Plasma(プラズマ)は、ステーブルコイン送金に焦点を当てて設計されたブロックチェーンです。2025年9月の正式稼働後、TVL(預かり総資産)は50億ドルを突破し、100以上のDeFiプロトコルが統合しています。
さらに現在、PlasmaチェーンでDeFi運用を行うことで、独自トークン「XPL」を獲得できるインセンティブプログラムが実施中です。
本記事では、Plasmaの概要から、実際にXPL報酬を得るまでの参加手順、注意すべきリスクまで、わかりやすく解説します。
Plasmaとは?
Plasmaは、ステーブルコインを使った手数料ゼロの高速送金を実現するEVM(イーサリアム仮想マシン)互換のL1ブロックチェーン。決済などの基本的な金融サービスへの普遍的なアクセスを目指しており、決済に焦点を絞った設計により1秒間に1,000件以上の高速処理を実現しています。
USDT(Tether)の手数料ゼロ送金機能では、プロトコル内で管理される自動ガス代支払いシステムにより、ユーザーはネイティブトークンのXPLを保有せずにUSDTを送金できる。さらに、USDTやBTCなどの主要トークンで取引手数料(ガス代)を支払うことも可能。従来のブロックチェーンとは異なり、汎用的な計算処理ではなく、ステーブルコイン決済に特化して設計されている点が最大の特徴。
関連:Plasmaとは?ステーブルコイン決済インフラの特徴・将来性を解説
XPLトークンの価格情報
2025年9月の正式稼働から1か月でTVL(預かり総額)は50億ドルを超え、Aave(アーヴェ)やEthena(エセナ)など100以上のDeFiプロトコルと連携し、ステーブルコインを中心にエコシステム全体が拡大中です。
XPL/USDT チャート 出典:TradingView- 通貨名:XPL
- 現在価格:約0.47ドル(約71円)
- 時価総額:約8.5億ドル(市場順位79位)
- 過去最高額:約1.67ドル(2025年9月)
- 流通供給量:18億枚
- 総供給量:100億枚 *2025年10月16日時点 データ元:コインマーケットキャップ
Plasmaチェーンのインセンティブプログラム
Plasmaでは9月25日から、主要DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)プロトコルを利用することで、「XPL」トークンを獲得できるインセンティブプログラムが実施されています。初期段階からネットワークへの参加を促し、TVL(総預け入れ資産)の拡大を目的としています。
プログラムの概要
- 期間:公開後の約6か月間(正式な終了日は未定)
- 対象プロトコル:Aave、Uniswap、Balancer、Curve、Euler、Fluid、Gearbox、Maple、Term、Vedaなど
- 参加方法:貸付・借入・流動性提供・トークン保有など、40を超える方法で参加可能
- 管理ツール:Merkl(マーケル)
- 報酬内容:XPLトークン

出典:Plasma
このインセンティブプログラムは、各プロトコルで得られる基本利息に上乗せする形で分配され、預け入れた資金量やプール内シェアに応じて比例配分されます。
たとえば、現時点(10月15日)ではAaveの基本利息が2.79%、さらにWXPLによるインセンティブ報酬が2.87%付与され、合計で年率約5.66%のリターン期待値です。

出典:AaveのPlasmaマーケット/USDT0の報酬
Plasmaチェーンのエコシステム参加手順
ここからは、実際にPlasmaチェーンへの資金の送り方から、Aaveでの運用方法、報酬のクレームまでの手順を紹介します。
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ステップ1:ETHメインネットからPlasmaへブリッジする
Aaveでの運用には、Plasmaチェーン上で扱われるUSDT0というトークンを使用します。
USDT0は、USDT(米ドルステーブルコイン)と1:1で連動し、Plasmaチェーン上のAaveなどのDeFiプロトコルで利用できるステーブルコインです。
このUSDT0を用意するために、まずETHメインネット上のETHをPlasmaチェーンへブリッジして資金を移します。
公式ではStargate Finance(スターゲイトファイナンス)を利用する方法が案内されています。
手順
1.Stargate公式サイトにアクセスし、ウォレットを接続します。

