はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Bitwise法務責任者が語る「米国ビットコインETF成功の舞台裏」|WebX2025

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国内最大級のWeb3カンファレンス「WebX」では26日、キャサリン・ダウリング氏(Katherine Dowling, General Counsel & Chief Compliance Officer, Bitwise Asset Management:最高法務責任者)が登壇。

ノーバート・ガーケ(Norbert Gehrke, 東京フィンテック協会 代表理事)氏をモデレーターに迎え、米国ETF市場の急成長と規制環境の変化について議論が交わされた。

ビットコイン現物ETF承認の衝撃

ダウリング氏は、2024年1月にビットコイン現物ETFが米SEC(証券取引委員会)に初承認され、続く夏にはイーサリアム現物ETFが意外にも承認された経緯を振り返った。

当時のSECは、バイデン前政権におけるゲンスラー前委員長の下で厳格な規制姿勢を取っており、実現は難しいと見られていたが、ビットワイズを含む複数の発行体が500ページ超もの調査資料を提出し、流動性や市場の健全性を立証した。

同氏は「ビットコイン現物ETFは、ローンチ以来1700億ドル前後という驚異的な規模の資金を集めた」と述べ、ETFが市場構造を大きく変える存在となったと強調した。

ダウリング氏によれば、ETFは利便性や流動性に優れ、分散投資やオプション戦略との組み合わせも可能であるため、従来は現物を直接保有していた大口投資家でさえETFに資産を移す動きが加速しているという。

ETFの進化と現物拠出

米国の現物ETFは当初「現金による申込・償還」のみが認められていたが、2025年7月には現物拠出も承認され、市場効率は一段と向上した。

さらにビットワイズは、Solanaなど新興銘柄のETF、複数資産を組み合わせたインデックス型ETF、さらにはステーキングを組み込んだETFの開発にも注力している。2024年末にはステーキング事業者Attestantおよび欧州のETC Group(現Bitwise Europe)を買収し、次世代商品の設計を加速させた。

規制と立法の進展

2025年7月に成立したジーニアス法は、安定コイン発行に関する初の連邦規制法であり、市場制度の明確化と信頼性向上を促している。

ダウリング氏は「規制面での大転換が、より多くの機関投資家の参入を可能にした」と強調。かつて敵対的だった雰囲気は和らぎ、今では暗号資産は超党派で支持されているという。

日本市場の課題

対談では日本におけるETF導入の可能性にも言及があった。ガーケ氏は「証券課税20%という税制上のハードルが依然として残っている」と指摘。承認のスケジュールは不透明だと述べた。

ダウリング氏は「海外事例を参考にしつつ、日本に合った制度設計が求められる」とコメントした。

登壇者概要

キャサリン・ダウリング氏(General Counsel & Chief Compliance Officer, Bitwise Asset Management)

ビットワイズ・アセット・マネジメントの経営陣に所属し、ゼネラル・カウンセル兼チーフ・コンプライアンス・オフィサーを務める。以前は複数の金融・PE企業で要職を歴任し、サンフランシスコのソフトウェア特化型PE「Luminate Capital Partners」を共同創業。

ハーバード・ロー・スクール卒業後、10年以上にわたり連邦検察官として勤務し、経済犯罪部門でFBIやSECと連携しインサイダー取引やマネーロンダリング事件などを担当。現在は非営利団体の理事も務める。

ノーバート・ガーケ氏(東京フィンテック協会 代表理事/モデレーター)

