金利引き下げで仮想通貨成長の可能性
米大手仮想通貨取引所コインベースのCEO、ブライアン・アームストロング氏は、世界の中央銀行の金利引き下げなどにより、今年ビットコインやその他の仮想通貨が成長する可能性についてSNSで意見を表明した。
A down stock market and interest rate cuts may lead to growth in crypto this year. Governments around the world are likely to look to stimulate the economy in any way they can, including using quantitative easing and expanding the money supply (printing money).
— Brian Armstrong (@brian_armstrong) March 3, 2020
株式市場の低迷と金利引き下げにより、今年仮想通貨が成長する可能性がある。世界中の政府と中央銀行は、量的緩和の使用やマネーサプライの拡大(マネーの印刷)などを行い、可能な限り経済を刺激しようとするだろう
日本時間4日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、連日の株安など短中期的景気低迷に対する不安を抑えるため、米連邦準備理事会(FRB)は臨時委員会を開き、政策金利を0.5%引き下げた。米国株は一時的高騰するもその後反落。一部の有識者は、数週間内に追加緩和が求められる可能性が高いとの見解を示している。
3日には豪州中銀も経済刺激措置として過去最低の0.5%まで引き下げた。また、震源地の中国も、経済に与え打撃を緩和するため、1730億ドル(約18兆円)を刷っている。
さらにG7財務相・中央銀行総裁は3日、新型コロナウイルスと経済状況に関して電話会談を行い、共同声明を出した。強固で持続可能な成長を実現するため、また経済の下方リスクを抑えるために、すべての適切な政策手段を取ることを表明。
会議を受けて、麻生財務相は措置には、財政政策と金融政策が含まれると明かしている。
アームストロング氏はこのような状況下で、資金がデジタル通貨に移動する可能性があると主張。「(法定通貨)インフレーションに対するヘッジとして資金が仮想通貨に移動する可能性がある」とコメントした。
仮想通貨コミュニティ内では、インフレに対する避難所として機能する可能性はすでに認識されてきた。仮に今回そのような方向に状況が動けば、機関投資家の仮想通貨に対する考え方が大きく変わることに繋がるという。
「今年は、機関投資家の仮想通貨についての考え方は、投機としての仮想通貨から、準備通貨としての仮想通貨へと移行し始める年になり得る」とアームストロング氏は結論付けた。準備通貨(Reserve currency)とは、各国政府もしくは金融当局の外貨準備の総額において相当量を占める通貨を指すものだ。