GBTCから流出止まらず
米国で1月にローンチされたビットコイン(BTC)現物ETFは1日、10社を総計した資金フローで流出が流入を上回った。前週は毎営業日に純流入を記録していたが、再度純流出に戻った格好だ。
グレースケールのGBTCから3億260万ドル(約460億円)流出しており、アーク・インベスト21シェアーズのARKBからも30万ドル(約4,550万円)が流出した。ARKBが流出超過となるのは1月11日の取引開始以来で初となる。
流入額は、首位ブラックロックのIBITに1億6,590万ドル(約250億円)、二位フィデリティのFBTCに4,400万ドル(約67億円)、三位インベスコのBTCOに420万ドル(約6.4億円)だった。1日時点での、10銘柄累計純流入額は120億ドル(約1.8兆円)強となっている。
3月29日は市場が休みだったため、翌月曜1日の数字に影響を与えていた可能性もある。
GBTCからの流出背景
グレースケールGBTCからは、管理手数料が1.5%と競合他社より高いこと、現物ETF転換前からの償還需要、破綻したジェネシスやFTXによるGBTC売却などの要因があいまって資金の流出が続いているところだ。
こうした状況を受けて、グレースケールは現在、手数料の低い新ETFの申請を行っており、同社CEOはGBTCの今後の手数料引き下げを示唆する発言をしている。
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ブルームバーグETFアナリストのジェームス・セイファート氏は1日のGBTCからの流出額について「予想より多かった」、「もう流出速度は落ちているだろうと思っていた」とコメントした。
ブルームバーグの別のアナリスト、エリック・バルチュナス氏は以前、ジェネシスによる売却が過ぎれば大規模な流出はおさまるだろうと意見していたところだ。
米国の破産裁判所は2月、ジェネシスがGBTCを約3500万株(2月時点で1,950億円以上に相当)売却することを承認。ジェネシスはGBTC株を法定通貨あるいはビットコインに交換することが可能だ。
バルチュナス氏は、ジェネシスはGBTC株を現物ビットコインに交換しているだけなので、ビットコインのネットワーク全体で見れば、中立的な動きであるとも意見している。
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日次取引高も減少中
ビットコイン現物ETFの日次取引高も、99億3,000万ドル(約1.5兆円)を記録した3月5日を頂点として、次第に減少している。
4月1日の取引高は30億3,000万ドル(約4,590億円)で、ブラックロックのIBITが13億7,000万ドル(約2,077億円)で牽引している。以下GBTCでは8億600万ドル(約1,222億円)、フィデリティのFBTCでは5億5,600万ドル(約843億円)の取引があった。
ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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