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ビットコイン保持者がビットコインの流通を妨げている?

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ビットコインが過去最高値をマークしたことを踏まえ、著者はビットコインが価値を創造する理由を二つ挙げている
一つ目は激しい変動を乗り越えて何度も相場を回復させるビットコインの抵抗強さ、二つ目はビットコインは既に利用者が保持しているため、供給不足になるという点です。
多くのビットコイン保持者がホールドし続けることにより流通が少なくなり、結果として価値尺度として使われなくなる可能性?
貨幣としての三つの役割(価値貯蔵、流通手段、価値尺度)を果たそうと、価値がどれだけ上がろうと通貨は流通しなければ通貨としての意味がないと指摘されています。

ビットコイントレーダーの最高の取引戦略は『買わずに保持(ホールド)する』ではなく『買ってHODL(hold on for dear lifeの略で必死にしがみつくという意味)する』だと言います。

今までに何度も言いましたが、ビットコインは成功しています。ベテランウォールストリートトレーダーですら恐れてしまうほどの激しい変動を乗り超えて、価額は先月の下落から再び回復しています。

中国ビットコイン取引禁止からコミュニティ内混乱を招くであろう迫り来る仮想通貨コードフォークなど多数の否定的ニュースがある中、10月13日に過去最高$5,800約65万円)をマークし、さらにこれから上昇する可能性もあります。

私はビットコインがそのような価格に値するのは2つの理由があるとみています。JPモルガンチェイス CEO ジェイミー・ダイモン氏のような人物が困惑を起こしていることに間違いはないですが。

HODL(保持者)の世界観を裏付けるかのように、過去二か月間のような出来事はビットコインが不変通貨であることを証明するのです。

過去の事例は、外部又はコミュニティ内部のユーザーからの分散型に設計されたビットコインの仕組みの遮断を試みる、あらゆる活動に抵抗し、最終的にはそれが可能だと証明します。

まさにこれがビットコインの価値を作るのです。ビットコインへの攻撃に抵抗すればするほど、不変の通貨であるという本質的価値が強調されるのです。

ビットコイン価値を創造する二つ目の中心的理由は不足にあります。

ビットコインは2.1億コインの供給に到達する2140年までは配布され続けますが、プロトコルの計画はかなり前倒しで既に80%のコインは利用者が保持しています。分散機能は次第に衰え、将来はビットコイン供給が不足になるでしょう。

しかし矛盾が存在します、この不足性はビットコインが通貨であるという魅力を傷つける可能性もあります。

HODLing(保持) = hoarding(買いだめ)

貨幣としての三つの役割(価値貯蔵、流通手段、価値尺度)を果たすが故に、ビットコインはその成功に呪われるかもしれません。

不変の金融手段の需要増加に直面し、ビットコインに内蔵された不足機能は21世紀分散型技術にとって素晴らしい価値貯蔵を作り上げました。

ビットコインは厳密な見解をするとより優れ、流動的なデジタル版の金なのです。しかし保持者が保持を続け流通を妨げると、人々が商品やサービスを購入するために利用することができなくなります。

決済サービスのBitPayは取引上昇の報告をしていますが、そのような増加はとても低い値から上昇したことにすぎません。

実際ビットコイン取引の多数は商業目的ではなく、2014年と2015年にビットコイン利用を試していた商人の数は停止しています。

世界的な貿易をみると、ビットコインの割合はほんのわずかです。

この特定の弱点は両者(チェーンを使う策と使わない解決策)がそれらの目的でビットコイン不足を改善しようと、継続されるでしょう。

迅速で、低コストな取引手段があったとしてもビットコインに価値(価格が上昇する可能性があり保持すれば保有資産が増えるため)があると判断した場合その通貨から離れず保持し続けます。

『悪貨は良貨を駆逐する』というグレシャムの法則(一つの社会で名目上の価値が等しく、実質上の価値が異なる貨幣が同時に流通すると、良貨はしまい込まれて市場から姿を消し、悪貨だけが流通するということ)に合わせて、彼らはドルの様な悪貨を使い取引をします。

もちろん機能する通貨が価値を維持するためにはある程度不足している必要がありますが、今ベネズエラのボリバルを欲しがる人はいないでしょう。

ベネズエラのスーパーインフレについて詳しくはこちら

しかし多数の経済学者が指摘するように、通貨は過度に価値貯蔵して魅了することは望ましくないです。

たくさんの人が買い貯めをしすぎると、流通手段として流通せず、結果として価値尺度として使われなくなるのです。

この理論は『理想的な金融政策は多少のインフレーション要素を含んでいる』と示します。

これによりほとんどの中央銀行はインフレ率2%をターゲットにし、金融の過度と不足のバランスを見つけ出そうとしているのです。

問題は多数の銀行はその目的を果たせず通貨の質を悪くし、ベネズエラのようなスーパーインフレや、1991年アルゼンチン通貨ペグの様な有害なデフレを引き起こすのです。

もしかすると金融政策を最大限に生かし貯蓄と支出の両方ができる、より優れた、自動的な方法があるかもしれません。理想は誰も遮断できない仮想通貨を利用した方法です。

もちろん、ビットコインのアルゴリズムを改ざんし供給の増加をすることは実質的には不可能です。利用者、マイナー、ビジネスは絶対にそのようなバリュー・プロポジションの低価に同意しないでしょう。

もしサトシ・ナカモト氏が需要を増加するために不足機能を内蔵していなかったら、そもそも私たちはビットコインすら持っていなかったでしょう。

長期的には、ビットコインの不変性、内在する不足、政治的中立性は、大衆にとって一種の世界的な準備通貨になる可能性を秘めています。

しかし、仮想通貨の真の保証は通貨が現状の崩壊した金融政策や支払いシステムをより効率的で誰もがアクセスできるように改善することにあります。

人々が容易に取引できる価値尺度が必要です。それのためには、デフレ資産である過度な保持では足りないのです。

Why HODLing Is Hobbling Bitcoin’s Prospects as a Common Currency

Oct 12, 2017 by Michael J Casey

参考記事はこちらから

CoinPostの考察

確かにある程度の不足は必要なことがわかります。またビットコインが世界的な準備通貨になることもわかります。

というのも、ベネズエラ同様に、ジンバブエではハイパーインフレが起こり、自国通貨の価値が大幅に下がり、財政は破綻しました。

ジンバブエではビットコインが80万円?自国通貨がインフレしている国の仮想通貨需要について
ビットコインが80万円もの価格を付けるジンバブエ。自国通貨のインフレが起きているため、政府にコントロールされない通貨であるビットコインへと国民達の興味が移っています。

そんなジンバブエでは安定通貨を求めてビットコインが取引されるようになっています。政府の発行する通貨とは異なるビットコインに需要が集まった結果ではないでしょうか。

価格も上昇の一途をたどり、需要が大きく、市場も拡大していますが、保持するということよりも流通することでよりビットコインの存在価値を認識できるでしょう。

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