はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

NFTは規制対象外、EU仮想通貨規制の改訂案で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

欧州連合の仮想通貨規制案

昨年9月に発表された欧州連合(EU)の包括的な暗号資産(仮想通貨)規制案(MiCA=Market in Crypto Assets)に対し、いくつかの点で改訂が提案されたことがわかった。

スペインの経済紙Cinco Diasの報道によると、改訂案では、NFT(非代替性トークン)が規制の対象外となり、EU域内を対象に仮想通貨サービスを提供する企業は、拠点をEU加盟国内に置くことが求められる。それに伴い、規制当局による承認も必要となる。

事業の承認という面で、ブローカーなど仮想通貨投資サービス企業は「一から申請をやり直す」必要があるが、銀行に対して優先的に仮想通貨事業を認可する方針に今回、変更はなかった。

スペイン国内では、欧州中央銀行(ECB)とともに、同国の中銀であるスペイン銀行とスペイン証券取引委員会(CNMV)が、仮想通貨関連事業の監督を担うことになるという。

関連:欧州連合(EU)、仮想通貨規制案を正式に発表

NFT除外の理由

NFTを規制の対象外とする理由として、改訂案では「これらの暗号資産は、市場で取引されたり、投機的に蓄財されたり、限定的に交換手段として使用されることがあるものの、容易に交換できるものではない」ためだと説明している。

NFT

NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。アートや楽曲等の作品、ゲームのアイテム、スポーツ関連のコレクタブルなど、幅広い分野で適用が進んでいる。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨の定義

NFTを除外したことで再浮上するのが、仮想通貨の定義についての問題だろう。MiCAでは、暗号資産、ユーテリティトークン、資産参照トークン(Asset Referenced Token=ART)、Eマネートークンなどの用語について、対象となるビットコインやDAI、Diemなどの例を挙げて説明している。

しかしECBは、2月に提出されたMiCAに対する意見書の中で、国ごとの「多様な解釈」を避け、EU全域で「調和の取れた規制の確立」を実現するため、EUに「暗号資産とは何か」また、何がMiCAの対象となり、どの規制当局が対応すべきかなどついて、より明確に定義するよう求めている。

またECBは、デジタルユーロなどの中央銀行デジタル通貨(CBDC)については、MiCAの対象から除外するように求めている。

ステーブルコインについて

意見書の中でECBが特に厳格な対応を求めたのが、ステーブルコインに対する対応だ。

同行はステーブルコインが、「決済システム/スキームに等しいものである場合、金融政策の遂行や決済システムの円滑な運用に対する潜在的な脅威の評価は、ECBの独占的な権限に属するべきである」と記しており、トークンに対する承認の拒否権を求めている。

関連:欧州中央銀行、ステーブルコインについて厳格な規制を要求

規制案の完成時期

Cinco Diasによると、この規制案は2021年末または、2022年初頭までに完成させることを目指しているという。

しかし、EU全体が対象となるMiCAは、すでに実施されている各国・地域ごとの現行の仮想通貨規制に優先することになるため、規制の整合性を保つための手続きの詳細や、担当規制当局の調整など、課題は山積みのようだ。例えば、ECBと欧州銀行監督機構(EBA)、銀行連盟の三者間の監督責任の所在の明確化など、二重規制にならないように配慮する必要もある。

