CoinPostで今最も読まれています

ビットコインマイニング企業アルゴ、IPOめぐる集団訴訟に直面

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

IPOをめぐる集団訴訟に直面

英拠点の上場暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Argo Blockchain(アルゴブロックチェーン)の投資家は26日、同社に対して集団訴訟を起こした。

アルゴが2021年9月に行ったIPOの際、提出書類に「事実と異なっていて虚偽または誤解を招く記述」があり、規則に従って作成されていなかったとしている。このため次の点について、適切に開示されていなかったと続けた。

  • アルゴの事業が、資本制約、電力その他のコスト、ネットワーク障害の影響を強く受けること
  • 以上の影響が、アルゴのビットコイン(BTC)採掘能力、事業戦略の実行などを妨げていたこと

原告は、これら開示されていなかった問題の結果として、「アルゴはビットコインを充分に採掘することができず」、アルゴの事業は、投資家に説明していたよりも持続性が低く、財務見通しも過大だったと続けている。

IPOとは

IPO(Initial Public Offering)の略称、証券市場に新たに上場し、株式の発行をもって資金を調達すること。上場する前に株式を発行し、法定通貨で出資してもらう。その後、IPOに向けての準備と取引所が要求するIPOの基準を満たして初めて上場することができる。また、上場する前に割安で買っていた株を、上場後に売却することで利益を得るということも狙いやすい。

▶️仮想通貨用語集

関連2023年のビットコインマイナーの売り圧力は? Galaxy Digitalが分析

損害賠償を要求

アルゴは、2021年9月のIPOで約146億円(1億1,250万ドル)を調達し、750万株を1株約1,900円(15ドル)の価格で売り出していた。

アルゴの株式は現在約247円(約1.9ドル)で取引されており、IPOの日からおよそ90%下落しているところだ。ただ、最近の底値であった12月16日の約49円(0.38ドル)からは回復している。

原告らは、アルゴの不正な行為や株価急落の結果として、原告および他の訴訟構成員は、多大な損失および損害を被ったと申し立てている。アルゴに対して、損害賠償やその他の裁判費用を要求する形だ。

2022年6月より、アルゴは段階的に業務上の困難を報告してきた。6月には、電力価格上昇や採掘難易度上昇などにより5月の採掘量が約25%少なくなったことを発表。

10月には、運転資金を確保することを目的として、コスト削減などと共に、設備融資契約の再編成を行っていること、一部施設で電力価格が高い時期にはマイニングを控えていることを報告。原告は、こうした報告後にアルゴの株価が下がったことを指摘している。

ギャラクシーデジタルとの取引で財務強化

アルゴは12月末にギャラクシーデジタルに米国の一部施設を約84億円(6,500万ドル)で売却。また、新たに約45億円(3,500万ドル)の資産担保ローンを、ギャラクシーとの間で結んで融資を再編成した。アルゴは、次のように述べている。

ギャラクシーデジタルとの取引により、負債総額を約53億円(4,100万ドル)削減し、経営構造を簡素化する。

本取引により、アルゴのバランスシートは強化され、流動性が向上し、事業の継続が可能になる。

昨年10月末時点では、資金調達できなかった場合、事業を縮小あるいは閉鎖することにも言及していたが、当面は事業を続けていける見通しになったと説明する形だ。

明暗分かれるマイニング企業

苦境に陥っている仮想通貨マイニング企業はアルゴだけではない。2022年より、仮想通貨市場の低迷、電気代高騰などの要因が重なり、マイニング企業の収益が圧迫されている。

仮想通貨マイニング関連企業Luxor Miningは昨年12月、様々なマイニング企業の負債額を合計すると、昨年9月末時点で約5,400億円以上になると発表していた。

関連仮想通貨マイニング企業の債務、合計5,000億円以上に

一方で、現在のところ比較的順調な企業もある。上場仮想通貨マイニング企業HIVE Blockchain Technologiesは、インテルのプロセッサを搭載した独自のマイニングマシンを導入したことなどが評価され、株価も執筆時時点で、12月末より2倍以上上昇している。

