Layer3は2021年にBrandon KumarとDariya Khojastehによって設立されました。当初のキャッチフレーズ「Earn Crypto by Doing Shit」にも見られるように、Layer3はプロトコルがトークンを利用してユーザーの行動を調整するためのマーケットプレイスを目指しました。
設立時には、WebflowとAirtableというノーコードプラットフォームを使ってシードラウンドを調達したことでも話題になりました。TGEは7月30日に開催されます。OKXやBybitなど大手海外取引所に上場することが発表されました。
創業者と役割
- Brandon Kumar: Accolade Partnersでの投資家としての経験を持ち、ビジネスの供給側、すなわちプロトコルビルダーとの関係構築やVCポートフォリオとのクロスセリングを担当しています。
- Dariya Khojasteh: アプリ開発の経験が豊富で、Layer3のプロダクト体験を設計しました。彼のゲーム化とUX戦略が、Layer3を魅力的で中毒性のあるプラットフォームにしました。
成長と課題
Layer3の初期には「コールドスタート問題」に直面しました。ユーザーがいない状態では、スケールを持つことができず、価格交渉などの力を持つことが難しいためです。
そこで、Layer3は新興プロトコルのクエストを提供し、ユーザーの関心を引くことに注力しました。これにより、プロトコルの発見と利用促進を目指しました。
ユーザーの行動とデータ所有権
Layer3は、ユーザーがオンチェーンデータを所有できるCUBEsというERC-721トークンを提供しています。これにより、ユーザーは自分のデジタル資産やアイデンティティを管理でき、プロトコルはより効果的にターゲティングできます。
また、Layer3を通じてプロトコルのトークンを獲得することで、ユーザーは経済的な価値も得られます。
ゲーム化とユーザーエンゲージメント
Layer3は、Octalysisフレームワークを活用してユーザーの行動を促進しています。これには以下の要素が含まれます。
- Epic Meaning & Calling: ユーザーがプロトコルやプロジェクトに貢献しているという感覚。
- Development & Accomplishment: XPシステムと報酬ハブによる体験の積み重ね。
- Creativity & Feedback: プラットフォーム内での戦略的なアイテム使用。
- Ownership & Possession: CUBEsによるデジタル資産の所有感。
- Social Influence & Relatedness: リーダーボード機能による競争と認知。
- Scarcity and Impatience: 限定的なクエストやレース。
- Unpredictability & Curiosity: チェストやルートボックスによる報酬の発見。
- Loss and Avoidance: デイリーストリーク機能による継続的なエンゲージメント。
Milestonesと新しい報酬モデル
Layer3は「Milestones」という新製品を導入しました。これは単一のトランザクションではなく、ユーザーの行動を一定期間にわたって観察し、複数のアクションに基づいて報酬を提供するものです。これにより、より複雑で価値のある行動が促進されます。
Layer3のポジショニングと未来
Layer3は、ユーザーのデータを直接所有させることで、従来の広告モデルとは異なるアプローチを取っています。ユーザーは自分のデータを管理し、プロトコルから直接的な報酬を受け取ることができます。このモデルにより、Layer3は大規模なユーザーベースを持ち、プロトコルのオンボーディングを支援する一方で、ユーザーに直接的な価値を提供します。
Layer3の成功は、データ所有権の変革と経済的インセンティブの提供によって、ブロックチェーン業界でのポジショニングを確立していることにあります。今後もこのアプローチを続けることで、さらに多くのプロトコルとユーザーを引き寄せると考えられます。
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