仮想通貨の資産運用でよく比較されるレンディングとステーキング。どちらも保有資産からインカムを得られますが、仕組み・リスク・対象銘柄がまったく異なります。本記事では比較表を用いて両者の違いを整理します。
目次
レンディングとステーキングの違いは?全体比較表
まず7つの観点で両者を並べて確認します。
| 比較項目 | レンディング | ステーキング |
|---|---|---|
| 一言で言うと | 暗号資産を「貸し出して」利息を得る | PoSネットワークに「参加して」報酬を得る |
| 収益の源泉 | 借り手が払う利息 | ブロック検証への参加報酬 |
| 主な対象銘柄 | BTC・USDC・USDT・ETHなど幅広い | ETH・SOL・DOTなどPoS系が中心 |
| 利率の性質 | 固定(契約時に提示されることが多い) | 変動(ネットワーク状況に依存) |
| 主なリスク | 業者破綻・ハッキング(カウンターパーティリスク) | ネットワークリスク・スラッシング |
| 資産の拘束 | 中途解約不可または制限あり | ロックあり(取引所によりいつでも売却可) |
| 資産の保護 | 分別管理対象外(破綻時に返還されないリスク) | 主要取引所は分別管理対象 |
| 税務上の扱い | 雑所得(利息収入) | 雑所得(報酬収入) |
レンディングとは?仕組みと特徴

レンディング事業者を介したレンディングの仕組み
レンディング(暗号資産貸出 / 貸コイン)とは、保有している暗号資産を取引所や運用会社に貸し出し、その対価として賃借料(利息)を受け取る運用方法です。たとえば1BTCを年率3%で貸し出した場合、満期時には1BTCと0.03BTC(賃借料)が返還される形になります。
仕組みの流れ
- 貸し手(ユーザー)が取引所に暗号資産を預ける
- 借り手(マーケットメイカーなど)が取引所から暗号資産を借りる
- 借り手は借りた資産を流動性供給などのビジネスに活用
- 借り手は満期時に元本と利息を取引所に返済
- 取引所が貸し手に元本と利息を返還
レンディングの主な取引所と利率(参考)
| 取引所 | 主な貸出期間 | 参考年率 | 主な対応銘柄 | 中途解約 |
|---|---|---|---|---|
| コインチェック 公式 | 14〜365日(5段階) | 年率1〜5% | BTC・ETH・XRPなど | 不可 |
| SBI VCトレード 公式 | 7・28・84日 | 銘柄・募集により変動(DOT 14日で年率20%実績) | BTC・ETH・SOL・USDC・ZPGなど | 不可 |
| ビットバンク 公式 | 365日(月次変動) | 年率最大5% | 全取扱銘柄(幅広い対応) | 可(元本5%手数料) |
| GMOコイン 公式 | 1・3ヶ月(Basic) 1週間〜2ヶ月(Premium) |
Basic 年率1.3〜3% Premium 最大年率15% |
BTC・ETH・XRPなど | 可(Basicのみ) |
| ビットトレード 公式 | 90・360日 | 銘柄により変動(SHIB 年率48%実績) | BTC・ETH・SHIB・MATICなど | 不可 |
| bitFlyer 公式 | 最長182日 | 年率最大約3.05% | BTC・XRP | 原則不可 |
※ 貸出条件・対象銘柄は取引所により異なります。最新情報は各取引所の公式サイトでご確認ください。
※ 表示利率は参考値です。市場状況・募集タイミングにより変動し、実際の受取額は取引所の手数料控除後となります。募集枠が埋まる場合もあります。
ステーキングとは?仕組みと特徴

取引所を介したステーキングの仕組み
ステーキングとは、Proof of Stake(PoS)型ブロックチェーンのネットワーク検証に自分の資産を提供し、その対価としてブロック報酬を得る仕組みです。ネットワークのセキュリティを支える役割を担う点で、レンディングとは根本的に性質が異なります。専門知識やノードの設定が不要な国内取引所のサービスを使えば、仮想通貨を保有するだけで最短即日から報酬を受け取れます。
ステーキングの主な取引所と利率(2026年4月時点)
| 取引所 | ETH | SOL | DOT | ATOM | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ビットポイント | 2.81% | 6.91% | 11.56% | 18.61% | 手数料無料・日本円報酬受取可 |
