CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨レンディング大手BlockFiに証券法違反の疑い、規制当局の指摘事例まとめ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BlockFiに疑義

暗号資産(仮想通貨)レンディング(貸借)サービスプラットフォームBlockFiが、米国の複数の州において証券法違反を指摘されている。

問題視されているのは、同社が提供する有利子口座(BlockFi Interest Account、以下BIA)。これは、仮想通貨を入金することで利子が付与される口座であるが、有価証券に該当するとして証券法違反の疑いで、最初にニュージャージー州の証券局(BOS)に摘発され、その後も別の州から同様の指摘を受けている状況だ。

同社は一貫して有価証券には該当しないと否定を続けているが、規制当局からの目は一層厳しくなっており、今後も指摘などの事例が増加していく可能性も考えられる。また、2020年には同社CEO Zac Prince氏は、The Blockの取材に対し2021年の下半期にIPO(新規公開株)を検討していることを明かしていたが、本件の動向次第ではそれも危ぶまれる。

関連:仮想通貨レンディング大手BlockFi、2021年にIPOを検討

そこで、本記事では、多岐に渡るサービスを展開し、仮想通貨業界において影響力を持ち得るBlockFiに対する規制当局による指摘などの事例をまとめ、今後同様の事例が発生した場合には随時更新していく。

規制当局からの指摘事例

日付 内容
21/7/19 ニュージャージー州: 米ニュージャージー州の司法長官が、BlockFiに対して、付利口座の新規開設に対する停止命令の発表を控えていることがわかった。大手メディアForbesが報じた。 (関連記事
21/7/22 アラバマ州: アラバマ州の証券委員会(ASC)は、BlockFiが未登録の有価証券であるBIAの売却を通じて147億ドル(約1.6兆円)を調達したとし、証券法違反を指摘。
21/7/22 テキサス州: 米テキサス州の証券委員会は、BlockFiと完全子会社2社が、米証券取引委員会(SEC)と同州の証券委員会から認可を受けずに、有価証券のサービスを提供していると主張。BlockFiに対して業務停止命令を出すかどうか判断するために、2021年10月13日に公聴会を開くことを通知した。 (関連記事
21/7/2? バーモント州: BlockFiによると、バーモント州の当局からも同様の「停止命令」を受けているという。命令に関する具体的な内容は公開されていないが、上記3州の事例にもあった「BIA」 口座の有価証券問題をめぐるものだ。 (関連記事
21/7/28 BlockFi: 米国3州で証券法違反を指摘されているBlockFiは、声明を発表。最初に摘発されたニュージャージー州のBIAの新規開設に係る停止命令の実施が9月2日に延期されたことを明らかにした。 (関連記事
21/7/31 ケンタッキー州: ケンタッキー州の金融当局も付利口座(BIA)の新規開設を停止するよう命じている。BlockFiはこれを受け、直ちに停止すると発表した。 (参考
21/9/22 ニュージャージー州: ニュージャージー州の金融当局はBlockFiの新規口座登録に対する禁止令を12月1日に延期した。双方による継続的な会話が影響しているという。 (参考

BlockFiの対応

BlockFiは、ニュージャージー州司法長官室から、同州内からBIAへの新規顧客の受け入れを停止するよう命令されたことを受けたが、命令に従い同州に居住するクライアントのBIAの新規受け入れ停止を発表している。

一方で、同社はBIAについて、一貫して有価証券には該当しないと主張を続けており、各規制当局と積極的に対話を行っていることを明かしている。

上記ツイートでは「BIAは合法で、適切なサービスだ。仮想通貨で金利を獲得するという消費者の権利を守るために戦うことを強く決心している」と説明。そして「我々は規制機関との対話を歓迎したい。今後の成功の鍵は、仮想通貨業界に適切な規制が整備させることだと信じている」と述べている。

なお、BlockFiは仮想通貨レンディング事業で有名だが、他にも仮想通貨の取引サービスや利用するとビットコインを報酬として受け取れるクレジットカードやビットコイン(BTC)の投資信託も提供している。

株式上場延期か

前述のBlockFiの株式上場の計画について、投資家に回覧されている最新書類によると、12~18ヶ月以内に実施する目標だったという。CoinDeskがそれを入手し報じた。

報道された上場の予定は以前CEOが言及した時期より遅れており、上述した州政府による規制指摘が起きる前から延期することが決定されているとみられている。

また、IPOに向けて、当初は7月27日に、コインベースベンチャーズ、Third Point LLC、Tiger Globalといった業界の著名VCがシリーズEの調達に参加し完了する予定との報道内容だったが、30日の最新情報によると、Third Pointは共同リード出資から降りたという。シリーズEをクローズすることを巡って問題が発生している可能性が高いと見られる。

関連:仮想通貨レンディング大手BlockFi、株式上場延期か

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア