ロイター通信の報道によると、業界の識者らは、ビットコインETFの承認に至るまでのSECと発行者との活発な議論の状況とは異なり、イーサリアムの場合、提出されたETF申請について双方による本質的な議論がなされていないと述べた。
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Consensysによる訴訟
イーサリアム現物ETFの承認が遠のく可能性に寄与する要因の一つが、米Web3ソフトウェア企業Consensys(コンセンシス)によるSECの提訴だ。
4月10日、ConsensysはSECから、同社が証券法と取引所法に違反していると主張する「ウェルズ通知(Wells Notice)」を受け取ると、25日にSECとゲーリー・ゲンスラー委員長ら全5名の委員を提訴した。
Consensysの訴状内容から、SECはイーサリアムが未登録の有価証券にあたる可能性が高いと判断し、昨年3月末に正式調査する命令を承認していたことが明らかになっていた。
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Consensysの創設者で、イーサリアムの共同創設者であるジョセフ・ルービン氏は、SECが仮想通貨業界に対し、かなり長い間「ガスライティング」を行なってきたと指摘している。(ガスライティングとは、被害者に故意に誤った情報を提示し、被害者が自身の知覚や認識を疑うように仕向ける心理的虐待の一種。)
同氏はSECが「イーサリアムを証券であると内部で宣言し、その秘密の概念を強制する」ことで、イーサリアムを「再分類」したいと考えていると主張。「裁判を通じてSECの過度な越権行為と戦っていく」と決意を語った。
ルービン氏は、今回SECを提訴することにより、イーサリアムが商品であることが明確になり、2025年中にはSECがイーサリアム現物ETFの承認を余儀なくされると予想している。
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