CoinPostで今最も読まれています

バイナンス主要ステーブルコインの通貨ペア統合|テザーとUSDCで明暗分かれるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

USDCには有利になる

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは6日、主要ステーブルコインのユーザー残高を自動的にバイナンスUSD(BUSD)に換金する方針を発表した。USDコイン(USDC)とPaxドル(USDP)、TrueUSD(TUSD)の3銘柄が対象で、時価総額トップのテザー(USDT)は含まれない。

関連:バイナンス、主要ステーブルコインの取り扱い停止へ

上場廃止ではなく、これまで取り扱いのあったUSDCなどステーブルコインの入・出金は引き続き受け付ける。

この動きに対して、バイナンスが最大の取引所という立場を利用して、独自のステーブルコインを押し進めるのではないか、テザーを優遇しているのではないか、など一部では批判も声も聞かれた。しかし、USDCを発行する米サークル社のJeremy Allaire最高経営責任者は、「むしろ、バイナンスの決定はUSDCの利用を後押しする」との考えを明らかにした。

バイナンスによるUSDCの強制的な変換について、いくつかの観点を共有したい。誤解を招くような見出しや解釈が多い。バイナンスはUSDCのサポートそのものを終了するわけではなく、この変更によってバイナンスで流通するUSDCが増加する可能性が高い。

ステーブルコインとは

ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルに裏付けられその価値($1)を保つことが目的。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIのようにアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

対象銘柄の入金と出金は可能

対象銘柄のユーザー残高がBUSDに1:1の割合で自動換金されるのは9月29日正午(日本時間)だが、ユーザーによる同銘柄の入金及び出金は、これまで通り行えるとバイナンスはFAQに明記している。

現在、バイナンスはBUSDに1:1の割合で自動変換するために、USDC、TUSD、USDPの入金をサポートする。そして、これ(変換された BUSD)は、1:1の割合でUSDC、TUSD、USDPに戻して出金可能。

バイナンスの広報担当者は、取引されるトークンの数を減らす目的は、ステーブルコインの流動性を集中させることであると説明している。また、サークル社CEOのAllaire氏は、バイナンスは「現金と同等であるステーブルコイン」でドルの流動性を集約しようとしているのであり、「流動性と市場の深さ」に良い影響を与えると述べ、以下のような考察を披露した。

BUSDの使用がバイナンス外では非常に限定的であることを考えると、これはおそらく、CEX(中央集権的取引所)とDEX(分散型取引所)の優先的なステーブルコインのクロス・レールとして、USDCの使用に利益をもたらすだろう。

テザーには不利益か?

Allaire氏はテザー(USDT)について、「現金と同等でないどころか、程遠い」と批判し、バイナンスがUSDTを自動換金の対象に含まなかった理由として示唆した。

さらに同氏は、今後の予測としてバイナンスの動きは、USDTからBUSDとUSDCへ、緩やかなシェアの移行につながるだろうとツィート。仮想通貨取引会社WintermuteのEvgeny Gaevoy最高経営責任者による考察を「的を得ている」と紹介した。

Gaevoy氏は、バイナンスがほとんどのステーブルコインの取引ペアを削除することで、分散されていた複数のステーブルコインの流動性が集約され、市場全体の流動性が高まると指摘。この動きはUSDCなどの対象銘柄にとってはポジティブなことであり、またステーブルコイン間の変換の手間も省けることで顧客体験も向上すると主張した。

一方、USDT以外の取引ペアの流動性が増加することにつながるため、長期的に自動換金の対象ではないUSDTにとってはあまり良いニュースではないとGaevoy氏は指摘。USDTのトレーダーは、資産を手動で変換する必要があるため、今後「地盤を失う可能性がある」と述べた。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/09 木曜日
12:00
米トランプ前大統領、NFT購入者と夕食へ 仮想通貨に肯定発言も
米トランプ前大統領は独自NFTの特典として購入者らと夕食をとって過ごす。トランプ氏は仮想通貨に対してさらに肯定的な発言をしたところだ。
11:10
トランプ前大統領が異例発言、仮想通貨業界を味方に
今回の発言を受け業界の一部からトランプ氏を次期大統領として支持する声が増えているが、政治家として支持者を得るためのリップサービスにすぎないとの懸念も見られている。
10:20
金融庁、デジタル証券(ST)の規制緩和へ
日本の金融庁はデジタル証券(ST)を普及させるため規制を緩和することがわかった。早ければ8月にも内閣府令を改正する計画である。
10:00
Polyhedra、ゼロ知識証明の生成スピードで業界標準を刷新
Polyhedra Networkが新たに発表したZK証明プルーバー「Expander」は、業界標準を超えるゼロ知識証明の生成スピードを実現し、セキュリティと効率を大幅に向上する。
07:45
コインチェック、ナスダック上場申請で進展
De-SPACで仮想通貨取引所コインチェックのナスダック上場を目指すTHCPは、SECに申請書類を提出したことを発表。その後にコインチェックは、登録書類を公開することを発表した。
07:20
zkSync基盤のSophon、ノード販売で93億円調達
ノード販売とは、Sophonチェーンのノードを運用するためのNFT(ERC-721規格)ライセンスの販売で、早期段階でプロジェクトの仮想通貨トークンを割引価格で入手させるいわゆるトークンセールの一種だ。
06:45
Core Scientific黒字転換、1Qに270億円相当のビットコインを採掘
米ナスダック上場の仮想通貨ビットコインマイニング企業コア・サイエンティフィック社は、2024年第1四半期に2,825 BTCを自己採掘した。しかし半減期による影響はまだ反映されていない。
05:40
マスターカード、トークン化RWAの決済試験でJPモルガンやシティと提携
現在の課題として、投資適格債のような証券と、商業銀行のお金のような資産は、それぞれ別のシステムで機能している。RSNを利用すれば、単一のプラットフォーム上でトークン化資産の決済手続きを行うことができる。
05/08 水曜日
20:31
日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」、先着順の読者限定割引コードを配布開始
国内最大手暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostが企画・運営するWeb3カンファレンス「WebX2024」。先着順の読者限定割引コードを配布開始しました。
15:06
EVM互換のZKロールアップとして関心を集める「Zircuit(ザーキット)」とは
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム財団からL2研究助成金を獲得し、大手VCのPantera Capitalなどから出資を受ける「Zircuit(ザーキット)」について解説。ステーキングプロトコルは約2ヶ月で30億ドル以上を集めた。
14:35
懸念強まる仮想通貨業界へのSEC執行範囲、民主党と共和党議員が激論交わす
米国下院金融サービス委員会は、SECの暗号資産(仮想通貨)を念頭にした執行活動に関する公聴会を開催。民主党と共和党議員のスタンスの違いが鮮明となった。
12:50
FTXが再建計画書提出、すべてのユーザーに100%以上弁済の見込み
破綻した仮想通貨取引所FTXは、米破産裁判所に再編計画の修正版を提出した。すべての債権者が請求額の100%を受け取れるとしている。
11:25
米金融大手サスケハナ、1500億円相当のGBTCを保有
米大手投資・トレーディング会社サスケハナが約10億ドル相当の仮想通貨ビットコイン現物ETF「GBTC」を保有していることが確認された。
10:40
イーサリアムは穏やかなインフレ傾向に ETH焼却量減少で
仮想通貨イーサリアムは、主に取引手数料の低下により、焼却されるETHの量が大幅に減少している。DencunアップグレードやL2の活発化が背景にある。
09:30
「BTC相場は回復に転じた可能性」SCB銀が分析
「仮想通貨ビットコインの相場は回復に転じた可能性がある」とスタンダードチャータード銀行が分析。米大統領選の影響や今後の価格も分析している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア