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米国選挙情勢の政治的変化により、仮想通貨投資商品に600億円超の資金流入=コインシェアーズ

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米国選挙が仮想通貨市場を動かす

欧州の大手資産運用会社CoinShares(コインシェアーズ)は、最新の暗号資産(仮想通貨)ファンドフロー週次レポートで、仮想通貨投資商品への流入が先週、4億700万ドル(約608億円)に急増したと報告した。

レポートを執筆したリサーチ部門責任者のジェームズ・バターフィル氏は14日、流入急増の背景として、投資家が金融政策の見通しよりも、来月に迫った米国選挙の影響をより強く受けている可能性が高いとの考えを明らかにした。

「この傾向は、予想以上に強い経済データが流出の抑制にほとんど影響しなかったという事実に表れている」と同氏は指摘。一方、米副大統領候補討論会と、その後の仮想通貨に好意的な「共和党支持の世論調査」などの要因が「流入と価格の即時上昇」につながったと主張した。

資金流入を記録したのは、主に米国拠点のファンドで、4億600万ドル(約607億円)。その他、カナダ(480万ドル)、オーストラリア(200万ドル)、ドイツ(80万ドル)で少額の流入があったものの、スイスや香港など他の地域では、資金は総じて流出した。この事実からも、先週の投資商品への資金流入は政治的性質を持っていると、バターフィル氏は付け加えた。

最大の受益者はビットコイン

資産別に資金の流れを見ると、 ビットコイン(BTC)は総額4億1900万ドルの流入を記録し、最近の「政治的変化」から最も恩恵を受けた資産となった。対照的に、ビットコインのショート投資商品からは630万ドル(約9.4億円)の資金が流出した。

複数資産で構成される投資商品は17週連続で資金流入を記録したが、その総額は150万ドル(約2.2億円)と少額にとどまり、 イーサリアム(ETH)の投資商品は980万ドル(約14.6億円)の流出となった。

ブロックチェーン株式ETFに関しては、最近のビットコイン価格の上昇を受け、週次流入額としては、今年最大規模となる3400万ドル(約50.8億円)の流入を記録した。

トランプ氏が優勢

分散型予測市場「ポリマーケット」では、米大統領選に大きな注目が集まっており、総額18.7億ドル超(約2800億円)が賭けられている。

執筆時現在、選挙の勝者となる可能性として、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領が55.2%、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領が44.4%で、トランプ氏が逆転しリードする展開となっている。

米ニューヨーク・タイムズ紙は10日、今回の選挙の結果、共和党が米上院における民主党の支配を覆すと示唆する最新の世論調査について報じた。

関連:米大統領選でトランプ氏勝利の可能性、ポリマーケットでハリス氏を上回る

それぞれの仮想通貨政策

トランプ氏は早くから仮想通貨に対する全面的な支持を表明し、ビットコインマイニングへの支援や、仮想通貨の自己管理権の保護、業界に敵対的な態度をとってきた米証券取引委員会のゲンスラー委員長の解雇など、具体的な政策を提示している。

一方、ハリス氏はこれまで「デジタル資産のような革新的な技術を奨励する」といった抽象的な表現にとどまっていた。

しかし、黒人男性からの支持を失うことに対する懸念を表明していたハリス陣営は14日、黒人男性の有権者をターゲットにした政策の一環として、ようやく仮想通貨支持を明確に打ち出した。

ハリス氏は声明で、「黒人男性が富を築き、家族を支え、地域社会をリードするためのツールを提供する」とアピールする中、仮想通貨について以下のように言及した。

仮想通貨やその他のデジタル資産に対する規制枠組みを支持し、これらの資産に投資して所有する黒人男性が保護されるようにする。

米ギャラクシー・デジタルのリサーチ部門を率いるアレックス・ソーン氏は、バイデン氏、ハリス氏とトランプ氏による仮想通貨政策の違いを比較・分析する中で、トランプ氏は「間違いなく業界にとって有利」と指摘。「トランプ氏が勝利した場合は、爆発的な上昇が見込まれる」と述べた。

一方、ハリス氏はバイデン政権下よりは業界を支援すると見ており、ハリス氏勝利の場合の仮想通貨の下落リスクは限定的だとしている。

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