- 超党派の米上院議員2人がCFTCに調査を要求
- 架空取引動画の総再生数は1億4,000万回超
CFTC調査を要求
米上院のジョン・カーティス議員とアダム・シフ議員は26日、商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリッグ委員長に書簡を送り、予測市場プラットフォームのポリマーケット(Polymarket)による欺瞞的マーケティングをめぐる調査状況や規制対応について7月10日までの回答を求めている。
予測市場とは、選挙結果やスポーツの勝敗、経済指標など現実の事象の帰趨に賭ける金融派生商品の一種で、CFTCが規制権限を持つ。両議員は書簡の中で「コンテンツクリエイターが予測市場を『無料の金』と描写することが常態化しており、ギャンブルと異なる扱いをする根拠はほとんどない」と述べた。
両議員は今回の書簡に先立ち、スポーツ予測市場のギャンブルを禁止し、連邦政府高官が機密情報を利用して予測市場で賭けを行うことを禁じる立法も提案している。
書簡はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が20日に報じた調査報道を受けたものだ。WSJは1,105本の動画を分析し、ポリマーケットが報酬を支払ったコンテンツクリエイターたちが実際のプラットフォームではなく偽サイト上で架空の取引を演じていたと報告した。
架空動画の実態と拡散工作
WSJによると、動画内で描写された総額190万ドル相当の「取引」はすべて架空だった。うち118本では、クリエイターたちが計90万ドル近くの勝利を演出していたが、同条件で実際に賭けた場合は16万6,000ドル超の損失になるとWSJは試算している。
ポリマーケットはマーケティング会社バイラリティ(Virality)を通じ、動画を転載・拡散する「クリッパー」を組織的に運用していた。WSJが入手した内部資料によると、クリッパーには投稿が「自然で個人的」に見えるよう指示が出ており、アカウント名に「Polymarket」や「poly」を含めることも禁じられていた。動画分析会社テュビュラー(Tubular)の集計では、TikTok・YouTube・インスタグラムを合わせた総再生数は1億4,000万回超に達した。
ポリマーケットは「正確で公正、透明性の高い市場の維持に取り組んでいる」と声明を発表し、展開中のプロモーションコンテンツの包括的な監査を実施すると表明した。
背景:ポリマーケット、偽サイトで架空取引・勝利を演出か=WSJ調査
予測市場大手ポリマーケットが、架空の取引動画をSNSで大量拡散していたとWSJが報道。偽サイト「poiymarket.com」を構築し、総額190万ドル相当の取引を演出。CFTC・FTCの規制動向にも注目が集まっている。
規制措置と競合との競争
ポリマーケットは2022年1月、無登録でデリバティブ取引施設を運営したとしてCFTCから140万ドルの制裁金を科され、米国ユーザーへのサービス提供を停止した。その後パナマに再法人化し、2025年11月にはCFTCから認定デリバティブ取引所(DCM)としての認可を取得、同年12月から米国向けサービスを段階的に再開している。
資金面では2025年10月にニューヨーク証券取引所の親会社インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)から最大20億ドルの出資枠(既投資額6億ドル)を受けた。WSJ報道によれば同社の評価額は150億ドルに達している。
一方、競合の予測市場プラットフォームのカルシは2026年4月の月間取引量で54億ドルを記録し、ポリマーケットの20億ドルを上回って初めて首位に立った。
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