メタマスクで暗号資産(仮想通貨)を送ったり、決済やアプリと連携したりするとき、最初に多くの人が戸惑うのが「ガス代」です。
ウォレット上の操作には、利用するネットワークのトークン(=仮想通貨)を少量保有し、そのトークンで手数料を支払う必要があります。
たとえばJPYC(Polygon版)を使う場合は、Polygonネットワークのガス代としてPOLが必要です。JPYCを持っていても、POLがなければ送金やスワップができません。 同様に、JPYC(Avalanche版)を使う場合は、Avalancheネットワークのガス代としてAVAXが必要です。
この記事では、ガス代がなぜ必要なのか、どの通貨で支払うのか、そしてどこを確認すればよいのか――この3つを、初心者でも迷わず理解できるよう、つまずきやすいポイントと最短の解決策だけに絞って解説します。
Part A:最低限知っておくべき基礎知識
急ぐ方・初心者の方はこちらだけでOKです。
1. ガス代とは「ブロックチェーンの手数料」
ガス代とは、ブロックチェーン上で取引や操作を行うときに支払う手数料のことです。銀行振込の手数料と同じように、暗号資産の送金や取引には手数料がかかります。
この手数料は、ネットワークを維持するバリデーター(取引を承認する人たち)への報酬として支払われたり、バーン(焼却)されたりします。
なぜガス代が必要なのか?
1. ネットワークを維持する人への報酬
ブロックチェーンは、世界中のコンピュータ(ノード)が協力して取引を確認し、正しいデータだけを記録する分散型システムです。この作業を行うバリデーターは、高性能なコンピューター、電気代、ネット回線など、多くのコストをかけています。ガス代の一部は、こうした人たちへの報酬として支払われます。
2. スパム攻撃を防ぐ
ガス代を設定することで、意味のない取引やスパムのような操作を防ぐこともできます。手数料がまったくなければ、悪意のある人が無限に取引を送りつけ、ネットワークを止めてしまうことも起こりかねません。
2. ネットワークによって使うトークンが異なる
ブロックチェーンのネットワークは、それぞれ独立したシステムです。これは国が違うようなもので、日本では円、アメリカではドルが使われるように、ネットワークごとに使われるガス代トークンも異なります。
重要:イーサリアムならETH、ポリゴンならPOL、ソラナならSOLが必要です。ポリゴンで取引するにはPOLが必要で、ETHでは払えません。
ネットワークが異なると何が変わる?
1. ガス代に使うトークンが違う
各ネットワークには、それぞれ固有のガス代トークンがあります。例えば、イーサリアムならETH、ポリゴンならPOL、ソラナならSOLといった具合です。
2. ガス代の金額も違う
ネットワークによってガス代の金額も大きく異なります。イーサリアムは数百円から混雑状況によっては数千円かかる場合もありますが、ポリゴンやソラナは数円から数十円程度です。
また、アービトラム(Arbitrum)やベース(Base)のようなイーサリアムレイヤー2は、ガス代にETHを使用しながらも、イーサリアムメインネットより大幅に安い手数料(数円〜数十円程度)で取引できます。
3. ガス代は常に変動する
ガス代は固定ではなく、ネットワークの混雑状況によって変動します。混雑時は高く、空いている時は安くなり、時間帯によって数倍〜数十倍変わることも。

出典:Dune
上のチャートは、イーサリアムのガス代の推移を示したものです。取引が活発になると需要が上がり、ガス代が数倍〜数十倍に跳ね上がることがあります。
高騰時の注意
実際にあった失敗例:ガス代高騰時にネットワークの手数料を確認せず支払いを承認してしまい、意図せず高額な手数料を払ってしまった事例があります。
取引前には必ずガス代を確認しましょう。特に、人気トークンのエアドロップや市場の急変動時は要注意です。
主要ネットワーク比較表
重要:ガス代トークンの事前確認
必ずネットワークのガス代にどのトークンが利用されるのかを確認してから資産を送りましょう。
| ネットワーク | ガス代トークン | 特徴 |
|---|---|---|
|
|
ETH |
レイヤー1 / 最大規模のエコシステム DeFi、NFT、DAOなど主要プロジェクトが集中。セキュリティと分散性が最も高い。ガス代は2025年時点、平均1〜2ドル程度まで低下。しかし、NFTドロップやDeFiの急激な活動時など、極端な混雑時には50〜100ドル程度まで上昇することも。 |
|
|
POL(旧MATIC) |
