ストラテジーに初の格付け「B-」を付与
S&Pグローバル・レーティングスは27日、ストラテジーに対し、発行体格付け「B-」を付与したと発表した。同社は仮想通貨トレジャリー企業として初めて格付けを取得した企業となった。
ストラテジーは株式と債務証券の発行による資金調達で得た収益をビットコイン(BTC)購入に充て、バランスシート上に蓄積する戦略を採用している。同社の証券は投資家に対し、資本構造全体でビットコインへのさまざまな程度のエクスポージャーを提供する。また、AI駆動型エンタープライズ分析を提供する比較的小規模なソフトウェア事業も展開している。
S&Pは格付けにおいて、ストラテジーのビットコイン集中度の高さ、事業範囲の狭さ、リスク調整後資本の脆弱性、米ドル流動性の低さを弱点として挙げた。これらは同社の強力な資本市場アクセスと、今後12カ月間の満期債務がないことや主に株式で資金調達を行う慎重な資本構造管理によって部分的に相殺されているとした。
S&Pは2025年6月30日時点でストラテジーのリスク調整後資本比率が大幅にマイナスであり、ビットコイン資産を株主資本から控除するため、調整後総資本がマイナスになっていると指摘した。
また、S&Pによると、同社は通貨ミスマッチも抱えているようだ。債務満期、利息、優先株配当は全て米ドル建てだが、ストラテジーが保有するのは主にビットコインだ。2025年前半の営業キャッシュフローはマイナス3,700万ドルで、主な収益源はビットコイン保有資産の評価益となっている。同社は現在、約80億ドルの転換社債を発行しており、このうち50億ドルは2028年以降に満期を迎える。S&Pは、ビットコイン市場の深刻なストレス時に転換社債の満期と重なり、ビットコインを低価格で清算するか、債務再編が必要になるリスクがあると指摘した。
一方、S&Pは今後の見通しを安定的とし、ストラテジーが転換社債の満期を引き続き慎重に管理し、強力な資本市場アクセスを維持しながら、債務、優先株、株式の発行を通じて転換社債の返済と優先株配当を賄い続けると予想した。なお9月には、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが同社のS&P500指数への組み入れを見送っており、JPモルガンのストラテジストは仮想通貨トレジャリー投資というビジネスモデルの持続可能性について疑問を提起した。
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