Zircuitが関心を集める理由
Zircuit(ザーキット)は、複数の計算プロセスやトランザクションを同時処理する「並列回路」とAI(人工知能)対応のセキュリティを備えた、EVM(Ethereum Virtual Machine)互換のZKロールアップです。
EVMとは、イーサリアム・ブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行するソフトウェア環境です。
Zircuitチームは過去1年半で、ロールアップや暗号技術のスケーリングソリューションなど、さまざまな研究イニシアティブを先導してきた実績があります。
ZKロールアップは、スケーラビリティ(拡張性)とプライバシー能力を同時に向上させるブロックチェーンのスケーリングソリューションであり、ZK-SNARKsやZK-STARKsなどの「ゼロ知識証明」を使用して複数のトランザクションを単一証明にまとめ、メインチェーン送るものです。
Zircuitはそのポテンシャルを認められ、イーサリアム財団からレイヤー2(L2)研究の助成金を複数回にわたって獲得しました。また、大手ベンチャーキャピタル(VC)のPantera CapitalやDragonfly Capitalから出資を受けるなど、有望プロジェクトの一つとして市場の関心を集めています。
2024年2月23日にステーキングサービスをローンチし、預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」は、約2ヶ月で30億ドル以上に達しました。
EVMの互換性
ZircuitはEVM互換であり、より高い効率を提供し、ユーザーにより安価で速いトランザクションを提供します。
イーサリアム(ETH)基盤のアプリケーションであるため、開発者は新しいプログラミング言語やフレームワークを学ぶことなく、スムーズにZircuitに展開することができます。
高度なセキュリティ対策
このようなAI(人工知能)対応のセキュリティは、人工知能技術を利用してシステムの安全性を高める方法です。具体的には不審な挙動や潜在的な攻撃などの異常パターンの検出、リアルタイムでの脅威分析、自動化されたリスク対応などが含まれます。
AIによる脅威の評価を通じて、シーケンサーがより安全かつ効率的にトランザクションを処理できるようになれば、ネットワーク全体のパフォーマンスと安全性の向上が期待されます。
また、Zircuitは、検閲耐性やデータの永続性といった原則にほとんど影響を与えずに、シーケンサーレベルのセキュリティ(SLS)を提供することができます。
SLSとは、ブロックチェーンや分散型台帳技術において、トランザクションの順序付けや処理に特化したセキュリティ対策のこと。二重支払いなどの不正行為を試みる攻撃からネットワークを保護するために、重要な点と言えるでしょう。
これは、Zircuitがメンプールを常に監視し、悪意のあるトランザクション、ブラックリストに載ったアドレス・悪用コントラクトなどを検出し、それらが次のブロックに含まれるのを防ぐことができることを意味します。
これにより、プロジェクトやエンドユーザーにとってより安全なチェーンが実現されます。
Zircuitステーキングとは
Zircuitステーキングは、2024年2月23日に始まりました。
同ステーキングでは、ネットワークにイーサリアム(ETH)や特定のプロトコルに暗号通貨を預け入れることにより発行される「流動性ステーキングトークン(LST)」、USDe(Ethena USD)などの資産を預け入れることで、Zircuitポイントを獲得可能です。
資産はロックアップされません。獲得したポイントと利回りを失うことなく、いつでも資産を引き出すことができるメリットがあり、預け入れた資産は2024年夏頃に予定するメインネットローンチ時に移行されます。
パブリックテストネットは2023年11月9日にローンチ。Pantera Capital、Dragonfly Capital、Maelstromの支援を受け、2024年5月7日時点で32億ドル以上がステークされています。
Build to Earnプログラムとは
Zircuitは2024年3月27日、Zircuitネットワークに参加するビルダーの開発体験を向上させるため、「Build to Earn」プログラムを立ち上げました。新しいアプリケーションやオープンな実験の場として機能しています。
ツールの開発や既存のdApps(分散型アプリケーション)または重要なインフラストラクチャのデプロイ、Zircuitの紹介などでエコシステムへの貢献が認められた場合、貢献度に応じて報酬を受け取ることができます。
さらに、AI機能を通じて高度なセキュリティ対策とハッキングからの保護を受けることができます。
公式リンク
Zircuitに関する詳細については、下記公式サイト及び開発者向けドキュメントをご覧ください。
・Zircuit公式サイト
・Zircuit Staking
・Build to Earn