出典:Stargate
2.画面上部の送信元(From)に「ETH(イーサリアムメインネット)」を選択し数量を入力。
3.送信先(To)に「USDT0」を選択します。
①チェーンには「Plasma」を選択
②「USDT0」を選択します。

出典:Stargate
4.「Advanced Transfer」を選択し、Gas on destination を「Medium」に設定します(A)。

出典:Stargate
AaveでUSDT0を預ける際は、取引がPlasmaネットワーク上で実行されるため、ガス代として少額のXPLが必要になります。「Gas on destination」をMediumに設定しておくと、受け取り後すぐに操作できるだけのガス代が自動的に付与されるため安心です。
5.Fee tolerance(スリッページ許容度) は0.5%が初期設定ですが、 Price Impact(プライスインパクト)が1%前後ある場合は1.0%に上げると安定します(上記画像B)。 設定が厳しすぎると取引が失敗(revert)することがあるため注意しましょう。
6.設定を確認したら「Transfer」をクリックし、ウォレットでトランザクションを承認します。
数十秒ほどで処理が完了し、Plasmaチェーン上にUSDT0が届きます。
ステップ2:AaveでUSDT0を預ける(Supply)
Plasma上にブリッジしたUSDT0を、Aaveに預け入れます。 AaveはPlasmaの主要なDeFiプロトコルのひとつで、資金を預けることで通常の利息に加えてXPL報酬を受け取ることができます。
手順
1.ウォレットをPlasmaネットワークに切り替えます。
2.Aave(Plasma Market) にアクセスします。
3.トークン一覧から「USDT0」の「Details」をクリック。

出典:AAVE
4.数量を入力し「Supply(供給)」をクリック。

出典:AAVE
5.「Approve USDT0 to continue」をクリックし、ウォレットでも承認します。

出典:AAVE
6.取引が完了すると、Aaveのダッシュボードに預入額が反映されます。
この時点で、通常の利息に加え、PlasmaのインセンティブプログラムによるXPL報酬の対象となります。
ステップ3:インセンティブ報酬のクレーム(Claim)
AaveでのUSDT0運用によって得られるインセンティブ報酬(XPL / WXPL)は、公式サイトのダッシュボードから簡単にクレーム(受け取り)可能です。

出典:Plasma
※Plasma上の取引となるため、クレーム時には少額のXPLガスが必要です。
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リスクについて
PlasmaチェーンでのDeFi運用やインセンティブプログラムには、以下のようなリスクが伴います。投資や運用を行う際は、それぞれの仕組みを理解したうえで慎重に判断しましょう。
1.インセンティブの不確実性
Plasmaの報酬プログラムは、期間や報酬配分量が公式に固定されているわけではありません。キャンペーン期間中に内容が変更・縮小される可能性や、新たな条件が追加される可能性もあります。また、インセンティブ量(XPL配分)はプールの利用状況やTVLによって日々変動し、XPL自体の価格変動もあることを理解しておきましょう。
2.スマートコントラクトリスク
AaveやStargateなど、DeFiプロトコルはすべてスマートコントラクト(自動実行コード)上で運用されています。コードの脆弱性や外部攻撃、バグによって資産が失われるリスクがあります。
対策: 公式の監査報告を確認し、信頼できるプロトコルを選び、少額から分散して利用すること。
3.税務リスク
インセンティブ報酬(XPL / WXPL)や運用による利息は、課税対象となります。日本では、暗号資産の報酬や利息は雑所得として扱われ、金額によっては確定申告と納税義務が発生します。
対策: 受け取りや売却の履歴を正確に残し、税務申告に備えることが重要です。
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Plasma上のインセンティブプログラムでは、報酬の変動・コードリスク・税務面を踏まえ、自己責任での管理・申告が求められます。
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