CoinPostで今最も読まれています

令和元年、仮想通貨の”疑わしい取引”件数は減少|警察庁がマネロンに関する報告書を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

AML強化へ業界の取り組みが功を奏したか

令和元年(2019年)における仮想通貨に関する疑わしい取引の届出件数が前年と比べ減少したことが明らかになった。マネーロンダリングなど「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」を警察庁が公開した。

令和元年の疑わしい取引の届出制度による受理件数は全体で440,492件と、前年に比べ、約2万3000件(5.5%)ほど増加。業態別で見ると、仮想通貨交換業者による疑わしい取引の届出受理件数は5,996件となり、前年より1100件(15.6%減)ほど減少した。

AMLやKYCなど、取引所の口座開設時の身元確認が強化されてきたことで、以前に比べ犯罪行為に利用しにくい環境が整えられてきたことも背景にあると思われる。

金融機関等の中で銀行などの預金取扱機関を除くと、届出件数が減少している区分は仮想通貨交換業者の他には「その他」と元々件数の少ない「電子債券記録機関」しかないことから、業界が仮想通貨(暗号資産)に対する懸念の払拭に向けて努力してきた成果の現れとして評価できる。

疑わしい取引届出制度とは

疑わしい取引とは犯罪による収益との関係が疑われる取引のことを指す。事業者から届出があると、所管の行政庁が受理し、公安、警察庁で情報の集約や分析が行われる。

集められた届出情報は捜査機関等の捜査に活用される仕組みになっており、事業者は届出を行うことが義務付けられている。

集められた情報の活用に関して、国家公安委員会、警察庁は「匿名性が高くマネー・ローンダリング及びテロ資金供与に悪用される可能性が高い仮想通貨の取引」に着目した分析を強化しているという。

取引が疑わしいかどうかの判断は届出を行う事業者が行うことになるが、金融庁による仮想通貨交換業者向けの疑わしい取引の参考事例として公開されているものには以下のような事例がある。

・顧客の資産に見合わない高額な取引や現金を使用した多額の取引、短期間での頻繁な取引で総額が大きい場合

・架空の名義の疑いがある場合や、同一のIPアドレスで、異なる顧客の取引が行われている場合

・取引時確認の対象となる金額を僅かに下回る金額で複数の取引がある場合

報告書には仮想通貨業界の取り組みについてもまとめられており、一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)による、自主規制規則「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関する規則・ガイドライン」に触れられている。

そのほか、FATF勧告に対応したAML/CFT 態勢の強化、意見交換会の実施などが具体的な取り組みをしているとして評価されている。

参考: 犯罪収益移転防止に関する年次報告書(令和元年)

CoinPostの関連記事

北朝鮮が盗んだ100億円相当の仮想通貨をマネロン 米財務省、中国人2名を制裁
米財務省の外国資産管理室が、2人の中国人を処罰したことを発表。北朝鮮国家が後援するハッカー集団「ラザルス」が関与している。
ビットコイン悪用の資金洗浄、世界的なマネロングループ所属の容疑者を逮捕
米国当局は、麻薬取引に関連する資金洗浄を行ったとして容疑者を逮捕。麻薬カルテルと共謀し、仮想通貨と小切手によるマネロンが行われていたと申し立てた。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア