はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

FTX、初の破産審問始まる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SBF氏の「個人的な王国」

破綻した大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXに対する初の破産審問が21日、米デラウェア州の連邦破産裁判所で行われ、同社幹部による「前代未聞の企業統制の欠如」の実態が報告された。

FTXのジェームズ・ブロムリー弁護士は、最盛期には4.5兆円(320億ドル)と評価されたFTXは、「事実上、取引所の元CEO、サム・バンクマン・フリード(SBF)氏の個人的な王国として運営されていた」と発言。子会社を通じてバハマの不動産投資に約423億円(3億ドル)が費やされたが、そのほとんどが同社幹部の自宅や別荘の購入だったと指摘した。

ブロムリー氏によると、残されたFTXの社員は、SBF氏からジョン・レイIII新CEOに経営が引き継がれた後、初めて同社の実態を知り、「王様は裸だったと認識することができた」という。同弁護士は、「SBF氏を中心とする少数のグループによってコントロールされていた」FTXの状況を、「取引所業界における最新で最大の失敗」と形容した。

ブロムリー氏はまた、FTXが「経験が浅く、世慣れていない小集団に支配されており、残念ながら、その一部または全員が不正な人物であることを示す証拠がある」と証言。「FTXの相当量の資産は盗まれたか、もしくは行方不明になっている」と述べ、かなりの資金が同社の他部門からアラメダリサーチに移されたように見えると付け加えた。

関連:FTX、関連企業の資産保有状況を調査へ

バハマ当局との対立

今回の破産申請では、FTXの顧客資産の管轄権がどの国の法律に帰属、あるいは優先するかという問題が生じている。FTXは米国で、米連邦破産法(チャプターイレブン)の適用申請を行ったが、同社の子会社でバハマに本拠を置くFTX Digital Marketsはその中に含まれていなかった。

22日の審問については、FTXが本社を置いていたバハマ当局が、米国での破産手続きの統合に同意したため、異なる裁判所から矛盾する裁定が下される可能性は回避することができた。しかし、弁護団によるとFTXの関連会社の保有資産の回収と保全の調整方法については、まだ多くの意見の相違があるようだ。

ブロムリー弁護士は、資産が他の口座からバハマに移動された証拠があると以下のように述べた。

我々は、債務者の財産からバハマへの資産の移動があったという証拠を持っており、バハマ政府は特定の資産に関して取った行動に関して、やや不可解なコメントを発表している

ロイターの報道によると、破産申請以来、ジョン・レイIII新CEOの率いるFTXは、SBF氏がバハマの規制当局と協力して、米国の破産訴訟を「弱体化」させ、資産を海外に移転させたと非難しているという。

関連:バハマ当局がFTXの顧客資産を確保、地域の管轄権巡る紛争に

規制当局と協力

ブロムリー弁護士は、新CEOの下、新たなFTXチームは、米国並びに世界各国の規制当局の捜査に協力していることを強調。社内で証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)の元執行官や、元検察官を含む「調査チームを編成した」と説明した。

同氏は、ニューヨーク南部地区のサイバー犯罪部門を含む米国司法省をはじめ、SECやCFTCと常に連絡を取り合っていると付け加えた。FTXは、ブロックチェーン分析会社Chainalysisに、同社の保有銘柄の調査を依頼したという。

米下院金融サービス委員会と上院農業委員会は来月、FTXの破綻に関する公聴会を開くと発表している。

SBF氏が謝罪

SBF氏がFTX社員に対して送った謝罪文が明らかになった。

SBF氏は、大事が起こった際に、真摯な姿勢でコミュニケーションをとらなかったことを悔やんでいると述べ、自分の至らなさについて社員と顧客に対して深く謝罪した。また、完全なデータが手元にはないとしながらも、実際にどのようにしてFTXが破綻に至ったのかについても説明している。

さらに、今更起こったことを変えることはできないが、実際にはどのような対処法が考えられたのかについても言及。さまざまなアドバイスに耳を傾けるべきだったと述べた。

最後に、子会社のLedgerXが存続しているなど、まだFTXを救うチャンスはあるかもしれないと一縷の望みを見せるとともに、FTXを支えてきたすべての人に対し、感謝の意を表した。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/02 水曜日
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。
13:05
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、約320億円調達でビットコイン購入とマイニング機器導入へ
エリックとトランプ・ジュニア氏が支援するビットコインマイニング企業American Bitcoinが2億2000万ドルを調達。ビットコイン購入とマイニング機器導入に充当予定。
12:00
金融庁、ステーブルコイン健全発展のための報告書を公表 不正リスクや今後の課題を分析
金融庁が仮想通貨ステーブルコインの健全な発展に向けた報告書を公表した。不正利用の実態と今後の規制課題を分析調査する内容だ。
11:05
取引所BybitとKraken、ソラナ基盤トークン化株式「xStocks」を190カ国で提供開始
世界第2位の仮想通貨取引所BybitがBacked社のトークン化株式サービス「xStocks」を取り扱う。Apple、Amazon、Microsoft等60銘柄超をソラナブロックチェーン上で24時間365日取引可能に。
10:40
トランプ氏関連のミームコイン「TRUMP」、口座開設キャンペーンで配布へ
ドナルド・トランプ氏が公認とされるミームコイン「TRUMP」がもらえるキャンペーンがBITPOINTで7月末まで開催中。特典内容や条件を詳しく解説します。
10:20
国内Web3関連企業BACKSEAT、組み込み型Web3体験でブロックチェーン社会実装目指す
BACKSEAT株式会社が第三者割当増資により累計14億円の資金調達を完了。Spiral CapitalとHeadline Asiaが共同リード投資家として参画し、組み込み型Web3体験の実現に向けサービスローンチを本格化。
10:02
ロビンフッド、トークン化した米国株やETFの取引サービスを欧州で提供
仮想通貨などの投資アプリを提供するロビンフッドは、トークン化した米国の株やETFの取引サービスをEUユーザー向けにローンチしたと発表。独自ブロックチェーンを開発していることも明かした。
09:55
テキサス州、戦略的ビットコイン準備金設立に続き「金・銀」を法定通貨として認可
テキサス州のアボット知事が金・銀を日常取引の法定通貨として認可する法案に署名。戦略的ビットコイン準備金設立法案も成立し、米国初の大規模な貴金属・仮想通貨政策を実現。
09:40
ビットコインマイニング難易度が7.5%低下 米テキサス州猛暑が影響か
仮想通貨ビットコインのマイニング難易度が約7.5%低下した。米テキサス州の猛暑による電力制限が主要因と指摘されている。6月中旬にハッシュレートも下落していたところだ。
09:15
ナスダック上場企業SRM、140億円のトロン財務戦略完了でTRXをステーキング
フロリダのテーマパーク向け記念品製造企業SRM Entertainmentが、1億ドルのTRON財務戦略の一環として3.65億TRXをJustLendにステーキングした。年率最大10%のリターンを目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