Polygon PoS(サイドチェーン)/ 高速・低コスト イーサリアムとの互換性を保ちながら高速処理が可能。ゲーム、NFT取引に最適。ガス代は0.01〜0.05ドル程度 |
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BNB |
EVM互換のレイヤー1 / Binance主導の高スループットチェーン。 高速処理と低コストを両立。DeFi、GameFiプロジェクトが多数。ガス代は0.1〜0.3ドル程度 |
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|
AVAX |
レイヤー1 / サブネット機能 独自のブロックチェーン(サブネット)を構築可能。企業など、サブネットによる用途特化チェーンが強み。ガス代は0.1ドル前後 |
|
|
SOL |
レイヤー1 / 超高速処理 決済、NFT、DEX、ミームコイン取引が活発。ガス代は0.001〜0.01ドル程度。 |
※本記事の内容は2025年11月初旬時点の目安。各ブロックチェーンエクスプローラーから編集部が参照。ネットワークの混雑状況や取引内容によって実際の数値は変動します。
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Part B:ガス代の攻略法と注意点
より賢く使いこなしたい方向けの情報です。
1. リアルタイムのガス代を確認する
特にイーサリアムは他のネットワークに比べてガス代が高いため、取引前には現在のガス代を確認しておくのがおすすめです。
Etherscan Gas Trackerでは、リアルタイムのガス代を「Gwei(ギガウェイ)」という単位で確認できます。
ガスの単位について
GASはイーサリアムネットワークでの取引処理やスマートコントラクトの実行に必要な計算処理の単位。Gweiはイーサリアムの通貨単位。1Ether = 1,000,000,000 Gweiで、主にガス価格(トランザクションの単位ガスあたりの料金)を表す際に使用する。
- Low(低速):最も安い手数料
- Average(標準):標準的なスピードで承認
- High(高速):優先度を高め、より早く承認される
優先度を上げると、早く承認される代わりに、Priority Fee(優先手数料)が加算されコストが高くなります。

出典:EtherScan
こんな時は取引を避けたい
ガス代は、ネットワークが混雑すると大きく上昇します(特にイーサリアム)。通常は落ち着いていても、以下のようなタイミングでは手数料が跳ね上がることがあります。
- 人気トークンの発売直後
- 大規模なエアドロップやイベント開始直後
- 市場が急変動して売買が集中している時
こうした時間帯では、見かけより高い手数料になりやすく、意図せず割高なコストで取引してしまうことがあります。
急ぎでない取引は、ネットワークが落ち着いた時間帯まで待つのが賢明です。
2. メタマスクでガス代を調整できる
メタマスクでは「低速・中速・高速」を選べます。急ぎでなければ「低速」を選ぶことでガス代を節約できます。
スワップやブリッジの際、Network Fee(ネットワーク手数料)の編集アイコンから処理速度を選択できます。手数料を低く設定すればコストを抑えられ、高く設定すれば優先的に処理されます。

出典:MetaMask
詳しい操作手順については、メタマスクの使い方を確認してください。
3. 【重要】取引が失敗してもガス代はかかる
メタマスクで送金やスワップが失敗した場合でも、ガス代は返金されません。これは、取引が成功しなかった場合でも、ネットワークがトランザクションの検証・実行を試みた時点で手数料(計算コスト)が発生しているためです。
また、ガス代は「ガス単価 × 使用されたガス量」で決まります。トークン送金、スワップ、NFT購入など処理が複雑になるほど消費されるガス量が増え、結果として手数料も高くなります。
節約のコツ
- 用途に応じてネットワークを使い分ける(Polygonやソラナなど低コストなチェーンを活用)
- ネットワークが混雑していない時間帯を狙う
- 取引前にガス代の概算を必ず確認する
- 急ぎでない取引は「低速」設定でコストを抑える
よくある質問(FAQ)
Q1. ガス代とは何ですか?
ガス代とは、ブロックチェーン上で取引や操作を行うときに支払う手数料のことです。銀行振込の手数料と同様に、暗号資産の送金や取引には手数料がかかります。この手数料は、ネットワークを維持するバリデーター(取引を承認する人たち)への報酬として支払われたり、バーン(焼却)されたりします。
Q2. なぜネットワークごとに異なるトークンが必要なのですか?