| SBI VCトレード | 2.6% | 5.9% | 7.6% | 19.0% | 国内最多銘柄対応・設定不要・いつでも売却可 |
| GMOコイン | 2.67% | 5.51% | 6.03% | 16.36% | ASTR対応・設定不要・いつでも売却可 |
| コイントレード | 2.3% | 4.9% | 4.5% | 13.5% | TON対応・無期限複利運用 |
| OKJ | 1.8〜2.25% | 2.28〜6.88% | − | − | 幅広い銘柄対応・毎日報酬付与 |
| コインチェック | 最大約2.7% | − | − | − | ETH特化・マネックスグループ |
※ 表示年率は2026年4月時点の参考値(各取引所の実績値)です。ネットワーク状況・市場環境により大きく変動します。
※ 実際の受取報酬は、取引所が徴収する手数料を控除した実質利回りとなります。手数料率は取引所・銘柄により異なりますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
※ 取引所間の利回り比較は調査時点・対象銘柄により変わります。常に最新の公式情報をご参照ください。
対象銘柄の傾向を比較する
銘柄ごとにどちらが適しているか、実務的な傾向があります。
| 銘柄 | レンディング | ステーキング | 理由・備考 |
|---|---|---|---|
| BTC(ビットコイン) | ◎ | ✕ | PoWのためステーキング非対応。レンディングのメイン銘柄 |
| ETH(イーサリアム) | ○ | ◎ | PoS移行済み。ステーキングが本来的に向くが、レンディング対象にもなる |
| SOL(ソラナ) | △ | ◎ | PoS系の代表格。高利率ステーキングとの相性が良い |
| USDC・USDT | ◎ | △ | 価格変動リスクが低くレンディング向き。PoSステーキングとは別の仕組み |
| DOT(ポルカドット) | △ | ◎ | PoS系。ノミネーション形式でのステーキングが一般的 |
| ATOM(コスモス) | △ | ◎ | 高い報酬率が特徴のPoS系銘柄 |
| XRP | ○ | △ | レンディングの対象になりやすい。PoS型ではない |
📌 銘柄の傾向を覚えるポイント
「利回りを取る貸付系ならレンディング」「ネットワーク参加報酬ならステーキング」と覚えると判断しやすいです。銘柄の傾向としては、レンディングはBTC・USDC系、ステーキングはETH・SOL系と覚えると実態に近いです。ただし、レンディング側でもETHや他銘柄を扱う業者があり、ステーキング側でも対象銘柄はETH・SOL以外に広がります。
メリット・デメリットを比較する
- 対象銘柄が広い
BTCやUSDCなどPoS対応外の資産でも収益化できる - 利率の見通しが立てやすい
契約時に利率が提示されるケースが多く、短期の収益計画を組みやすい - 専門知識不要・少額から参加できる
チャート分析もノード設定も不要 - ステーブルコインで価格変動なし運用が可能
USDCやUSDTは価格変動リスクなしで利息を得られる
- カウンターパーティリスク
貸出先・運営業者の破綻やハッキングで資産を失うリスク - 分別管理対象外
取引所破綻時に資産が返還されない可能性がある - 中途解約の制限
期間中に相場急変が起きても資産を動かせないケースが多い - 元本割れの可能性
利息を受け取っても、価格下落で評価損が上回ることがある - 貸付タイミングを選べない
人気の銘柄・高金利プランは募集枠が埋まることも
- 分別管理の対象
SBI VCトレード・GMOコインなど主要取引所は分別管理対象 - いつでも売却できるケースがある
SBI VCトレード・GMOコインはステーキング中でも売却・出金可能 - 長期保有との相性が良い
ETHやSOLを長期保有しながら報酬を積み上げられる - 複利効果
コイントレードなど無期限・複利運用に対応する取引所もある - 設定不要で自動開始
SBI VCトレード・GMOコイン・コイントレードは預入後すぐに自動でスタート
- 対象銘柄が限られる
PoS系銘柄のみ。BTCはステーキング不可 - 利回りが変動する
ネットワーク状況によって報酬率が変わる - ロックアップ期間のある取引所も
コイントレード・コインチェックなどはロック期間あり - スラッシングリスク
セルフステーキング時、バリデーターの不正でペナルティが発生する可能性
利回り比較:どちらが高いのか?
