CoinPostで今最も読まれています

国内仮想通貨取引所の「収益最大化」サポートへ|Gincoが交換業者向けの新ウォレットを発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国内仮想通貨企業Ginco、新たなサービス3つを発表
仮想通貨ウォレットを提供する株式会社Gincoが13日、ノードホスティングや仮想通貨業者向けウォレットなど、新たに3つのサービスを開始すると発表した。

国内仮想通貨ウォレット企業Ginco、業者向けウォレット発表

仮想通貨ウォレットなどを提供する株式会社Gincoが、新たなウォレットサービスを提供することで収益最大化をサポートする方針を発表した

2018年の国内仮想通貨市場は、停滞期にあったと言える。仮想通貨交換業者からの巨額の不正流出事件や経営管理体制が不十分だとして「業務改善命令」などの行政処分が相次いだことで、金融庁および仮想通貨交換業者は、新規顧客の獲得など業容拡大優先の方針の一斉転換を図った。

また、「改正資金決済法」に準拠する形で、セキュリティと内部管理体制、そして仮想通貨取引所としてのシステムの構築とメンテナンスなどに多大なリソースを投じており、市場規模拡大のためのCM自粛や新規受付の一時見合わせを行うなど、業界全体に自重ムードが漂っていた。

しかし、昨年末には、金融庁の監督下にある自主規制団体「JVCEA」が始動したほか、年明けには、国内最大手取引所である「コインチェック」における、経営管理体制および利用者保護の仕組みが水準を十分に満たしたとして、金融庁による「業登録」を受けるなど、日本の仮想通貨市場にも再び明るいニュースが舞い込み始めている。

そんな中、Ginco社は今回、

仮想通貨関連ビジネスを行う事業者のシステム課題を解決し、より多くの事業者がサービスづくりに集中し、収益最大化ができるサポートをしていく

との方針を掲げた上で、新たに3つのサービス開始を発表した。

  1. ノードホスティング
  2. 仮想通貨交換業者向けウォレットソリューション
  3. ユーザー用ホワイトラベルウォレット

ノードホスティング

仮想通貨取引所は通常、ブロックチェーン情報を最新にキャッチアップするため必要となるノードの研究・開発コストと新規顧客を獲得したり、顧客満足度を高めたりするために通貨を新規追加する2つの選択肢を迫られている状況が続いていた。

Ginco社はこのような状況を改善すべく、ブロックチェーンノードの保守・運用サービスの提供を発表した。

このサービスにより、「ノードの開発・運用を外部化し、新規通貨への対応を迅速に行うことが可能となり、ブロックチェーンの仕様変更やハードフォークに煩わされることなく、取引所事業に集中することができる」と説明している。

外部化することで、新規対応が可能となる仮想通貨銘柄は以下の通り。(掲載はGinco社参考)

  • ビットコイン(BTC)
  • ビットコインキャッシュ(BCH)
  • ライトコイン(LTC)
  • イーサリアム(ETH)
  • イーサリアムクラシック(ETC)
  • イオス(EOS)
  • リップル(XRP)
  • ステラ(XLM)
  • トロン(TRX)

交換業者向けウォレットソリューション

また、Ginco社は仮想通貨事業者向けのウォレット「Ginco Enterprise Wallet」を発表した。

取引所にとっては資産の分散管理やハッキングへの対策、利便性の高いユーザビリティなどのバランスが困難となっていたが、今回発表された業者向けウォレットにはマルチシグ機能が搭載されている。また新たにGinco社独自の暗号モジュール内で管理される上、送金時の電子署名処理は完全にプライベート化されたネットワークの中でのみ行われるため高い安全耐性があるそうだ。

さらに取引所の監査を想定して、監査ログのエクスポートや監査ユーザー管理機能も完備されている。

マルチシグ機能の必要性は最近話題となっているカナダの仮想通貨取引所QuadrigaCXの件から再び注目されている。

同取引所の資産、約160億円以上を管理するウォレットにアクセスする唯一の秘密鍵を知っていた創設者のGerald Cotton氏が12月に亡くなったことから、資産へのアクセスが不可能となり、第三者機関のアーンストヤング手続きの監視を行うなど、現在も苦しい状況が続いている。

このような例は極端かもしれないが、万が一の自体もマルチシグ機能があれば債権者保護手続きの申請などには至らなかっただろう。

ユーザー用ホワイトラベルウォレット

その他にもGinco社はユーザー用ホワイトラベルウォレットを発表し、今後OEMで提供するホワイトラベルウォレットを取引所サービスに接続する。

OEMとは

相手先ブランド名製造と訳される。外部企業に製作を依頼し、完成したプロダクトは委託側が自社ブランドとして提供できる。

Ginco社のコメント

なお今回、CoinPostの質問に対して回答をいただけたので、併せて掲載する。

最近は外部ハッキングだけでなく、QuadrigaCXで見られたように、内部から秘密鍵を紛失する可能性があることも指摘されています。新しいウォレットではどのように対処できるのでしょうか?
広報担当

取引所の実務を前提に、出金権限の分散管理を行うこと、不測の事態を前提とした執行フローを組み込むことで対応しております。詳細はセキュリティ上の問題もありお伝えしきれませんが、現在の取引所の実情に適したソリューションを提供いたします。

森川CEO

これまでウォレット開発で培ったインフラまわりの知見を、事業者に提供していくことで、仮想通貨・ブロックチェーンの普及を推進していくため「Ginco Solutions」を開始いたしました。

特に仮想通貨の普及において重要な役割を担う仮想通貨交換業者に対し、よりサービス価値の向上に集中できるようサポートを行っていくことは業界自体の発展につながっていくと信じております。