ブロックチェーンのネットワークは、それぞれ独立したシステムです。これは国が違うようなもので、日本では円、アメリカではドルが使われるように、ネットワークごとに使われるガス代トークンも異なります。例えば、イーサリアムならETH、ポリゴンならPOL、ソラナならSOLが必要です。ポリゴンで取引するにはPOLが必要で、ETHでは払えません。
Q3. ガス代はどのくらいかかりますか?
ガス代はネットワークによって大きく異なります。2025年11月時点の目安として、イーサリアムは平均1〜2ドル程度(混雑時は50〜100ドルまで上昇することも)、ポリゴンは0.01〜0.05ドル程度、ソラナは0.001〜0.01ドル程度です。また、ネットワークの混雑状況によって変動し、時間帯によって数倍〜数十倍変わることもあります。
Q4. 取引が失敗した場合、ガス代は返金されますか?
いいえ、取引が失敗してもガス代は返金されません。これは、取引が成功しなかった場合でも、ネットワークがトランザクションの検証・実行を試みた時点で手数料(計算コスト)が発生しているためです。取引前には必ずガス代の概算を確認し、ネットワーク設定が正しいことを確認してから実行しましょう。
Q5. ガス代を節約する方法はありますか?
ガス代を節約する方法はいくつかあります。
- 用途に応じてポリゴンやソラナなど低コストなネットワークを活用する。
- ネットワークが混雑していない時間帯を狙う。
- メタマスクで「低速」設定を選択する。
- 取引前にガス代の概算を必ず確認する。
- 人気トークンの発売直後やエアドロップ開始直後など、混雑が予想される時間帯を避ける。
Q6. メタマスクでガス代の処理速度を選べますか?
はい、メタマスクでは「低速・中速・高速」を選ぶことができます。急ぎでなければ「低速」を選ぶことでガス代を節約できます。スワップやブリッジの際、Network Fee(ネットワーク手数料)の編集アイコンから処理速度を選択できます。手数料を低く設定すればコストを抑えられ、高く設定すれば優先的に処理されます。
Q7. リアルタイムのガス代を確認する方法は?
Etherscan Gas Trackerなどのツールを使用すると、リアルタイムのガス代を「Gwei(ギガウェイ)」という単位で確認できます。Low(低速)、Average(標準)、High(高速)の3つの速度オプションがあり、それぞれ手数料が異なります。特にイーサリアムは他のネットワークに比べてガス代が高いため、取引前には現在のガス代を確認しておくのがおすすめです。
Q8. JPYCを送金するのにどのガス代トークンが必要ですか?
JPYCはポリゴンチェーンやイーサリアムチェーンなど複数のネットワークに対応しています。ポリゴンチェーン上のJPYCを送金する場合は、ガス代としてPOL(旧MATIC)が必要です。イーサリアムチェーン上のJPYCであればETHが必要になります。送金前に、必ず利用しているネットワークと必要なガス代トークンを確認しましょう。
Q9. ガス代が高騰するのはどんな時ですか?
ガス代は以下のようなタイミングで大きく上昇します。
- 人気トークンの発売直後
- 大規模なエアドロップやイベント開始直後
- 市場が急変動して売買が集中している時
通常は落ち着いていても、こうした時間帯では手数料が跳ね上がることがあります。急ぎでない取引は、ネットワークが落ち着いた時間帯まで待つのが賢明です。
Q10. なぜガス代が必要なのですか?
ガス代が必要な主な理由は以下の通りです。
- ネットワーク維持への報酬:ブロックチェーンは世界中のコンピュータ(ノード)が協力して取引を確認し、正しいデータを記録する分散型システムです。この作業を行うバリデーターへの報酬として支払われます。
- スパム攻撃の防止:手数料がなければ、悪意のある人が無限に取引を送りつけ、ネットワークを止めてしまうことも起こりかねません。
まとめ
メタマスクの基本がわかれば、JPYCの送金だけでなく、DeFiやWeb3アプリなど、できることが一気に広がります。まずはガス代の仕組みを押さえて、少しずつ使いこなしていきましょう。関連記事でも操作手順や活用例をわかりやすくまとめているので、あわせてご確認ください。
〈すぐにガス代トークンを用意したい方へ。
bitbankなら、主要通貨(ETH・POL・BNB・AVAX・SOL)を簡単に、最短即日で購入できます。〉
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