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米長期金利上昇止まらず4%台に、一時反発の仮想通貨は大幅反落

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マクロ経済と金融市場

28日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比125ドル(0.4%)安と6営業日続落。 世界的なリセッション(景気後退)懸念から売り注文が膨らんだ。

FRB(米連邦準備制度)の金融引き締め長期化が強く意識される展開にあって相場を圧迫。ダウ及びS&P500が年初来安値を更新したほか、恐怖指数(VIX)は今年6月以来となる30の節目を超えている。

米長期金利(10年債利回り)は、22年8月のジャクソンホール会議(パウエル議長講演)や米連邦公開市場委員会(FOMC)を経て再び急騰。

2010年以来の水準となる4.00%台まで上昇した。

US10Y推移

仮想通貨市況

これに伴いリスク資産はいずれも厳しい。暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比7.5%安の18,667ドルと後退した。

BTC/USD日足

昨日までの上昇分を打ち消し、全戻しとなった格好だ。

今年6月の年初来安値17,500ドルを下回った場合、サポートライン(下値支持線)でのロスカットを誘発し、下げが加速するおそれがある。

BTC/GBP取引量が急増

27日に英ポンドが暴落し、対ドルで史上最安値を更新した際、暗号資産市場で通貨ペア「BTC/GBP」の取引量が急増していたことがわかった。

26日の「BTC/GBP」出来高は、年平均の14倍に達する8億8,100万ドルに及んでおり、同時期の「BTC/USDT」の出来高58%増と比較すると一目瞭然だ。伝統金融市場との相関が一時的に薄まった背景にあるとの見方がある。

関連:ビットコイン下げ渋り反発、米株指数との「相関関係」に変化の兆し

昨年のトルコリラや、今年3月のロシアルーブル暴落局面では、現地の法定通貨建てでビットコインの取引高が急増している。

トラス政権の打ち出した景気刺激策(減税政策)、及び国債の増発計画に伴う財政悪化の懸念から、ポンドは急激に売り込まれ、その後乱高下したことに起因するとの見方がある。

欧米諸国のインフレ高進が長引き、為替の単独介入で先進国間の通貨戦争の様相を呈すようであれば、発行数の限られるゴールド(金)やビットコインの代替資産性に再び焦点が当たる可能性も考えられるが、足元では地合いに左右される公算が高い。

このままドル指数の上昇に歯止めが効かない場合、ドル建債務の膨らんだ新興国のデフォルト(債務不履行)リスクも高まることになり、国際協調の難しさは増すばかりだ。

関連:仮想通貨市場にも影響する「ドル高」の背景は 相関性や円安要因についても解説

オンチェーンデータ

Glassnodeのデータによれば、ネットワークのレベルは、新型コロナウイルスのパンデミック発生時の20年3月水準まで落ち込んでいる。

ビットコインを採掘するマイナー収益は、需要レベルとネットワークの混雑度合いに直接関係しており、歴史的にマクロ市場のトレンド反転の先行指標として機能してきた。しかし現在では、新たなエンティティの採用が過去のサイクルの最低水準をも下回っており、小口投資家の流出が顕著とみられる。

Glassnode

なお、27日にはビットコインオプション市場最大手の取引所Deribitが、既存株主から約58億円(4,000万ドル)を調達したことを発表した。

大手ベンチャーキャピタルThree Arrows Capital(3AC)の破綻に伴い、ポジションを清算した経緯がある。

関連:仮想通貨オプション大手Deribit、約58億円調達か

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

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