短期の見た目利回りでは、レンディングが勝ちやすい傾向があります。特にステーブルコイン(USDC・USDT)をレンディングに回す場合、価格変動リスクなしである程度の利率を得られるため、表面利回りは高く見えます。
ただし、長期保有を前提にするならステーキングが有利になるケースも多いです。ETHやSOLはネットワーク成長とともに価格上昇が期待できる一方、ステーキング報酬も積み上がるため、トータルリターンで見ると優位な場合があります。
最も重要なのは「どちらが高いか」ではなく、「その利回りが何のリスクと引き換えになっているか」を見極めることです。
| 観点 | レンディング | ステーキング |
|---|---|---|
| 短期利回り | ◎ 固定利率で見通し立てやすい | △ 変動するため読みにくい |
| 長期リターン | △ 価格上昇の恩恵は通常のHODLと同じ | ○ 保有しながら報酬も積み上がる |
| リスクの質 | 業者信用リスク(カウンターパーティ) | ネットワーク・スラッシングリスク |
| 資産保護 | 分別管理対象外のリスクあり | 主要取引所は分別管理対象 |
| 資産の柔軟性 | 原則中途解約不可 | 取引所によりいつでも売却可 |
💡 参考:銘柄によってはレンディングの方が高利率のケースも
GMOコインのDOT・ATOMなど、銘柄によってはレンディング(貸暗号資産Basicコース)の報酬がステーキングより高利率になるケースがあります。「どちらが一般的に高いか」ではなく、保有銘柄ごとに両者を比較した上で選択することをお勧めします。
税務上の取り扱い(雑所得)
レンディングの利息収入・ステーキングの報酬収入は、いずれも雑所得として課税対象になります(2026年4月現在)。銀行預金利子(源泉分離課税)とは異なり、給与所得などと合算する総合課税が適用されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得区分 | 雑所得(総合課税) |
| 課税タイミング | 報酬・利息を受け取った時点の時価(円換算)で課税 |
| 計算式 | 売上高(受取時の時価)- 必要経費(手数料等)= 雑所得 |
| 最大税率 | 最大約55%(所得税45%+住民税10%)※累進課税 |
| 確定申告の要否 | 雑所得の合計が年間20万円超で申告必要 |
「段階課税」に注意
報酬として受け取った暗号資産を後に売却した場合、売却益も別途課税対象となります。
【例】ステーキング報酬でSOLを15万円分受け取り、その後20万円で売却した場合:
- 報酬受取時:15万円が雑所得として課税
- 売却時:売却益5万円(20万円-15万円)も課税
- 合計20万円が課税対象
記事の監修者
使い分けのまとめ
銘柄の選択肢を広く持ちたい(BTC・USDC・ETHなどPoS対応外も含め幅広く運用したい)/利回りをある程度固定で見通したい/PoSステーキングに非対応のBTCを収益化したい/ステーブルコインを価格変動リスクなしで運用したい
ETH・SOLを長期保有しつつ報酬も得たい/分別管理対象の仕組みで安全に運用したい/SBI VCトレード・GMOコインで売却の柔軟性を確保したい/手間をかけずほったらかしで運用したい
最終的な判断軸は「利回りの高低」だけでなく、リスクの質(業者リスクvsネットワークリスク)と自分の保有銘柄・運用期間です。銘柄の傾向として、レンディングはBTC・USDC系、ステーキングはETH・SOL系と覚えると実態に近い選択ができます。
よくある質問(FAQ)
Q1:レンディングとステーキング、初心者にはどちらがおすすめですか?
長期保有の意向があり、ETHやSOLを保有しているならステーキングが自然な選択です。SBI VCトレードやGMOコインであれば設定不要で自動的に報酬が積み上がります。一方、BTCやUSDCを保有しており利率をある程度固定で見たいならレンディングを検討してください。
Q2:レンディングで貸し出した資産は保護されますか?
レンディングで貸し出した暗号資産は資金決済法の分別管理対象外となります。取引所が破綻した場合、貸し出した資産が返還されないリスクがあります。これはSBI VCトレード・GMOコインなど主要取引所のステーキング(分別管理対象)との大きな違いです。運営元の信頼性を慎重に確認したうえで利用しましょう。
Q3:USDCはステーキングできますか?
USDCはPoS型ブロックチェーンの銘柄ではないため、通常のPoSステーキングには対応していません。取引所やDeFiプロトコルで「APY」という形でUSDCの運用が提供されている場合がありますが、仕組みとしては通常のPoSステーキングとは別物です。USDCはレンディングでの運用がより一般的です。
Q4:ステーキング中でも資産を売却できますか?
取引所によって異なります。SBI VCトレードとGMOコインは、ステーキング中でも資産をいつでも売却・出金可能です。一方、コイントレードやコインチェックはロック期間中は売却・引き出しができません。流動性を重視する場合はSBI VCトレード・GMOコインを選択肢に入れてください。
Q5:税金はどのように申告すればいいですか?
受け取った時点の暗号資産の時価が「雑所得」の収入金額となります。年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。また、報酬として受け取った暗号資産を後日売却した場合、その売却益も別途課税対象となります(段階課税)。計算が複雑な場合は、国税庁の計算書や税理士への相談をご活用ください。
Q6:レンディングとステーキングは同時に利用できますか?
基本的に別々の資産で利用する形になりますが、取引所によっては同一口座でレンディングとステーキングの両サービスに対応しているケースもあります(SBI VCトレードなど)。詳細は各取引所の公式サイトでご確認ください。
まとめ
レンディングとステーキングは、どちらも保有する暗号資産からインカムを得られる仕組みですが、収益の源泉・対象銘柄・リスクの質・資産の保護水準がまったく異なります。
短期の見た目利回りではレンディングが有利な場面も多くある一方、ETHやSOLを長期保有するならステーキングの方が合理的な場合があります。「利回りの高低だけで選ばず、どのリスクと引き換えかまで見る」ことが、自分に合った運用選択の基本です。
どちらの運用を検討している場合も、まず国内大手取引所の口座開設から始めるのが近道です。口座開設前にキャンペーン・ボーナス情報を確認しておくとお得です。
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