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USDHはなぜハイパーリキッドを強化するのか?仕組み・収益、HYPEへの影響までわかりやすく解説   

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暗号資産(仮想通貨)の世界では、安心して取引や資産を扱うためにステーブルコインが欠かせません。これまではテザー(USDT)やUSDCといった特定のステーブルコインが主流でしたが、近年はプロジェクトが独自にステーブルコインを発行する動きが広がっています。

分散型デリバティブ取引所 Hyperliquid(ハイパーリキッド) もその一つで、2025年9月に導入した「USDH」は、HYPEトークンやエコシステムの成長を支える重要な役割を担います。

本記事では、USDHの仕組みや収益モデル、HYPEへの影響、さらに知っておきたいリスクについてわかりやすく解説します。

USDHの概要

流通開始 2025年9月24日
発行体 Native Markets
取引市場 Hyperliquid
主な用途 決済・証拠金
流通量 2400万枚*
規格 HIP-1 / ERC-20
*9月30日時点、 コインマーケットキャップ参照

USDHは「1USDH=1米ドル」に連動するステーブルコインです。USDHはHyperliquidに直接発行され、ブリッジ不要の安全性、安定した準備資産、そして利回りを活用したエコシステム循環を特徴としています。

具体的な仕組みと特徴

  • Hyperliquidネイティブ:ブリッジを介さず直接発行。手数料やクロスセリングで他チェーンへ価値が流出しない。
  • 金利収益:現金や米国短期国債を担保。
  • 準備資産の安定確保:BlackRock(現金や米国短期国債のオフチェーン運用)、Superstate(オンチェーン担保運用)。Stripe 傘下Bridgeが発行・償還。
  • 収益の循環:リザーブ利回りの50%をAssistance Fund(ネットワーク基金)に自動送金し、残り50%をUSDHの普及・成長投資に活用。
  • エコシステム拡大:新規プロジェクトや流動性提供者への支援を通じ、取引量やユーザー数の拡大を後押し。

準備金は、発行体となるBridgeが管理し、オフチェーン部分は BlackRock に委託、オンチェーン部分は Superstate を活用。これにより、米国債などの安全資産とトークン化証券を組み合わせた二層構造で担保を確保しています。

Native Markets(ネイティブマーケッツ)とは?
USDHを発行するために設立されたチームで、2025年の発行権入札ではPaxosやFraxといった有力候補を抑えて選定されました。

中心メンバーには、ハイパーリキッド初期投資家のMax Fiege氏、元Uniswap Labs社長のMary-Catherine Lader氏、ブロックチェーン研究者のAnish Agnihotri氏が名を連ね、DeFiと規制対応の両面に強みを持ちます。

USDHの収益モデルとエコシステム内での役割

USDHは、成長投資によって供給と利用を拡大し、その結果としてAssistance Fundへの拠出額も増やしていく「内部循環」型の仕組みを採用しています。今後は段階的な発行上限の引き上げや手数料優遇策も計画されています。

USDH収益循環モデル

収益の活用方針は以下の通りです。

  • 50%:Assistance Fund(ネットワーク基金)へ → Assistance Fundに送られた資金の大部分はHYPEの買い戻しに充てられている。
  • 50%:エコシステム成長 → 流動性インセンティブ、開発支援、ユーザー獲得に充当。

この仕組みにより「利用 → 収益 → 還元 → 成長」という循環が生まれ、USDHは単なるドル連動トークンにとどまらず、Hyperliquidの内部経済を回すエンジンとして機能します。

USDHは、Hyperliquid取引所内で取得することが可能です。Hyperliquidの使い方は、 「ハイパーリキッド(HYPE)の使い方・エアドロップ戦略を徹底解説」をご覧ください。

リスクと懸念点

USDHは発行元のNative Marketsに運営が集中しているため、透明性や信頼性に問題があれば影響を受けやすいほか、換金需要が高まったり市場が不安定になると、準備金が不足して1USD=1USDHの安定性が崩れる可能性があります。

また、ステーブルコインは規制強化の対象になりやすく、法改正によって事業や収益モデルに影響が及ぶリスクや、USDCやUSDTといった大手ステーブルコインが強いため採用や信頼性で劣るリスクも存在します。

まとめ

USDHは、ハイパーリキッドが独自に導入したネイティブステーブルコインで、HYPEトークンやエコシステムの成長を支える仕組みを備えています。準備金運用から得られる収益をHYPEの買い戻しとエコシステム拡大に活用することで、内部経済を循環させ、長期的な発展を目指しています。

一方で、発行者依存やペッグ維持、規制、競合といったリスクも存在するため、投資や利用を検討する際には慎重な判断が求められます。USDHの動向は、今後のハイパーリキッドの成長やHYPEの価値に直結する重要なポイントになるでしょう。

関連:ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説

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