ノーベルト氏は、東京フィンテック協会の創設者兼代表理事であり、日本の金融とフィンテックを特集する週刊ニュースレター「Japan FinTech Observer」の編集者でもある。以前はゴールドマン・サックスおよびバークレイズでマネージング・ディレクターを務め、またコンサルティング・パートナーとしても活躍するなど、キャリアの大半を機関投資家向け資本市場テクノロジー分野で過ごしてきた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/27 木曜日
17:20
モブキャストHD、ソラナ財団認定バリデータに選定 ステーキング運用規模を拡大
モブキャストHDがSolana財団の公式バリデータプログラムに採択。累計3億円・約1.1万SOLの取得実績が評価され、将来的には50万SOL規模の運用を目指す。
17:00
韓国大手取引所アップビット、約48億円の不正流出 全額を自社資産で補償へ
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットがソラナネットワークで約48億円の不正流出を発表。24銘柄が流出も全額補償へ。ホットウォレットから未承認送金、入出金サービスは一時停止中。
15:07
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」、アブダビADGMが正式認定
中東での企業利用が加速へ リップル社は27日、同社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」が、アブダビ金融サービス規制庁(FSRA)により「法定通貨参照トークン」として正式…
14:02
Xapo Bank、ビットコイン信用ファンドの提供範囲を拡大
ジブラルタルのXapo Bankがビットコイン建て信用ファンドを全会員に拡大。初期段階で1億ドル調達。2022年の業界崩壊後、厳格なリスク管理で市場回復。長期BTC保有者向けに安定利回りを提供。
14:00
ビットコイン需要の低迷続く 市場は横ばいか=Glassnode分析
Glassnodeが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインの需要低迷を指摘した。新たな資金流入が回復するまで市場は狭いレンジで推移する可能性が高いと分析している。
13:55
タイ当局、サム・アルトマンのワールドコインに120万件の虹彩データ削除を命令
タイ個人情報保護委員会が、生体認証プロジェクトWorldに対し、仮想通貨と引き換えに虹彩スキャンデータを収集した行為が個人情報保護法違反として、120万件のデータ削除と業務停止を命令。世界各国でも同様の規制措置が相次いでいる。
13:35
世界取引所連合が米SECに書簡、仮想通貨企業への免除措置見直しを要請 トークン化株式に懸念
世界取引所連合が米証券取引委員会にトークン化株式を提供する仮想通貨企業への包括的な免除措置の見直しを求める書簡を送付した。ナスダックやCMEグループなどが加盟する同連合は、適切な規制遵守なしに仮想通貨プラットフォームが証券取引所の役割を果たすことへの懸念を表明。
11:10
「BTCが74000ドルまで下落しても転換社債に対する価値は5.9倍」ストラテジー
ストラテジー社は、仮想通貨ビットコインの価格が同社の平均購入価格である74,000ドルまで下落しても、転換社債に対して5.9倍の資産を保有していることになると投稿。債務の安全性を強調した。
10:30
韓国最大級仮想通貨取引所Upbit、ネイバーと合併 約1.5兆円規模の株式交換で傘下に
韓国IT大手ネイバーが仮想通貨取引所Upbit運営のドゥナムを1.5兆円規模で買収。韓国国内シェア7割超のUpbitとネイバーペイを統合し総合デジタル金融エコシステムを構築。2025年6月の合併発効を目指す。
10:15
BTCマイナーのクリーンスパーク決算発表、売上高が過去最高に AIインフラを拡大中
ナスダック上場のビットコインマイナー、クリーンスパークが決算報告。過去最高の売上高を記録した。AIとビットコインの両ワークロード対応の包括的プラットフォームへ進化中だ。
09:55
ソラナ特化型ウペクシが最大35億円調達、SOL財務戦略などに利用
ナスダック上場のウペクシが普通株式とワラントの私募により最大2300万ドルを調達すると発表した。調達資金は仮想通貨ソラナ財務戦略と運転資本に充てられる予定だ。
08:45
セキュリタイズがEU取引決済システム認可を取得、アバランチで展開へ
セキュリタイズがスペイン国家証券市場委員会からEU全域での取引決済システム運営認可を取得した。同社は米国とEUの両方でライセンスを持つ唯一の企業となり、欧州システムはアバランチ上に展開される。
08:00
S&P、USDTのドルペッグ能力を最低評価に引き下げ
S&Pは、テザー社の米ドルステーブルコインUSDTに対する評価を最も低い「5」に引き下げた。仮想通貨ビットコインを準備資産として保有する割合などに触れ、判断の根拠を説明している。
07:02
大口投資家の売りが加速、ビットコイン平均入金額が1年ぶりの高水準に=クリプトクアント
クリプトクアントが報告したデータによると、ビットコイン価格が8万ドルまで下落した後、大口トレーダーによる取引所への送金が増加している。最近では9000BTCが送金され、その45%が100BTC以上の大口入金だった。
06:25
ビットワイズのドージコインETFも取引開始、グレースケールに続く
ビットワイズがドージコインETFの取引を米ニューヨーク証券取引所で開始した。管理手数料は0.34%で最初の1カ月間は資産5億ドルまで免除され、グレースケールとREX-オスプレイに続く3番目のドージコインETFとなる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