今回発表されたノードホスティングサービスや業者向けウォレットやホワイトラベルウォレットの提供開始により、Ginco社だけではなく、日本の仮想通貨業界にとって前向きな一歩と言える。

昨年11月行われたビットコインキャッシュのハードフォークに際して、各国の大手取引所が対応方針を発表する中、日本の取引所は、法の観点やシステム面の影響で、後手に回っていた側面も否めない。

しかし、国内の仮想通貨ウォレット企業にノード管理など一部プロセスの外部化が選択肢となれば、取引所側も新規顧客の流入などにより注力しやすくなると考えられる。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

新たな仮想通貨ハードウェアウォレット「Kinco」を来年公開へ|GincoがLongHashとの提携を発表
株式会社Gincoとブロックチェーン企業のLonghashが新たなハードウェアウォレット「Kinco」を共同開発する事を目的に、提携を締結した事を本日発表した。なお、同ウォレットの販売開始は2019年上半期をメドとしている。
米仮想通貨関連企業Abraのウォレットアプリ、ビットコインによる株やETFの投資が可能に
米国の仮想通貨関連企業Abraは日本時間6日、自社の仮想通貨ウォレットアプリ『ABRA』でビットコインによる、株式やETFの部分的投資ができる機能を開始する予定と発表した。最少5ドルからの投資が可能。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者12,000名突破。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
18:00
仮想通貨ウォレット「メタマスク」の使い方、送金、セキュリティ対策
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
14:45
「SusHi Tech Tokyo 2024」でSUDACHI TechとEchoXがWeb3プラットフォームを技術協賛
「SusHi Tech Tokyo 2024」では、SUDACHI TechとEchoXがNFT活用のWeb3プラットフォームを技術協賛。NFTデジタルスタンプラリーを展開する。CoinPostがアンバサダーを務めるグローバルスタートアッププログラムも開催される。
13:10
自由な取引ツールとしてのビットコインは実現しないのか、開発者が憂慮
仮想通貨ビットコイン開発の貢献者であるマット・コラロ氏は、現在「自由のためのツール」というビットコインのビジョンが実現できるかどうかが危ぶまれているとの考えを明らかにした。
12:30
コインチェック LSK保有者向け「KLY」エアドロップ対応方針発表
コインチェックは、LiskブロックチェーンのイーサリアムL2への移行に伴い、新谷発足するKlayrのネイティブトークンKLYのエアドロップへの対応計画を発表。スナップショットは2024年5月21日に予定される。
12:25
CPI発表迫り方向感を欠くビットコイン、イーサリアムETF承認は悲観的な見通し強まる
CPI(米消費者物価指数)発表を本日21時30分に控える中、暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインの方向感に欠ける展開で狭いレンジで上下している。
12:00
香港のビットコイン・イーサリアム現物ETFから最大の資金流出
香港の仮想通貨ビットコイン・イーサリアム現物ETFは4月の立ち上げ以来最大の1日当たり純流出を記録した。米国のBTC現物ETFは流入に転じている。
11:30
SBI VCトレード、口座保有者にHashHubのWeb3レポートを無料提供へ
SBI VCトレードは、暗号資産(仮想通貨)取引のサポート強化として、口座保有者に「HashHub Research」の一部を無料で提供開始。市場動向、プロジェクトの技術的背景などを把握するのに最適。
10:45
グーグル、新AI検索機能の一般提供発表
AIのGeminiで検索体験をさらに向上させるため、グーグルが新機能「AI Overviews」の一般提供を発表。同社のプロダクトにもAIを活用するとし、他にも様々な発表を行なった。
10:05
仮想通貨投資信託提供のCoinShares、1Qで利益総額が前年比11倍に 
仮想通貨投資企業CoinSharesは2024年第1四半期の決算を報告。利益総額は前年比11倍以上増加した。3月にはヴァルキリーのETF事業を買収している。
08:45
Polymarket、ヴィタリックなどから70億円調達
仮想通貨利用のポリマーケットは、2024年にプラットフォーム上で約2億200万ドル相当の予測取引が行われたと報告。特に米国の選挙の結果に125億ドル以上が賭けられており、現在のところドナルド・トランプ氏が49%の確率でジョー・バイデンの44%をリードしている。
08:15
Re、アバランチ上で再保険ファンド提供
仮想通貨アバランチのブロックチェーン上で、RWAである再保険のトークン化ファンドをReがローンチ。再保険業界の透明性を向上させ、オンチェーン決済を促進していく。
07:35
オルカンベンチマーク指数提供のMSCI、マイクロストラテジーなどを追加
MSCIの定期見直しは、投資家にとって重要な指標であり、各企業の市場での位置づけや影響力を反映するものだ。今回の見直しニュースを受け、マイクロストラテジーの株価は前日比で4.15%上昇した。
06:25
ソラナ基盤のDrift、エアドロップとコインベース上場予定
仮想通貨DRIFTトークンは、エアドロップの形でリリースされる。日本時間5月16日21時より取得可能となる。エアドロップ分のトークンは合計120,000,000 DRIFTで、総発行数の12%を占める。
05:50
米ウィスコンシン州投資委員会、ビットコイン現物ETFに255億円投資
米ウィスコンシン州投資委員会がスポットビットコインETFに1億6300万ドルを投資したことを報告。ブラックロックのIBITとGBTCを大量保有し、他の仮想通貨関連企業にも投資していた。
05/14 火曜日
18:00
オントロジー DIDソリューション普及のため、15億円規模の基金を設立
分散型ID(DID)とデータ共有を可能にする高速で低コストのブロックチェーンプラットフォーム、オントロジーは1,000万ドル規模の「Ontology DID FUND」を設立。プロジェクト提案は専用フォームから迅速に申請可能。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア