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ビットコイン18000ドル台まで反発、バイナンスを巡る不透明感で資金流出が急増

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マクロ経済と金融市場

14日の米NY株式市場では、ダウは前日比103ドル(0.3%)高で取引を終えた。

CPI(米消費者物価指数)結果を受け大幅反発したが、翌日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えることから、その後は様子見基調で利益確定売り優勢に。 11月CPIは、2ヶ月連続で市場予想を下回る前年同月比7.1%上昇となり、金融引き締め長期化に対する過度の懸念が後退した。

市場の関心は、日本時間15日未明に開催されるFOMC発表およびパウエルFRB議長の記者会見内容に焦点を移している。

関連:14日朝の金融市場短観|米11月CPIが予想下回る

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比3.8%高の17,800ドル。

BTC/USD日足

17,300ドル付近のレジスタンスライン(上値抵抗線)をブレイクし、一時18,000ドル台を回復した。逆相関する「ドル指数(DXY)」の大幅下落もリスク資産にとって追い風となった。

DXY/USD週足

バイナンスを巡る報道

米司法省が最大手取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOに対してマネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いで刑事告訴を検討しているとのロイターの報道を受け、バイナンスからの資金流出が増加した。

これまでの状況とバイナンスの規模感から、FTXのような顧客資産不正流用や債務超過リスクは現時点では低いとされるが、今年5月以降に大手暗号資産融資企業Celsius Network(セルシウス)などが破綻して預入資産を引き出せなくなるなどの事例が相次いだこともあり、企業の不透明感に対して投資家が過度にナーバスなっている。

関連:バイナンス、米司法省のマネロン関連告訴に関する報道に反論

The BlockのデータディレクターであるSimon Cousaert氏の見立てによれば、昨日以来の仮想通貨の純流出は20億ドル以上に上った。

データ​​アナライザーのNansenによれば、過去1週間で30億ドル相当の仮想通貨が引き出された。

このような状況を受け、13日17時頃にはUSD Coin(USDC)準備金が不足し、トークンスワップ対応のため一時停止する事態に。

ただし、そのほかの主要ステーブルコインであるテザー(USDT)、BUSDは影響を受けておらず、数時間後に出金リクエスト処理は無事再開されている。

この点についてCZ氏は、「Paxosが発行するステーブルコインのPAX/BUSDからUSDCに交換するチャネルは、提携する米ニューヨークの銀行を経由する必要があり、銀行の営業時間外における出金依頼急増が今回影響した。」「今後はより流動的なスワップチャネルの確立に努める。他のステーブルコインでの出金は滞りなく行うことができていた。」などと弁明した。

PAX、BUSDは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって監督されている。

バイナンスは今年9月、利用者の送金したステーブルコインおよび残高について、ステーブルコインの流動性を集中させて安定化を図る通貨ペアの統合を目的に、独自ステーブルコイン「バイナンスUSD(BUSD)」へと自動転換する施策を講じていた。

関連:バイナンス主要ステーブルコインの通貨ペア統合|テザーとUSDCで明暗分かれるか

大手取引所を取り巻くFUD(fear, uncertainty, doubt)の影響でネイティブトークンBNBが急落する場面もあったが、株指数反発もあり、その後は前日比0.12%高とプラス圏まで持ち直した。

BNB/USD

オンチェーンデータ分析

Glassnodeは、ビットコイン市場の(短期)実現ボラティリティについて、「現在の週平均22%は、20年10月以来の低水準にある」と指摘。FTX破綻による流動性枯渇の影響や、損失に対する投資家の警戒感が高まっていることを如実に示している。

Glassnode

BTC先物市場では、OI(未決済建玉)が大幅に減少。レバレッジ比率は、先月時点で時価総額の3.46%から2.50%まで低下した。

また、四半期先物と無期限スワップは、年率ベースでともに現物価格を下回る「バックワーデーション(逆ざや)」に陥った。

Glassnode

バックワーデーションとは、決済期限の近い期近物が期先物にくらべて高い状態にあることで、市場センチメントが極端に弱気に振れていることを示している。

関連:カナダ、仮想通貨証拠金取引を禁止へ

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

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