- ビットコインが80万円になるジンバブエ。世界のビットコイン価格85%も値上がりを見せる背景
- ジンバブエ経済のハイパーインフレ化により政府にコントロールされないビットコインへの取引に市民が移行し始めています。
- ハイパーインフレを引き起こした国の経済の背景に潜む独裁政治
- ハイパーインフレが起きた原因として36年にもわたる、ロバート・ムガベ大統領(92)による独裁政治が影響しています。国民や国際政治からも批判が寄せられています。
- 裁定取引(アービトラージ)が行える可能性はあるのか?
- 80万円でのビットコイン価格は世界中から裁定取引を行いたい人がたくさんいるかもしれませんが、これほど価格が上がったの背景には裁定取引が行いづらい現状があるということでしょう。
ジンバブエ政府が紙幣を大量に発行したことにより、ハイパーインフレが引き起こされ、価値が大幅に下がったジンバブエ通貨ですが、一方で発行上限があり需要が増えることでデフレが生じるビットコインは真逆の対象と言えるでしょう。
今回のジンバブエBTC80万円は、法定通貨が大幅に価値を下げるインフレへのリスクヘッジとなる対象が仮想通貨となった事例の一つでしょう。
ビットコインが80万?!85%以上価格を上げている現状とは?
ジンバブエ政府が紙幣を大量に発行してしまった影響を受け、自国の通貨が大幅に価値を失い大幅なインフレを引き起こしました。
現在ジンバブエではパンを1個をもらうためには自分のリュックサック一杯に詰めたジンバブエ通貨を売る必要があるほど経済が安定していません。
そんな経済状況のジンバブエでは国にとらわれない通貨が必要となり、ビットコイン需要は急上昇しました。
さらに政府が全てのクレジットカードを用いた、海外取引の制限をしたこともビットコイン価格上昇に拍車をかけた原因でもあるでしょう。現在も国民は政府が発行する以外の安定通貨を求めている状況が続きます。
こうしたジンバブエ経済の背景により、ビットコインのローカル取引所bitcoinFundiでは一時約1ビットコイン/80万円を記録したのです。
また、現在南米ベネズエラでも似たようなハイパーインフレが起こっており、ビットコインの異常な価格上昇が起こっているそうです。
市民は政府がコントロールしている社会から逸脱しようとビットコインのような仮想通貨をビジネスの目的で扱う人々が増えています。
Bitcoin Trading at 85% Premium in Zimbabwe – Priced at $7,200
Sep 26 2017 Jon Buck
参考記事はこちらから
インフレーションしている国から需要がでているBTC、国の背景とは?
ジンバブエ国は南アフリカ共和国の北に位置するGDPランキング118位の国です。
かつては「アフリカの穀物庫」として呼ばれるほどの農場国でしたが、現在は1990年代後半以降経済政策の失敗によりインフレ、失業、貧困などが続いています。
また、36年にわたってロバート・ムガベ大統領(92)による独裁政治が続き国際社会からも批判を受けています。
そして、2008年に起こった大統領選挙を巡る混乱と過度の紙幣発行が経済悪化に拍車をかけハイパーインフレーションを起こしました。
インフレは2000年以前から始まり、年間インフレ率は一時、2億3000万%を超え、財政は破綻(はたん)しました。
現在は米ドルなどを流通させ、インフレは落ち着いてきていますが依然、貧困社会は終わりません。
以下は破綻時の10ドルをジンバブエドル換金した際の写真です。実際に裁定取引(アービトラージ)はできるのか?
裁定取引(アービトラージ)とは同一の価値をもつ商品の一時的な価格差を利用した取引です。割安な場所で物を買い、割高な場所でその物を売る機関投資家などが少ないリスクで行う手法の一つでもあります。
今回の件を例にとると
- (ジンバブエ取引所)1ビットコイン=80万
- (日本取引所)1ビットコイン=43万
という状況です。
この状況だと、日本の取引所で買ってジンバブエ取引所で売ると単純計算で利益が37万円もらえるということになります。
しかし、BTC価格が85%も私たちが取引をする価格と異なるということは裁定取引が難しいことの裏付けであるとも考えられます。
もし裁定取引が容易に行えるとしたら需要が増え85%まで価格を伸ばすことはまずないでしょう。
その背景には経済的な理由が大きく関わり、海外取引が難しい閉鎖的な政治が関係している可能性が高いでしょう。
また、コインポストでも裁定取引を行いたい人向けに各取引所の最終取引価格をサイトトップページtwitter欄の下に取り上げていますのでぜひ見てみてください。