関連ハイブ、独自のマイニングマシンで効率性上昇へ 株価35%高騰

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/08 火曜日
19:40
金価格と連動する仮想通貨ジパングコイン 買い方からレンディングまで解説
金価格と連動する仮想通貨ジパングコイン(ZPG)の特徴と魅力を解説。購入方法からSBI VCトレードでのレンディングまで詳しく紹介。安定性と高利回りを兼ね備えた新しい金投資の形を探ります。
16:00
ビットコインETF、2億3500万ドルの資金流入 フィデリティがけん引
米国のビットコインETF(上場投資信託)市場は7日、12種類全体で2億3500万ドル(348億円)の純流入を記録。2営業日連続の流入超過となった。大半はフィデリティが運用するF…
14:00
仮想通貨スイ(SUI)2ドル超え最高値に迫る 価格上昇の材料は
仮想通貨Sui(スイ)が急成長している。価格2ドル超えで最高値に迫り、日次取引数がソラナを上回った。DeFiのTVLではトップ7にランクインする躍進ぶりだ。
13:10
サトシ・ナカモト候補者の愛猫ミームコイン誕生 ビットコイン発明者の正体に注目集まる
HBOドキュメンタリーの公開を前に、サトシ・ナカモト候補であるレン・ササマン氏の愛猫をモチーフにしたミームコインが登場した。
11:05
ソラナプロジェクトへの投資需要が堅調推移、3Q(7ー9月)に250億円以上調達
仮想通貨ソラナエコシステムへの投資が2024年第3四半期に急増し、250億円以上を調達。FTX崩壊後の回復を示し、大型プロジェクトもソラナに移行中。
10:45
バイナンス、仮想通貨ウォレット凍結に慎重姿勢
仮想通貨取引所バイナンスは、対象のパレスチナ人のウォレットを凍結して欲しいというイスラエル軍の要請に対し、86%を凍結しなかったことがわかった。金融調査部門のトップが事情を説明している。
09:35
中国株大幅上昇、仮想通貨からの資金移動加速か 政府の景気刺激策受け=報道
中国政府の景気刺激策を受け、一部の中国人投資家が仮想通貨から株式市場へ資金を移動している可能性。USDTの取引価格にディスカウントの傾向が見られる。
08:25
FTX返済計画承認、米裁判所が約2年越しの破産手続きに終止符
米裁判所が仮想通貨取引所FTXの破産計画を承認し、総額約2.3兆円が顧客に返還される見込み。裁判の詳細や今後の支払いスケジュールを解説。
07:45
トランプ氏勝利の可能性、ポリマーケットでハリス氏を上回る
米大統領選に向けてポリマーケットでは現在、共和党候補のトランプ氏が勝つ可能性が民主党候補のハリス氏を上回っている。トランプ氏は早くから仮想通貨を支持する姿勢を明確に示してきた。
07:00
ヴィタリック、ムーデンミームコイン売却し約2700万円を寄付
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリックがムーデン(MOO DENG)ミームコインを売却し、得られた資金を慈善団体に寄付。寄付後、ムーデンの価格は急騰し、一時3倍以上に上昇した。
06:26
ビットコイン、「強気な10月」再来か QCP Capital指摘
10月は仮想通貨ビットコインが「Uptober」として強気相場を見せる月として知られているが、今年の市場はどうなるか。QCP Capitalのアナリストは依然として強気の見通しを持ち、雇用統計やHBOのドキュメンタリーがビットコイン市場に注目を集めている。一方、ミームコイン市場も活発な動きを見せている。
10/07 月曜日
19:24
アラブ首長国連邦(UAE)が付加価値税制改正、仮想通貨取引の課税免除を発表
アラブ首長国連邦(UAE)が付加価値税(VAT)を改正し、仮想通貨取引の課税免除を発表した。仮想資産を伝統的な金融商品と同様の文脈で捉えていることを示唆し、2018年1月1日からの取引に対して遡及的に適用される。
16:55
イーサリアム改善案EIP-7782「処理速度向上とDEX効率化」で注目集める
イーサリアムの新提案EIP-7782はネットワーク処理速度33%向上を目指す。スロットタイム短縮でDEX効率22%改善、年間1億ドルのコスト削減につながる可能性も。
15:05
メタプラネット、ビットコイン保有量は639.5BTCに
メタプラネットは、10月7日に10億円分のビットコインを追加購入し、累計保有量は639.5BTCに達した。プットオプション取引で2億円超の利益も確保。
14:25
重要コアアップデート「Bitcoin Core 28.0」リリースへ、攻撃に対する脆弱性を解消
DoS攻撃などへの脆弱性対策を踏まえ、ビットコインコアの重要アップグレードである「Bitcoin Core 28.0」がリリースされた。なお、ビットコイン現物ETFは10月4日に純流入に転じ、約38億円の資金が流入した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア