CoinPostで今最も読まれています

豪州で自律分散型組織(DAO)の法的承認を求める動き

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

上院にDAOの法人化検討を求める

オーストラリアのデジタル金融業界が、自律分散型組織(DAO)を法的に認めることを提案している。Australian Financial Reviewが報道した。

オーストラリアのDigital Law Association(デジタル法協会)と国際的な法律事務所ハーバート・スミス・フリーヒルズが、DAOの法人化についてオーストラリア上院が検討することを求めている。

会社法の下で、新しいタイプの法人として有限責任会社の一種「DAO Limited」というカテゴリーを創設することを、上院の特別委員会「テクノロジーと金融の中心としてのオーストラリア委員会」に呼びかけた格好だ。

この特別委員会は、オーストラリアにおいて、セキュリティと消費者保護を維持しつつ、ブロックチェーン業界で新しい雇用を創出するための政策を検討している。デジタル資産全般と仮想通貨セクターがもたらす恩恵とリスクを探ることも、委員会が担当する目的の一つだ。

DAO(自律分散型組織)

一般的な法人のような中央管理者が存在せず、その参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる、分散型の自律組織のこと。従来企業のような階層構造が存在しない組織も構築可能になる。

▶️仮想通貨用語集

特にDeFiプロジェクトに恩恵

呼びかけを行っている弁護士達によると、オーストラリアのDeFi(分散型金融)分野の起業家はシンガポールなどの海外に拠点を移しているところであるが、DAOを法的に認めることで、オーストラリアも暗号資産(仮想通貨)事業にとって魅力的な場所にすることができる。

DAOを法人化することのメリットとして、DeFiプロジェクトの運営者が、法的根拠のある契約を結べるようになる。また、有限責任の状態にすることで、組織のあるメンバーがくだした決定によって発生した損失に対して、他のメンバーが責任を負う必要もなくなるという。

この他に、デジタル法協会は、税法がDAOに与える影響を調査することを求めた。また、複数の機関から成るワーキンググループが、オーストラリアの規制当局の意見を取り入れながら、デジタル資産の分類を行うことも提案している。デジタル資産の種類ごとに、法律や税務上の取扱いを定めることが狙いだ。

またデジタル資産事業の取締役がサイバーセキュリティ関連のトレーニングプログラムを受けることを義務付ける法律を制定すべきだとも主張している。

COALAがDAOのモデル法を作成

デジタル法協会はDAOをめぐる法制度の設計にあたってはCoalition of Automated Legal Applications(COALA:自動化された法運用に関する連合)が提案したモデル法を参考にすることができると述べた。COALAは、ブロックチェーンに関わる国際的な研究者、弁護士、技術者、起業家などの団体である。

COALAは、DAOについてのモデル法を発表しており、DAOが行うことのできる活動や権利・義務など様々な事項を提示している。

例えば、DAOには従来の会社組織のように最低資本金が義務付けられていないとするが、その一方で社会的信用を高めるために、自主的に準備金や保険制度を導入することも認めている。

また中央集権的な運営者の意志だけではなく、参加者の合意による組織管理も可能なこと、同時に運営方法に関わらず、ある目的や活動のためにオフチェーンの代表者を持つ必要があることにも言及。ある国の司法当局とやり取りできる法定代理人を任命するための手続きも提案している。

DAOの法人化をいち早く正式に認めたのは、米ワイオミング州だ。同州では2021年4月に、定められた条件の下でDAOが有限責任会社(LLC)という法人になることを承認する法案が成立している。

関連米ワイオミング州、自律分散型組織(DAO)の法人化法案が成立

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア