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レイヤーゼロ(ZRO)とは?スターゲートの使い方・バイバックの仕組みを解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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レイヤーゼロ(LayerZero)は、ブロックチェーン同士をシームレスにつなぐクロスチェーン通信プロトコルです。

2025年8月、LayerZero Foundation(レイヤーゼロ財団)は約1億1,000万ドル(約165億円)を投じて、複数チェーン間でUSDCなどの資産をスムーズに移動できるブリッジ「スターゲート(Stargate)」を買収しました。

また、ZROトークンの継続的な「買い戻し(バイバック)」も注目を集めており、Stargateの収益を原資としてZROを買い戻し、流通量を抑える仕組みが導入されています。

本記事では、レイヤーゼロとスターゲートの関係、ZROバイバックの仕組み、スターゲートの使い方、利用時のリスクまでわかりやすく解説します。

💡この記事でわかること
  1. レイヤーゼロとスターゲートとは?
  2. ZROバイバックの仕組みと背景
  3. スターゲートの具体的な使い方
  4. トークン保有とブリッジ利用のリスク

レイヤーゼロとスターゲートとは?

レイヤーゼロ(LayerZero)は、複数のブロックチェーン同士を安全につなぐオムニチェーン通信プロトコルです。現在は50以上のチェーンを接続し、送金・NFT移動・メッセージ送信など、1億件を超えるクロスチェーン処理を支えています。

ユーザーがチェーンの違いを意識せずにDeFiを使えるようにする、基盤インフラの役割を担っています。

一方、スターゲート(Stargate)はレイヤーゼロの仕組みを使って、USDC・USDT・ETHなどの資産をチェーン間で移動させるブリッジです。複雑な操作を簡略化し、分散型取引所(DEX)やウォレットからスムーズに資産を移動できるチェーン間の資産移動を助ける仕組みとして利用が広がっています。

2025年8月、レイヤーゼロ財団はこのスターゲートを約1億1,000万ドル(約165億円)で買収しました。買収後は、スターゲートのガバナンストークンであるSTG(スターゲートトークン)がZROへ変換され、スターゲートの収益の50%がZROの買い戻しに使われる仕組みも導入されました。これにより、スターゲートの利用が増えるほどZROにもプラスの循環が生まれる構造が強化されています。

ZROトークンの特徴とバイバックの仕組み

ZROは、レイヤーゼロエコシステムの中核を担うガバナンス兼ユーティリティトークンです。 単なる「投票券」ではなく、ネットワークのセキュリティ維持や新機能の追加など、プロトコル全体を動かす役割を持っています。

ZROの価格情報・チャート

項目 詳細
通貨コード ZRO
公開日 2024年6月
流通供給量 約2.4億枚
最大供給量 10億枚
価格 1.2ドル(約192円)
時価総額・順位 約3億ドル(131位)
過去最高値 2024年12月:約7.14ドル(約1071円)
*データ出典元:コインマーケットキャップ(2025年12月1日時点)、チャート:TradingView
ZRO価格チャート

ZROは現時点で国内取引所には上場していませんが、Uniswapなどの分散型取引所(DEX)で購入可能です。まずメタマスクを用意し、国内取引所でイーサリアム(ETH)を購入してメタマスクに送金。その後、Uniswapに接続してETHをZROにスワップします。

イーサリアムを取得したい方に

バイバックの実績

2025年に入り、レイヤーゼロへは、合計1億5,000万ドル(約230億円)超がZROの買い戻しや追加投資に充てられており、注目を集めています。

バイバック(Buyback)とは、プロジェクトが市場から自社トークンを買い戻す仕組みで、株式の「自社株買い」に近い概念です。流通量を減らすことで価格の下支えや希少性向上につながります。詳しくは「バイバックとは?」で解説しています。

主な実績:

  • 2025年4月:大手VCのa16zがZROに5,500万ドル(約80億円)を追加投資。3年間のロックアップ付き。
  • 2025年9月22日:早期投資家から5,000万ZRO(総供給の5%)を約9,500万ドル規模で買い戻し。発表後、ZRO価格は約22%上昇。
  • 2025年11月7日:オープン市場で1,000万ドル規模の追加バイバックを実施。その日のうちに約11%上昇。

スターゲート収益によるバイバックモデル

レイヤーゼロによる買い戻しに加え、スターゲートの収益を原資とした継続的なバイバックとバーンの仕組みも導入されています。

買収後の新ルールでは、スターゲートが生み出すプロトコル収益の50%が自動的にZROの買い戻しと一部バーンに充てられる設計となっています。スターゲートでの取引高が増え手数料が増えるほど、買い戻し量も増加し、流通量が継続的に縮小する好循環モデルが形成されています。

スターゲートでUSDCを送る方法

スターゲートは、レイヤーゼロの技術を活用したクロスチェーンブリッジです。ここでは、USDCをイーサリアムからポリゴン(Polygon)へ送る方法を2種類解説します。

なお、USDCは国内取引所を通して購入することが可能です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

関連:ステーブルコイン「USDC」の買い方と特徴|SBI VCトレードでの購入方法を解説

通常のUSDCブリッジ(ETH → Polygon)
POLを既に持っている人向け。到着するのはUSDCのみ。

ガス代つきブリッジ(ETH → Polygon)
ポリゴンが初めての人向け。USDCと一緒にPOL(ガス代)も届く。

ブリッジの際にはガス代(ブロックチェーン上の操作に必要な手数料)がかかります。送金先のチェーンにガス代がないと資産を動かせないため、ガス代を持っていない場合は②のガス代つきブリッジが便利です。ガス代についての詳しい説明は「メタマスクのガス代」をご覧ください。

1. USDCをブリッジする(Ethereum → Polygon)

まず最も基本的な方法です。

イーサリアム上のUSDCをポリゴンへ移す場合、操作はとても簡単で、必要なのはETHのガス代だけです。

① スターゲートの公式サイトへアクセスし、ウォレット接続

公式サイトにアクセスし、右上の「Connect Wallet」からMetaMaskを接続します。

出典:スターゲート

② 画面上部の「From / To」で送信元をイーサリアム、受信先をポリゴンに設定し、USDCを選んで移したい数量を入力します。

出典:スターゲート

③ 「Transfer」をクリックし、MetaMaskで承認(「確認」をクリック)

出典:スターゲート

ガス代(ETH)が必要なので、少し余裕を持ってETHをウォレットに用意しておきます。

④ 数分でポリゴンネットワークにUSDCが届く

これで基本のブリッジは完了です。

【スリッページの設定】

スリッページとは、取引を実行した時に「予想していた受取額」と「実際に成立した受取額」がずれてしまう現象のことです。ボラティリティが高い時や流動性が少ないプールでは、このズレが起きやすくなります。

スターゲートでは、「Advanced Transfer」でこの価格変動をどこまで許容するかを%で指定でき、低くすると取引は失敗しやすく、高くすると受取額が減るリスクが高まります。

デフォルトでは0.5%に設定されていますが、必要であれば③「Transfer」をクリックする前に確認、設定します。

出典:スターゲート

2. ガス代つきブリッジを使う(Ethereum → Polygon)

通常ブリッジでは、ポリゴン側にUSDCだけ届きます。

しかし、ポリゴンで取引を続けるにはPOL(ガス代)が必要。 USDCを受け取ってもガス代がなくて動けない状態が起きやすい。

そこで便利なのが、スターゲートの「ガス代つきブリッジ」機能です。

ブリッジ完了後に、ポリゴンで使える少額のPOL(ガス代)を一緒に届けてくれるという初心者にも非常に助かる仕組みです。

設定方法(通常ブリッジとほぼ同じ)

① USDCと数量を入力

基本設定は通常と同じです。

② 「Advanced Transfer」を開き、Gas on destination を ON

「Advanced Transfer」をクリック

出典:スターゲート

Gas on Destination → Medium(推奨) に設定

出典:スターゲート

この設定にすると、ブリッジ後すぐに操作できるだけのPOLが自動的に送られてきます。 取引所でPOLを買って送る手間がなくなり、とても便利です。

③必要であれば、同じ画面でスリッページを設定します。

④ 「Transfer」をクリック → MetaMaskで承認

イーサリアム側のガス代(ETH)は必要です。

⑤ ポリゴンにUSDC+ガス代用POLが同時に到着

これでポリゴン側での操作(スワップ、L2移動、ステーキングなど)がすぐに始められます。

なお、POLは国内取引所でも購入可能です。事前にまとまった量を用意しておきたい場合は、取引所で調達してウォレットに送金する方法もあります。

ポリゴン(POL)のガス代調達に

関連:ポリゴン(POL)の買い方・使い方|ガス代の用意におすすめ取引所

投資・利用前に知っておきたいリスク

ZROやスターゲートは非常に注目されていますが、暗号資産の特性上、リスクを理解したうえで利用することが重要です。初心者でも押さえておくべきポイントに絞って説明します。

ZROトークン保有のリスク

  • 価格変動の大きさ: 暗号資産は値動きが激しく、ニュースや市場状況で大きく上下します。
  • アンロックによる売り圧力: 2025年11月のような大規模アンロックイベントは、下落要因になり得ます。
  • 技術面の不確実性: スマートコントラクトのバグや仕様変更のリスクはゼロではありません。
  • エコシステム依存: レイヤーゼロやスターゲートの利用量、競合プロジェクトの動きがZROの価値に直結します。

スターゲート利用時の注意点

  • ブリッジ特有の技術リスク:クロスチェーン攻撃は過去にも多く、100%安全とは言えません。
  • 受信チェーンのガス代不足:PolygonならPOL、ArbitrumならETHなどが必要。USDCだけ届いても操作ができない場合があります。ガス代を必ず用意しておきましょう。
  • 遅延やコスト増の可能性:ネットワーク混雑で着金が遅れたり、ガス代が一時的に高騰することがあります。
  • 送金ミスは基本的に戻らない:チェーン選択やアドレスの確認は必須です。

レイヤーゼロは、ブロックチェーンをつなぐ基盤として存在感を強めており、スターゲートの買収によって「収益がZROのバイバックに使われる」循環モデルを構築しています。

ただし、暗号資産には価格変動やブリッジ特有のリスクがあり、バイバックが価格上昇を保証するものではありません。

またブリッジの際、初心者は「少額で試す」「ガス代を確認」「送信前に二重チェック」の3点を意識することで、安全性が高まります。上記のリスクを踏まえた上で、興味がある方はまず少額から試してみてください。

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