- テマセクが仮想通貨投資の継続回避を表明
- AI投資比率を2031年までに15%へ拡大方針
仮想通貨は対象外
シンガポールの政府系ファンド、テマセク・ホールディングスの投資部門を統括するナギ・ハミエ社長は9日、CNBCのインタビューで、仮想通貨への直接投資は「依然として検討外だ」と明言した。規制の不確実性を理由に挙げた。
ハミエ社長は「いかなる仮想通貨への直接投資も現在は行っていない」と語り、各国の規制の動向次第で仮想通貨が主要経済において担う役割が変わるとの見方を示した。テマセクは現在、実体経済への貢献という観点から、ブロックチェーン技術とそのインフラへの投資に注力している。
テマセクは2022年11月、仮想通貨取引所FTXの経営破綻を受け、同社への2億7,500万ドルの出資全額を評価損として計上した。FTX・インターナショナルへの2億1,000万ドルとFTX・USへの6,500万ドルで構成されたこの投資は、2021年10月から2022年1月にかけて実施されたものだ。
当時のシンガポール副首相兼財務相だったローレンス・ウォン氏はこの損失を「失望的だ」と評し、シンガポールの評判を損なったと指摘した。
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AI・欧州への投資方針
テマセクは仮想通貨から距離を置く一方、AIを次の主要投資テーマと位置づけている。ハミエ社長は、長期投資家として最も重視することを問われ、フロンティアモデルの開発よりもAIの実用化と商業エコシステムの構築を優先するとの考えを述べた。
テマセクは2025年3月期時点でポートフォリオ全体の6%をAI関連に振り向けており、2031年までにこの比率を15%に引き上げる方針だ。
また、地理別の投資状況については、欧州がここ2年間でテマセクの約120億ユーロ(2.2兆円)の資本を吸収し、米国に次ぐ2位となったとハミエ社長は明らかにした。欧州の高級品ブランド、消費財企業、エネルギー転換関連、創業家経営の産業企業などに長期的な資本を投じる戦略だ。
さらに、防衛産業への投資姿勢については、生物・化学兵器は投資対象から一切除外しながらも、民軍両用の技術については個別案件として検討すると同社長は語った。テマセクの防衛分野における現時点の投資先はSTエンジニアリングのみだという。
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