今週5/11(土)〜5/17(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
5/11(土)〜5/17(金)の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は確りとした推移となり、17日正午時点で1000万円を回復している。
2021年のミーム株相場の火付け役となったRoaring Kittyことキース・ギル氏が3年ぶりにX(旧ツイッター)を更新したことで、週明けにはアルトコインのGMEを筆頭にミームコインが急騰し、BTCも連れ高を演じ950万円から反発した。
一方、今週は複数の米インフレ指標の発表を控え、BTCはその後980万円周辺で揉み合いに転じると、14日にはコインベースのシステム障害を受けて上値を重くし、4月の米卸売物価指数(PPI)の上振れも相場の重石となり、960万円周辺まで下落した。
ただ、米PPIは前月のデータが下方修正された他、パウエルFRB議長がアムステルダムでのイベントで、現時点での利上げ再開の可能性を否定したこともあり、その後のBTCは下げ止まった。
翌15日には、4月の米消費者物価指数が発表され、結果は3月の3.5%から3.4%に伸びが鈍化し、BTCは上値を追う展開となると、1000万円を回復し3週間ぶり高値に戻した。
しかし、16日の相場は上値の重い展開となり、4月の米輸入物価の上昇を受けて上げ幅をやや縮小。幸い、4月末から相場のレジスタンスとなっていた6.5万ドル(約1012万円)周辺で買い戻しが入ったが、続伸には失敗している。
3月の米CPI上振れに加え、米経済の減速を示すデータが出ていたことで、市場ではスタグフレーション懸念が燻っていたが、4月のCPIの結果を受けてこうした懸念が後退した。
しかし、4月のCPIは伸びが鈍化したものの、そのペースは極めて緩慢と言え、FRBによる9月の利下げに対して確信を掴める結果ではなかった。
その為、BTC相場はチャネル上限まで戻すことに失敗した上、6.5万ドルの次のチャートの節目となる4月22日の戻り高値6.72万ドル(第2図内オレンジ線)にも到達できず、やや力不足な印象もある。
BTCドルはチャネル下限近辺からの反発でテクニカル的なセンチメントは改善、さらに6.5万ドルのレジサポ転換と、目先の相場の下値は堅いと見ているが、米国のインフレに関する追加的な材料がなければ下降チャネルからのブレイクアウトは難しいか。
また、足元のBTCオプション市場では、6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉が集中しており、目先の相場は6.5万ドル〜7万ドルレンジでの推移となりやすいと指摘される(第3図)。
来週には4月の米耐久財受注の発表が控えているが、この先の目玉材料は月末の米個人消費支出(PCE)と言え、月末までのBTC相場は方向感に欠ける展開が続くと見ている。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