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中央銀行ら参加の「プロジェクト・アゴラ」、トークン化資金による国際決済の強化を実証

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 7中央銀行・40以上の民間金融機関が参加、次フェーズは実資金を使った実証テストへ移行
  • カナダ銀行が新たに参加、民間セクターの役割拡大も見込まれる

今後は実環境に近いテストへ

国際決済銀行(BIS)は27日、同行が主導する「プロジェクト・アゴラ」のプロトタイプ環境において、トークン化がホールセール型のクロスボーダー決済を改善できる可能性が示されたと発表した。

トークン化された中央銀行準備金と商業銀行預金を用いて、ホールセール型(銀行など金融機関同士の取引)のクロスボーダー取引でアトミック決済を完了できる可能性を示した格好だ。

アトミック決済とは

「資金の支払い」と「資産の受け取り」を同時かつ不可分に行う決済のこと。これらのうち片方だけ失敗するリスクを削減する。

複数の通貨・管轄をまたいで安全かつ確定的に実現可能であることが示されたとしている。今後は、特定の通貨・参加者を対象として実資金を使った取引を行うなど、実証テストへ移行する予定だ。

「プロジェクト・アゴラ」は、トークン化によってクロスボーダー決済を強化する国際プロジェクト。イングランド銀行、ニューヨーク連邦準備銀行、フランス銀行、日本銀行、韓国銀行、メキシコ銀行、スイス国立銀行などの中央銀行や、その他40以上の民間金融機関が参加している。

関連記事:国際決済銀行、クロスボーダー決済強化へ向けたトークン化プロジェクト始動 

国際決済銀行が主導する「プロジェクト・アゴラ」に世界41の民間金融機関が参加することが発表された。トークン化によって、ホールセールのクロスボーダー決済をどのように強化できるかを検証する。

国際決済銀行(BIS)のアンドレア・メヒラー副総支配人は、まだ実用化段階には至っていないが、今後さらなる開発やテストが計画されているとして、次のようにコメントした。

世界がトークン化されたエコシステムへと移行するならば、アドバンテージの一つは24時間365日稼働できるシステムへと移行できることだ。

これまでに得られた知見

国際金融協会(IIF)の代表で、このプロジェクトに参加する銀行の調整役を務めるティム・アダムズ氏は、今回のテストは画期的なものであり、トークン決済の大規模展開が可能であることを実証したと述べている。

国際決済銀行(BIS)は、プロジェクト・アゴラのプロトタイプ開発によって得られた知見として、主に以下を挙げた。

  • トークン化された資金を用いた多通貨決済は、国際的なホールセール型決済における現在の非効率性を、安全かつ確実に解消するのに役立つ。
  • 階層型アーキテクチャにより、各中央銀行は相互運用可能な共有プラットフォーム内で、自国の通貨と業務操作に対する自主性を維持できる。
  • 機密データを保護し、規制遵守を支援する技術により、口座残高や取引内容の両方でプライバシーを保護できる。
  • モジュール型設計により、条件付き決済や常時稼働決済などの新機能が実現可能となる。マネロン・テロ資金対策、経済制裁、不正検知などの分野での将来的な機能強化も見込まれる。

BISは、今後の作業では、参加する中央銀行の継続的な関与の下、民間セクターの役割拡大も期待されるとしている。また、カナダ銀行が新たに参加することになると発表した。

中央銀行が参加する国際決済のプロジェクトとしては、他にCBDC(中央銀行デジタル通貨)による国際決済ネットワーク実験を行う「プロジェクトmBridge」が存在する。

こちらの中核メンバーは、中国人民銀行、香港金融管理局、タイ中央銀行、アラブ首長国連邦(UAE)中央銀行、サウジアラビア中央銀行などだ。BISも参加していたが2024年に運営を参加中央銀行へ移管するかたちで離脱。地政学的背景も指摘されているが、BIS側は「プロジェクトの成熟による卒業」と説明していた。

関連記事:イラン戦争、ペトロダラー体制の弱体化を加速か=ドイツ銀行レポート

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