多くの国と組織を抱えるEUで、MiCAが正式に法律として採用されるまでには、4年ほどがかかると言われており、導入は2024年頃が見込まれているようだ。

一方、昨年、分散型金融(DeFi)が爆発的な急成長を見せたように、仮想通貨業界の進化は目まぐるしいペースで進んでいるため、2024年の市場の状況がどうなるのか、予想が困難であるのも事実だろう。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/29 土曜日
13:45
イーサリアム創設者ヴィタリック、L2セキュリティの進化と「2-of-3」証明システムを提案
ヴィタリック・ブテリン氏が新たなブログで、L2セキュリティの現状と将来展望を公開。ブロブスペース拡張、ZK・OP・TEEを組み合わせた「2-of-3」証明システム、証明集約レイヤーの必要性について詳細に解説。
12:55
南カロライナ州で新たにビットコイン準備金法案提出 対コインベース訴訟取り下げも
米国サウスカロライナ州が、コインベースへのステーキング関連訴訟を取り下げた。また同日には州がビットコインなど仮想通貨の準備金を持てるようにする法案が提出されている。
10:45
ブラックロックのビットコインETFを保有、トランプ大統領の息子が顧問の米上場企業
米ドミナリ・ホールディングス社がビットコイン保有戦略を開始し、ブラックロックのETFを購入。機関投資家の仮想通貨投資最新動向は。
10:00
欧州保険・年金機構(EIOPA)、保険会社が仮想通貨を100%裏付ける義務提案
EIOPAが保険会社の仮想通貨保有に100%の資本要件を提案。高リスクに対応するためとしている。欧州では特にルクセンブルクで保険会社の仮想通貨エクスポージャーが確認されている。 。
09:30
SEC、イーロン率いる政府効率化省(DOGE)と連携開始
米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)との連携を開始。トランプ政権下での規制機関改革と仮想通貨政策転換の最新動向を解説。
08:30
ビットコイン80万円下落、BTCメジャーSQ通過で需給悪化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時80万円の下落となった。アルトコイン市場も、ビットコインの急落に連動するかたちでほぼ全面安の展開となった。
07:45
トランプ大統領、仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者3名に恩赦
トランプ大統領は、アーサー・ヘイズ氏ら仮想通貨取引所BitMEXの3名の共同創設者に恩赦を与えたことがわかった。同氏らは、意図的にマネーロンダリング対策を導入せず銀行秘密法に違反したと告発されていた。
07:15
アバランチ現物ETF、米グレースケールも申請
VanEckの後に申請 米ナスダックは3月27日、グレースケールのアバランチ(AVAX)現物ETFに関する19b-4申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。この申請は、既…
07:02
ブラジル政府高官「ビットコイン準備金は国の繁栄に不可欠」
ブラジル副大統領首席補佐官がビットコインを「デジタルゴールド」と評価し、国際準備金の5%をビットコインに投資する法案を支持する。
06:40
イーロン・マスク氏、人工知能開発のXAIがX社を買収と発表 企業価値16兆円超の巨大統合に
イーロン・マスク氏が率いるAI企業XAIが旧ツイッター社X社を全株式交換で買収。XAIを800億ドル、X社を330億ドルと評価する統合により、AIとソーシャルメディアの融合を目指す。
06:15
Bybitハッカー、40億円相当のイーサリアムを売却 ETH価格は前日比6%安
Bybitハッキング犯による40億規模のイーサリアム大量売却が仮想通貨に影響。ETHが前日比-6.3%。
03/28 金曜日
13:15
イーサリアム「ペクトラ」の実装日が4月30日と仮決定、次期「フサカ」の動向は?
カオスつうかイーサリアムのコア開発者ティム・ベイコ氏が「ペクトラ」アップグレードの実装日を4月30日と仮決定。次期開発に関しても進捗が確認された。
11:30
米司法省、ハマス関連の仮想通貨約3000万円を押収 資金調達を阻止
米司法省が、イスラム系組織ハマスからUSDTなどの仮想通貨を20万ドル相当押収した。ハマスは仮想通貨による寄付募集やマネロンを行っていたとみられる。
10:50
リップル社、アフリカの決済企業Chipper Cashと提携
リップル社は、アフリカの決済企業Chipper Cashとパートナーシップを締結。仮想通貨を活用するリップルペイメントを導入し、アフリカにおける国際送金の速さやコスト効率を向上させる。
10:45
トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
米上院銀行委員会が、次期SEC委員長候補ポール・アトキンス氏の公聴会を開催した。ウォーレン議員が利益相反の可能性を追及した他、仮想通貨関連の議題も俎上に上った。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