
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(6/13 AM11時)
仮想通貨ビットコイン(BTC)は、日本時間6月13日午前9時頃、イスラエルがイランの核関連施設を攻撃したとの報道を受けて一時的に急落した。地政学的リスクの高まりにより、情勢を見極めたい投資家の間で一時逃避の動きが強まり、24時間比でおよそ100万円の下落幅となった。
ただし、ビットコインはこれまでにも地政学的緊張が高まった局面で一時的に下落した後、反発を見せる傾向があった。今回も同様の展開となる可能性がある。
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6月12〜13日相場状況
デリバティブ市場を見ると、売られすぎの状況にある。戦争の進展を注視する必要はあるものの、アクティブOIはほとんどなくなっており、デリバティブ市場が主導する売りの連鎖は起きにくい状況にある。さらにファンディングレートはロング有利の状況を示している。

成行注文の動向を分析すると、現物市場およびデリバティブ市場のいずれにおいても売り注文が優勢にあるものの、デリバティブ市場においてより強い売り圧力が確認されている。

現状分析(6/13日 AM11時)
過去の例を振り返ると、ビットコインは地政学リスクに対して一定の耐性を示してきた。たとえば、2017年の北朝鮮による日本上空へのミサイル発射、2019年の米・イラン関係の緊張、2022年のロシアによるウクライナ侵攻、2023年のイスラエルによるガザ地区への軍事行動などが挙げられる。これらの局面においてもビットコインは一時的な下落の後、反発に転じた事例が多い。
現在のデリバティブ市場を見ても、売られすぎの水準にあることから、戦況次第ではショートカバー(売りポジションの買い戻し)による価格反発が起こりやすい環境にあると推測される。
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