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ETHリステーキング「KelpDAO」攻撃で440億円以上が不正流出か 被害の原因は? AaveもrsETH市場を停止

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • AaveはrsETH市場を即時凍結し、被害拡大を防ぐ
  • LayerZeroの設定不備が脆弱性の根本原因と指摘

クロスチェーンブリッジに攻撃

イーサリアム(ETH)のリキッド・リステーキング(Liquid Restaking)プロトコルKelp DAOは19日、そのリキッド・トークンrsETHに関する不審なクロスチェーン活動を確認したと発表した。

調査のために、メインネットや複数のレイヤー2におけるrsETHコントラクトを一時停止していると続けている。またrsETHを担保として受け入れるレンディングプロトコルのAave(アーベ)も、同プラットフォームV3・V4上のrsETH市場を凍結した。

リキッド・リステーキングとは

ステーキングされた資産を再利用(リステーキング)し、さらに別のサービスで運用して追加報酬を得る仕組みのこと。

オンチェーンデータによると、土曜日、攻撃者がKelp DAOのLayerZeroを土台としたクロスチェーンブリッジから116,500 rsETHを不正に引き出した模様だ。

ブロックチェーン分析で知られるZachXBT氏は、「イーサリアムとアービトラム(ARB)上で2億8,000万ドル(約446億円)以上を盗まれたようだ」と述べた。攻撃に使われたアドレスは仮想通貨ミキサーのトルネードキャッシュ経由で出所不明にして資金を調達していたとも指摘している。

CoinGeckoによると、rsETHの流通量は約63万トークンである。このため、盗まれた116,500 rsETHはその約18%に相当することになる。現在、ベース、アービトラム、ブラスト、マントルなど20以上のネットワークがrsETHを取り扱っているところだ。

犯人は、1回目の攻撃を成功させた後に、2回目、3回目の攻撃も試みた。この際には、すでにコントラクトが停止されていたために失敗しているが、仮に成功していた場合は、約1億ドル相当に上る追加損失が生まれていたと推定される。

rsETHを担保として受け入れていたアーベはV3とV4のrsETH市場を凍結し、今回の攻撃でアーベのスマートコントラクトは対象になっていないと確認した。また、次のように説明している。

今回の攻撃後にアーベ上で発生したrsETHの借入に関してデータを精査している。詳細が分かり次第、速やかに知らせる。もし、この事件でプロトコルに不良債権が発生していた場合、赤字を相殺する方法を検討する。

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単一攻撃点が根本原因か

犯人は、KelpDAOが使用していたクロスチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」のコントラクトに対して不正なパケットを送信していた。

その結果、KelpDAOのrsETHに関するOFTアダプターがこのメッセージを信頼し、メインネットのエスクローから犯人のアドレスへrsETHを放出した格好だ。

このアダプターは通常、L2などの他チェーンからrsETHが戻ってきたという「クロスチェーンメッセージ」を受け取った際に、メインネットで保管していたトークンを解放する役割を担っている。犯人はそうしたメッセージを偽装した模様だ。

犯人はその後、不正に入手したrsETHをアーベなどのレンディング市場で担保として使用し、約2億ドル〜2億3,600万ドルのWETHやwstETHを借り入れることで不正に資金を得たとみられる。

また、根本的に攻撃に対する脆弱性を生み出していた原因としては、OFTアダプターのセキュリティ設定が、単一の検証者のみを信頼する構成になっていたことが指摘されている。

本来であれば複数の独立した検証ネットワーク(DVN)による署名を求めるべきところ、KelpDAOの設定では1つの署名さえあればクロスチェーンメッセージが正当なものとして処理されてしまう状態だった。

このため、犯人は1つの署名をなんらかの方法で突破したものとみられる。現在も調査は継続中だ。

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