- ロングリッジ・エナジーを15億ドルで買収、電力容量2.2GWに拡大
- 年間調整後EBITDAが約1億4,400万ドル増加の見込み
総合デジタルインフラの重要基盤に
米暗号資産(仮想通貨)マイニング大手のMARA Holdings(以下、マラソン)は4月30日、米オハイオ州のガス発電所ロングリッジ・エナジーを15億ドル(約2,400億円)で買収すると発表した。
FTAIインフラストラクチャーから買収する最終契約を締結。買収対象には、高効率な複合サイクルガス火力発電所、データセンターなどデジタルインフラを設置できる1,600エーカーを超える隣接地が含まれている。
買収価格には、少なくとも7億8,500万ドル(約1,200億円)の既存債務の引き受けが含まれており、残りの金額は現金で支払われ、バークレイズからのブリッジローンで裏付けられる。
マラソンのフレッド・ティール会長兼CEOは、次のように意義を語った。
電力はAI(人工知能)事業における希少な資源だ。ロングリッジ・エナジーの買収により、大規模な電力、土地、水へのアクセス、燃料供給、送電網接続といった要素を単一の場所に集約した、効率的なエネルギープラットフォームを管理できるようになる。
今回の敷地は、フラッグシップとなるAI施設を構築するための拡張にも対応可能だ。マラソンのデジタルインフラ開発における重要な基盤となることが期待されている。
買収した敷地では、契約完了後すぐに電力、土地、水、光ファイバーへのアクセスが可能だ。このため、施設をゼロから開発する場合に比べてリスクが低くなる。
マラソンは、この新たな拠点が長期HPC(高性能コンピューティング)リース、ビットコイン(BTC)マイニングを含む柔軟なコンピューティング運用、卸売電力供給など、複数の収益化経路を支える上で有利だとしている。
今回の買収により、マラソンは電力の運用・開発能力を約2.2ギガワットに拡大する。また、ロングリッジ・エナジーの敷地内に併設されているマラソンのハンニバル・データセンターには、すでに複数のAI企業やIT企業から入居の問い合わせが寄せられているとも明かした。
同社によると、今回の買収により年間調整後EBITDAが約1億4,400万ドル(約230億円)増加すると見積もられている。
年間調整後EBITDAとは
EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)から、M&A関連費用、一時的な損益、または将来発生しない特殊なコストを調整(足し戻し)した、事業の真の収益力を示す指標。
AI事業の本格稼働で準備進める
マラソンは、競合のライオット・プラットフォームズやハット8に続き、AI・HPCインフラ提供へと多角化する「デジタルインフラ企業」へと進化を始めているところだ。
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仮想通貨マイニング大手マラソンがMPLXと天然ガス供給で合意書を締結した。テキサス州に新たなデータセンターを建設しビットコインからAI事業への多角化が加速する見込みだ。
以前は採掘したビットコインを「HODLアプローチ=フル保有」する戦略を取っていたが、これを変更。3月には15,133BTCを11億ドル(約1,700億円)で売却し、その収益で2030年および2031年満期の0.00%転換社債(シニア債)の元本総額10億ドルを買い戻していた。
マラソンは、AIおよびクリティカルITに特化したデータセンターの構築を2027年上半期に開始し、このセンターで2028年半ばにサービス提供を開始することを目指している。送電網の拡張と敷地内発電を組み合わせることで、既存の200メガワットの容量を将来的には最大600メガワットまで拡張する計画も進めていく。
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